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カテゴリー「読み物」の検索結果は以下のとおりです。

エア・パワーの時代

  • 2020/07/19 06:17
  • カテゴリー:読み物

たぶんエア・パワーが縮小していった過程の主要な要素は、核兵器が拡散したことであり-わかりやすく言えば、原爆はあまりにも強力であったため、ほんの一握りの原爆でも最強の国家ですら放射能に汚染された砂漠へと変えてしまうことが可能となったことである。

第二次世界大戦で花形だった航空戦力、エア・パワー。その隆盛は、まさにその頃がピークだった。引用は、マーチン・ファン・クレフェルト著「エア・パワーの時代」(芙蓉書房出版、14年)、その最終章「凋落、1945年以降?」から(p514)。

戦略爆撃の代わりにはICBM。その他にも巡航ミサイルや、人工衛星、ヘリコプター、無人機、民間機(輸送用)など、在来型の航空戦力を代替する策は、現在、いくらでもある。コストのかかる戦闘機や爆撃機の存在理由を問われかねない。それに、大規模な戦争はなくなり、今や航空機を持たないゲリラやテロリストたちによる残忍な戦争の時代になっている。

# SAC 戦略空軍、RPV 遠隔操縦機、UAV 大型の無人機。「補給戦~何が勝敗を決定するのか」(中公文庫、06年)、「戦争の変遷」(原書房、11年)

久生十蘭著作十選

  • 2020/07/18 17:31
  • カテゴリー:読み物

緻密に考えた計画はむしろ邪魔なので、その場の情況に応じて咄嗟に断行するといった伸縮性のある方法のほうが、成功の公算が多いのではあるまいか。

藤井七段が渡辺棋聖を降した、第91期棋聖戦五番勝負のことを言っているかのようだ。引用は、久生十蘭著「無月物語」から。強行策を算段する場面。

今回のシリーズ十選は、小説の魔術師、久生十蘭の作品から。選ぶに当たって、この「無月物語」含め、目ぼしい諸作をざっと読み返した。以下10作品、初出年の昇順。長編「内地へよろしく」以外は青空文庫で公開されている。

「黒い手帳」(37年)
「海豹島」(39年)
「生霊」(41年)
「内地へよろしく」(44年)
「黄泉から」(46年)
「西林図」(47年、鶴鍋を改題)
「予言」(47年)
「無月物語」(50年)
「猪鹿蝶」(51年)
「母子像」(54年)

「十選」(サイト内検索)。作家別作品リスト:久生十蘭ヒューリック杯棋聖戦第91期|日本将棋連盟

非営利組織の経営

  • 2020/07/16 06:01
  • カテゴリー:読み物

成功している企業の経営者は、組織に働く者が給与や昇進だけで動機づけされるわけではないということ、彼らがそれ以上の何かを必要としているということを知っている。しかし、非営利機関では、その何かが、企業よりもずっと必要とされている。

その「何か」とはいったい何なのか。本文から抜き書きしてみよう、1) 明確な任務、2) 情報を基盤とする組織、3) 成果による評価、そして、4) 示される寛容。上の引用は、PF・ドラッカー著「非営利組織の経営-原理と実践」(ダイヤモンド社、91年)から(p223)。この本、タイトルは聞いたことあったけれど読むのは今回が初めて。実践的な示唆に富んでいる。

組織戦略の考え方(サイト内)。上から10%にやる気を起こさせる(p209)

組織戦略の考え方

  • 2020/07/15 05:37
  • カテゴリー:読み物

真剣な評価のまなざしと、「頑張ったね」という誠意あるコトバのやりとりが重要

沼上幹著「組織戦略の考え方」(ちくま新書、03年)、第4章「欲求階層説の誤用」の「カネもポストもないけれど」から(p96)。あなたのことをいつも見ていますよと直接間接に相手(部下)に伝える。それで人は動く。というか、そういう関係を構築することがチームづくりでは大切であることを著者の指摘であらためて知った。最初は、「知的武装講座」(プレジデント社)という本で読んだ。

沼上幹氏の欲求階層説云々が、金井壽宏著「働くみんなのモティベーション論」で引用されているのを見て、この「組織戦略の考え方」のことを思い出した。図書館(県立)では開架にはなく、書庫にしまわれていた。

モティベーション論(サイト内)

黒い同盟

  • 2020/07/13 06:55
  • カテゴリー:読み物

自由や民主主義、人権を重んずる米国が、カショギ記者殺害に見られるような、サウジ国内の人権問題、あるいは2015年3月から開始された非人道的なイエメン空爆について批判することはない。

宮田律著「黒い同盟-米国、サウジアラビア、イスラエル-反イラン枢軸の暗部」(平凡社新書、19年)から(p12)。サウジアラビアは米国製の武器を買ってくれる大切なお客様だ。ちょっとくらい気に食わないことをしても目くじら立てたりしない。ご都合主義で中東での同盟国をころころ変えて来た、米国の歴代大統領の頭にあるのは、いつでも、自国の軍需産業に利益をもたらすかどうかということだ。戦争は景気を刺激するカンフル剤。他国に武器を買ってもらうだけでは飽き足りず、もちろん、自ら戦争に出かけて行くこともある。

# 米国、イギリスの武器輸出先(表、p45)、第4章「9・11をめぐる奇妙な関係」ビンラディン一族と親しかったブッシュ・ファミリー(p155)、ボーイング、ロッキード・マーティン、ジェネラル・ダイナミクス、レイセオン(p212)。地上イージス計画停止(サイト内)。陸上イージスの運用費5000億円超、レーダーはロッキード製(18/7/30)

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