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カテゴリー「読み物」の検索結果は以下のとおりです。

最適物流の科学

  • 2021/04/19 06:47
  • カテゴリー:読み物

リベリアなどは、福島第一原発事故による放射能漏れへの懸念から、一定距離内の海域での航行回避を推奨する勧告を出しました。

そんなことがあったんだな。京浜港への寄港を取り止めたドイツの船会社もあったとか。菅哲賢著「最適物流の科学」(ダイヤモンド社、2017年)から(p199)。

有事の際に、諸外国の船、外国籍の日本の船も含む、が、必ずしも協力的な態度を示すわけではない。想像を超える大災害に見舞われる、戦争に巻き込まれる、そのような事態において、物資輸送の主力を担っている「コンテナ船をどれだけ確保できるかが、国の命運を左右するともいえる」。

# Non-Vessel Operating Common Carrier (NVOCC)。船籍構成(日本の外航海運会社、2015年)は、パナマ61.3%、日本7.7%、リベリア5.9%、シンガポール5.3%、香港4.4%など。Marine Traffic

犯罪

  • 2021/04/17 06:59
  • カテゴリー:読み物

ありえない話が真実で、ありそうな話が偽りの場合がある

弁護士が語る事件簿には異様な犯罪が並んでいる。フェルディナント・フォン・シーラッハ著『犯罪』酒寄進一訳(東京創元社、2011年)から(p136)。この短編集の中で最も印象に残ったのは「正当防衛」。プロの暗殺者の話。

邦訳がおかしいかもしれないとあちこちで感じながらも読み進める内、銃弾が後頭部に達する云々(p37)の部分でいよいよ妙だと思った。それでは死んでしまう。この人物はこのすぐ後に拷問を受けて口を割らされるのだから。webで調べてみると、翻訳の誤りを正すサイトが見付かった。「優に100を超える」誤訳が指摘されている。「にもかかわらずなお高い評価を得ていることは、原著がいかに傑作であるかを逆説的に物語っている」とも。確かにそうだ。次作を読もうと思うもの。

シーラッハ『犯罪』の誤訳フェルディナント・フォン・シーラッハ著『犯罪』誤訳・文章の欠落のご指摘につきまして|東京創元社

近現代史をどう見るか

  • 2021/04/15 07:02
  • カテゴリー:読み物

戦争は、敵とされた相手国の政治の基本的枠組・秩序=「憲法」に対する攻撃という形をとる

これを述べたのは、18世紀の哲学者ルソーだった。遺稿「戦争および戦争状態論」にて。誰が言ったことなのか調べようと思っていた矢先、たまたま手にした本に答えがあった。加藤陽子著「一九三〇年代の戦争は何をめぐる闘争だったのか」、岩波新書編集部編『日本の近現代史をどう見るか』所収(岩波新書, 2010年, p108)。

著者は、19世紀の法学者ローレンツ・フォン・シュタインも、「面白いことに、ルソーとほぼ同じこと」を述べたと指摘している。

幻燈辻馬車(サイト内)。長谷部恭男著『憲法とは何か』(岩波新書、2006年)、長尾龍一編『カール・シュミット著作集1』(慈学社出版, 2007年)所収の「政治的なものの概念」

われにやさしき人多かりき

  • 2021/04/13 06:51
  • カテゴリー:読み物

〈僕はねぇ、小説書きたかったんやけど、あれは時間かかるよってな。僕は貧乏やったから時間ないよって、詩ィにした〉やわらかな大阪弁で、その率直さが若者たちの胸に沁みた。貧しいのは当時、みな、そうであった。

足立巻一の言葉を紹介している。引用は、田辺聖子著「われにやさしき人多かりき-わたしの文学人生」(集英社、2011年)から(p12)。著者は、昭和30、31年頃、大阪文学学校に通い足立講師のクラスで小説や詩を学んだ。「詩人の狷介さはなく、優しかった」と書いている。

「詩ィ」。おれも普段そう言う。カナで一字の単語(名詞)の場合、母音が伸びることがよくある。手ェ、歯ァ、木ィ、目ェ、火ィ、戸ォ、酢ゥ、血ィ、根ェ、などなど。関東出身の家人にはだいぶ違和感があるようだ。

足立巻一(サイト内検索)。大阪文学学校|Wikipedia

e-エストニア

  • 2021/04/11 07:56
  • カテゴリー:読み物

無料のIDカードリーダーを備え、取引の安全のためにIDカードの使用を顧客に勧めたことにより、国民eIDカードの普及に貢献した。

IT国家エストニアにおいて、主な電子サービスの内、最も最初に導入されたのは、e-バンキングだった。1996年のこと。以来、e-タックス、e-司法、e-ヘルスなど数々の電子サービスが提供されて行く。e-バンキングの発展を牽引したのは、ウヒスパンク(Ühispank、現 SEB)と、ハンサパンク(Hansapank、現 Swedbank)、大手銀二行だった。先を見通して賢明な判断が下せる人たちがいた。

e-Governance Academy編著「e‐エストニア-デジタル・ガバナンスの最前線」三菱UFJリサーチ&コンサルティング監訳(日経BP、2019年)から(p12)。

いったい日本はどうしていたのか。90年代半ばと言えば、バブル崩壊後の大手金融機関破綻で、金融危機の様相を呈していた頃だ。本書の監訳にある銀行名が、その後のサバイバルな銀行再編の歴史を物語っている。社会のデジタル化がまだまだこれからの我が国で、日本の銀行は存在感を示すことができるだろうか、二十数年前のエストニアのように。

次世代ガバメント(サイト内)。www.swedbank.eewww.seb.ee

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