帝銀事件
- 2025/10/15 10:25
- カテゴリー:興行・放送
知らされないことに怒りはある。が、知らされないまま、権力側の発表のみを無難に報じて来たマスコミの責任は、そのマスコミが醸成した空気に乗じて一人の人間を犠牲にする世論に責任はないのか。
ドラマ編の中で、松本清張(大沢たかお)が言う。NHKスペシャル「未解決事件-松本清張と帝銀事件」第1部(10/3)から。初回放送は、2022年12月。
米国占領下の時代、GHQの陰謀ではないかと疑われる事件が多々あった。12人が毒殺された帝銀事件(1948年)もその一つ。
事件の真実は、圧力によって秘され、「知らされない」。
メディアは、深く追求することもなく、当局の発表する通り、まんまと犯罪者に仕立て上げられた人物を犯人として報じて行く。
人身御供を欲している世の人たちは、それに大いに満足する。
暗黙の了解で、メディアと世の人たちの取り引きが成立する。その根底にあるのは、他人の不幸は蜜の味、か。
「あの戦争」へのメディアの責任について記された本などをいくつか読んで来た。メディアが及ぼす悪い影響は、決してそれに限らない。メディアは、いつ何時も、売れるもの、つまり我々受け手が欲するもの、を報じる、提供する。よく肝に銘じておかねばならない。
# 帝銀事件の謎、戦時下の宰相たち、石破首相所感、戦後80年、論点別 昭和史(いずれもサイト内)。NHKスペシャル選「未解決事件-松本清張と帝銀事件」第1部ドラマ「事件と清張の闘い」(NHK総合、10/3 23:45-)