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カテゴリー「読み物」の検索結果は以下のとおりです。

墓石の伝説

  • 2022/07/13 06:29
  • カテゴリー:読み物

あまりきっちりと頭の中で組み立てると、イメージの飛躍がなくなります

逢坂剛著「墓石の伝説」(毎日新聞社、2004年)から(p271)。

そういえば逢坂さんの著作リストにアリゾナの文字を見た覚えがある、何だったか、と調べてみるとすぐに判った。「アリゾナ無宿」だ。関連する「墓石の伝説」も併せて借りて来てこっちを先に読んだ。岡坂神策が登場するのにはちょっと驚いた。90年代に「十字路に立つ女」などシリーズ数冊を読んだことがある。

タイトルにある墓石は英語でtombstone、それはアリゾナの地名だ。いわゆる「OK牧場の決闘」の舞台となった街。あの有名な決闘は、史実とは少し違って伝えられている。本書はその真実に迫ることを軸にした物語り。なかなかマニアック。津神久三著「ワイアット・アープ伝」(1988年)を下敷きにしているようだ。

グローフェの山道を行く(サイト内)。映画は芸術じゃなく、娯楽だ(p95)

あの戦争と日本人

  • 2022/07/11 05:50
  • カテゴリー:読み物

歴史の教訓からもっと学ぶべきリアリズムが消えてしまうのは、日本人の非常に困ったところです。あえていえば、太平洋戦争の真の敗因は、日露戦争の勝利にあったのです。いや、なぜあのような愚かな戦争をしたのか、ということも、つきつめると勝利の神話のみを語り継いできたため、といえるかと思います。

半藤一利著「あの戦争と日本人」(文藝春秋、2011年)から(p67)。

東郷平八郎は、勝って兜の緒を締めよと言ったけれど、そうはならなかった。のちに教訓となるような不都合な事実は、勝ったという一点によって、帳消しにされてしまったのだ。海軍も陸軍も、洗いざらい事実を記録に残しているにも拘わらず、それらは秘され、別途編纂された官修戦史によって日露戦の美談のみが語り継がれることになった。

独ソ戦(サイト内)。海軍の「極秘明治三十七八年海戦史」全150巻と、陸軍の「手稿本 日露戦史」全51巻(p61)

ベイジルの戦争

  • 2022/07/09 06:27
  • カテゴリー:読み物

ひとは嘘をついたとき、脳みそのなかでその台本を読みなおすかのように、目が上を向き、そのあとまた下を向く

普通なら嘘は見分けられる。ところが、相手も然る者。「嘘が得意中の得意」で、嘘をつきながら「ぜったいに目を合わせない」。引用は、スティーヴン・ハンター著「ベイジルの戦争」公手成幸訳(扶桑社ミステリー、2021年)から(p248)。

スワガー・シリーズの著者スティーヴン・ハンターの比較的新しい作品。大いに期待して読んだのだけれど肩透かしを食らった。

ボブ・リー・スワガー三部作(サイト内)

本の読み方

  • 2022/07/07 06:26
  • カテゴリー:読み物

小説は、私たちの人生に不意に侵入してくる一種の異物である。それをただ排除するに任せるか、磨き上げて、本物の一つの経験とするかは、読者の態度次第である。

読者の「創造的な読み」が試される。引用は、平野啓一郎著「本の読み方-スロー・リーディングの実践」(PHP新書、2006年)から(p142)。

我が身に置き換えてみる、主体的に参加する、などの表現も出て来る(p96-97)。

昨今政府が使用している「骨太の方針」という言葉(p63)、これを誤用の例として挙げている。「骨子となるべき基本的方針」と言いたいのだろうが、骨太にはそういう意味はない、と。

新聞の読み方(サイト内)。複数紙を読むことによる視点の複数化(p55)

Pからのメッセージ

  • 2022/07/05 06:20
  • カテゴリー:読み物

人が何をきいたかよりも、何をきかなかったかということのほうが、おかしな点に気づかせてくれることが多い。

その人物は、なぜ刑事がわざわざやって来たのか尋ねなかったのだ。ユッシ・エーズラ・オールスン著「特捜部Q-Pからのメッセージ」吉田薫・福原美穂子訳(早川書房、2012年)から(p184)。全576ページ2段組。

主人公の警部補カールは、こんなことも言う、「人の秘密を究明しようと思ったら、なんとなく異質な物、枠にはまらない物を探すことだ」(p317)。

これはシリーズ第3作。次も借りて来よう。

特捜部Q(サイト内)。ハルダンゲル・フィドル(p211)。クリスティー著「なぜ、エヴァンズに頼まなかったのか?」

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