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カテゴリー「読み物」の検索結果は以下のとおりです。

負けに不思議の負けなし

  • 2020/03/07 07:31
  • カテゴリー:読み物

監督の手腕はその人間をどう生かすかにかかっている。「歩」を「金」にして、そこで初めて評価される。「金」を「歩」にしてしまってはなにをかいわんやである。

一つ前に続いて、駒のたとえ話を引いた。野村克也著「負けに不思議の負けなし」(朝日文庫、09年、完全版)の下巻、「頼りになる部下はこうして見抜け」の項(p34)から。「飛車と角を使いきれない」という見出しもある(同p104)。これは、角選手の名に掛けられているようだ。彼は、本書に収載のエッセイが書かれた80年代当時、読売の投手陣にあってリリーフの要だった。

だれを頼りにするのかというもっとも基本的な認識(同p34)。大投手は、「評価」よりも「理解」されることを好む(上巻p40)。弱点は好きなところにこそ宿る(同p97)。天才肌の人は細かいことにこだわらない(同p188)。

剣談ラプラスの魔女(いずれもサイト内)、角盈男 - Wikipedia

ラプラスの魔女

  • 2020/03/06 07:07
  • カテゴリー:読み物

所詮、俺たちは駒だ。しかも、歩だ。世の中を動かしているのは、もっともっと上の存在なんだ。歩は、何も考えずに、一つ一つ前に進んでいくしかない。ほかのことは考えなくていい

刑事課の係長は、明日からまたがんばろや、と部下を励ます。東野圭吾著「ラプラスの魔女」(KADOKAWA、15年)から(p442)。エスパーのような超能力者による犯行だとつまらないと思いつつ読み進めた。そうではなかったけれど、イメージは限りなくそれだ。もしかすると、世に言う超能力とは、こんな風に科学的な説明が可能なのですよ、と著者は例を示しているのかもしれない。

天空の蜂

  • 2020/03/01 07:38
  • カテゴリー:読み物

(原子炉容器は)どんな重量物を落下させても、またどんな爆発物を使っても、壊せるものじゃありません。

役所の技術者が断言する(p113)、絶対に大丈夫だと。爆発物が投下されることや航空機が落ちて来ることすらシミュレートしたことがない(p100)にもかかわらずそう言い切る。この辺りを読みながら、例の原子力安全委員会委員長のことを思い出した。2011年3月、彼が爆発しませんと言った原発はその日の内に水素爆発を起こしたのだった。上の引用は、東野圭吾著「天空の蜂」(講談社、95年)から。

「個人の主義主張なんか、あんまり意味がない。自分の立っている地面がどういう色をしてるかによって、その人間の色も決められてしまう」(p222)、「男というのは女と違って、いつまでたっても昔の仕事のことが忘れられない」(p155)、「国全体が、原発という飛行機に乗っているようなものだ」(p310)、「沈黙する群衆」(p466)、使用済み核燃料プールの天井は「薄い板一枚である」(p496)。

福島原発で何が起こったかメルトダウン(いずれもサイト内)、班目春樹 - Wikipedia

掃除婦のための手引き書

  • 2020/02/19 07:09
  • カテゴリー:読み物

三ページもかかって女の人の着物を脱がせるミシマの小説みたいだ。

ルシア・ベルリン著「掃除婦のための手引き書」(講談社、19年)に収録された「わたしの騎手」から(p66)。ミシマは三島由紀夫のことだろうけれど、その小説とは何か具体的な作品を指すのだろうか。そもそも、三島ってそんな描写する作家かなぁ。

先月ラジオで耳にしたこの短篇集を県立図書館で借りた。読んでみて、読者を選ぶという表現が頭に浮かんだ。おれは選ばれなさそうだ。

# 翻訳家エッセイスト岸本佐知子▽著者からの手紙(NHKラジオ第一、1/12 7時台)

螢草

  • 2020/02/18 07:11
  • カテゴリー:読み物

物を売るってのはお客との真剣勝負だと思うね。勝負するには、まずお客に信用してもらわなきゃいけない。あいつは、雨の日だろうが、風の日だろうが、いつもそこにいるってね

葉室麟著「螢草」(双葉社、12年)から(p202)。先日テレビで時代劇「螢草-菜々の剣」を目にする機会があり、その原作を借りて来た。著者の作品を読むのは今回が初めて。八重洲のオフィスに勤めていた頃に読書家の同僚から、葉室麟著、まず「蜩ノ記」をどうぞとすすめられて、そのうち手にしてみようと思いながらも年数が経ってしまった。ぼつぼつ読んで行こうと思う。

その番組では、主演の菜々役が出色の出来栄え、清原果耶という若い女優さん。仇の轟平九郎に扮する北村有起哉がなかなかの悪役ぶり。彼のことを最初に認識したのは、「君たちに明日はない」(10年)でだった。それと、「出社が楽しい経済学」の居相田係長(野添義弘)がちょい役で出ているのを見て笑ってしまった。

# 狂犬(たぶれいぬ)。「生きておる限り、この世に終わったと言えることなどないのだぞ」(p308)。土曜時代ドラマ「螢草 菜々の剣」- NHK

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