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カテゴリー「読み物」の検索結果は以下のとおりです。

人間臨終図巻

  • 2019/08/27 06:55
  • カテゴリー:読み物

山田風太郎著「人間臨終図巻」をめくって、自分と同じ歳でどんな方がどんな風に亡くなったかを眺めることがある。死亡年齢順に並んでいるので、例えば57歳で死んだ方々を見付けるのは容易だ。ベートーヴェンや寺田寅彦の名がある。ここ那覇の最寄り図書館にも、上下巻(徳間書店、86-87年)が揃っている。50代だとまだ上巻の後半に差し掛かったあたり。少し先のページを見ているとペルリ(提督)の項にこんな記載があった(上巻 p411)。

ペルリの来航は、要するにアメリカの中国貿易と捕鯨の基地として日本の港を欲したからであったが、百余年後、アングロサクソンは、日本人による捕鯨反対のリーダーとなった。彼らの必要性、不必要性が、その時の世界の掟となる。

# Matthew C. Perry(1794-1858)。55歳で死んだ人:久生十蘭(食道癌)、56歳:ドビュッシー(直腸癌)、57歳:ベートーヴェン(アルコール嗜好による肝硬変)、寺田寅彦(脊椎の骨腫瘍)、58歳:杜甫(舟の中で客死、死因不明)

北支事変

  • 2019/08/26 06:20
  • カテゴリー:読み物

悪魔は一人では来なかった(略)。二八日早暁には、皇軍の二九軍膺懲戦が開始された。ジャーナリズムは政府の決意を礼讃して怪しまず、民衆は戦争熱に浮かされた。情勢は急転、火は燃え上がって手のつけようもない(略)。悪魔は三人連れであった。

その三人とは誰なのか。明示されていないけれど、引用部分に見るように、軍部(政府)、ジャーナリズム、そして、民衆、三者を指すのだろう。石射猪太郎著「外交官の一生-対中国外交の回想」(太平出版社、72年)の「東亜局長時代-中日事変」から(p245)。二八日とは、1937(昭和12)年7月28日のこと。

# 膺懲(ようちょう、敵や悪者を打ちこらしめること)、悲しみの前には熱狂が(サイト内)

組織の経済学入門

  • 2019/08/25 06:03
  • カテゴリー:読み物

環境が変化し、それに適応するように、既存の資源や資産、そして企業外の資源や資産さえ再構成、再配置する場合、この共特化の経済性原理に従うことが重要だ

ダイナミック・ケイパビリティ論と呼ぶそうだ。提唱者は、カリフォルニア大のティース教授(David J. Teece、1948-)。引用は、菊澤研宗著「組織の経済学入門-新制度派経済学アプローチ」(有斐閣、16年、改訂版)から(p298)。ビジネスの現場ではごく当たり前のことでも、ご大層な名前を付けたがる経営学者は多いし、それを紹介したがるその同業者もまた多い。なお、共特化(Co-Specialization)の意味は、単独では価値は限定的でも、複数が相互に結合することによって大きな価値を生む、そのあたりか。本書では、その首尾はともかく、ユニクロとビックカメラや、任天堂とDeNA、鉄道とコンビニなどの組合せ事例が記されている。

52歳からのお金のリアル

  • 2019/08/24 20:06
  • カテゴリー:読み物

長生きをリスクにしないために、必要な定年後設計。

泉正人著「52歳からのお金のリアル」(プレジデント社、18年)から(p199)。ここで言うリスクは、予測できないネガティブな事態を指すのだろう。一般的にそのような意味で使われることが多い一方で、随分前に読んだ本、バーンスタイン著「リスク」だったかもしれない、はこんな風に書いていた、リスクは、生じる結果の振れ幅が大きいことを言う、そもそも原義は、大損を覚悟して大儲けを狙うことなのだから、と。そのことを踏まえると、引用部分は、極端に大富豪かド貧民ではなく、振れ幅を小さく抑えて、悪くて普通、良くてその+αぐらいにしておけば、という提案のようにも見える。

# 「様々な選択肢の中から計画を」(p199)、リスク〈上〉-神々への反逆(日経ビジネス人文庫)The Storm on the Sea of Galilee - Wikipedia

漂流

  • 2019/08/22 06:10
  • カテゴリー:読み物

思うかもしれんけどね。ちがう、恥ずかしい。本当、自分のミスだもん。自分がミスをおこしている。座礁しても自分のミス、火事をおこしても自分のミス。だからあんなのはあんまり聞かんほうが。本人がまた怒るから

漁師が遭難して37日間の漂流後に生還を果たす。英雄的壮挙だ、と称賛する著者に対して、漁師の友人がそんな風に答える。角幡唯介著「漂流」(新潮社、16年)から(p383)。ラジオ(NHK第1)で紹介されていたこの本を図書館で借りて来て読んだ。開けてみて沖縄の話と知りびっくりした。

その遭難や周辺事情について、漁師仲間や関係者、多くの方々が証言している。おれの知り合い、元船長 S さんも出て来るんじゃなかろうかと読み進めた。確か1943年(昭和18年)の生まれ、水産高校卒、大型船の乗組員を経て19トン級マグロ漁船の船長としてグアムでも操業した。ただし、彼は沖縄本島出身。話は、宮古の佐良浜漁師中心に進む。残念ながら、S さんは登場しない。なお、その生還した漁師は、8年後、また海で行方不明になってしまって戻らない。

# 「密貿易、ダイナマイト密漁、沈船爆破」そして行方不明船(p136)。那覇では大型船のあと49トン級が一時流行りそして「十九トンブーム」がやって来た(p218)。日本人漁師は60代が主力、50代では大変な若手、70代で現役船長をつづけているのもめずらしくない(p282)。

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