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カテゴリー「読み物」の検索結果は以下のとおりです。

選択の科学

  • 2021/11/10 06:39
  • カテゴリー:読み物

人は比較的少ない数(四から六)の選択肢を与えられた場合、多く(二〇から三〇)の選択肢を与えられた場合よりも、実際にどれかを選び取る可能性が高く、自分の判断に確信を持ち、選んだものへの満足度が高い

多過ぎる選択肢を前にした時、どんな心理が働くのだろうか。より良いものがほかにあるんじゃないか、まだ探し足りないのではないか、選ぶってことは面倒な作業だな・・・。引用は、シーナ・アイエンガー著「選択の科学」(文春文庫、2014年)から(p279)。本書の副題は、コロンビア大学ビジネススクール特別講義。

洋菓子屋さんへケーキを買いに行く。プロジェクトをどのように進めるか迷う。どちらも何かを選ぶことになるけれど、様相はだいぶ異なる。前者は、棚にすべての選択肢が既に示されている。やや受動的な選択だ。それに対して後者では、自ら選択肢を並べていく。機能しそうにない選択肢を並べるわけにはいかないので、はや絞り込みが始まり、ランク付けもなされる。あれはいい、これはもう一つだと。並び終える頃には、大概、選ぶべき道は心に決めているものだ。

弁護士の「勝つ技法」その科学が成功を決める(いずれもサイト内)

ふくしま原発作業員日誌

  • 2021/11/04 08:07
  • カテゴリー:読み物

新聞をはじめとする現実のジャーナリズムの世界には「大文字」が盛んに飛び交っている。代表的なのは「社説」や「論説」、「解説」や「オピニオン」の類だろうか。もちろん地道な取材に基づいて書かれたそれもなくはないが、ついつい筆勢は「大文字」に流れがちになる。「こうあるべきだ」「われわれはこう考える」「政府の方針はこれこれだ」-。

「大文字」に対する「小文字」は、例えば、「市井の声」であり、「名もなき者たちの喜怒哀楽」である。片山夏子著「ふくしま原発作業員日誌」(朝日新聞出版、2020年)に解説として付された、青木理著、「小文字」を集めたルポルタージュ(p452)から。本書の副題は「イチエフの真実、9年間の記録」。イチエフは、福島第一原発のこと。

原発事故の後始末、その作業環境は並み大抵ではないだろうと想像していたけれど、ここまでヒドいとは思っても見なかった。もっと広く知らしめられても良いように思う。

メルトダウン福島原発で何が起こったか(いずれもサイト内)

人を殺すとはどういうことか

  • 2021/11/01 06:24
  • カテゴリー:読み物

「反省って、事件のでしょう?」「そうだなあ、やっぱ指紋を残しちゃまずいですよね。あとは、共犯に口の軽いのはダメですね。今回は勉強になりました」

受刑者は、こういう人が大半で、悔いたり反省したりなんか、あまり、していない。引用は、美達大和著「人を殺すとはどういうことか-長期LB級刑務所・殺人犯の告白」(新潮社、2009年)から(p78)。L 執行刑期10年以上、B 犯罪傾向の進んでいる者(再犯、累犯、反社会的勢力)。

2件の殺人を犯し無期懲役で服役中の著者が、同囚の殺人犯らに、何を考え、どんな気持ちを抱いて服役しているかを訊ねる。ちょっと親しくなった何人かが心を開き本音を見せる。それが語られる第三、四章「殺人犯の肖像」が興味深い。

文庫100冊(サイト内)。無期懲役囚、美達大和のブックレビュー

努力論

  • 2021/10/29 06:25
  • カテゴリー:読み物

勉強や仕事がうまく行こうが行くまいが、毎日、自分がなすべきことをこつこつと平気な顔でこなしていく人が、じつは一番偉いのである。嬉しい、つらいという主観を超越し、平然と事が行えるようになったとき、そこに三昧の境地があり、悟りがある。

この箇所を読み、「蝦夷地別件」に登場する僧侶洗元のことを再び思った。引用は、斎藤兆史著「努力論」(ちくま新書、2007年)から(p115)。

升田幸三の「陣屋事件」など、棋士のエピソードがいくつか紹介される。余談として真剣師の小池重明も登場する、賭け将棋指しだ。

文庫100冊蝦夷地別件(いずれもサイト内)。自分探しは時間の無駄(p134)

流血の夏

  • 2021/10/28 06:30
  • カテゴリー:読み物

実は考えてみると日本とフィンランドはあいだに国をたった一つだけ挟んだ隣国同士なのである。ただその国が無暗に広い

それに、その「あいだの国」が「昔から物騒だった」。梅本弘著「流血の夏」(大日本絵画、1999年)、あとがきから(p406)。1939年の冬戦争、そして1941年の継続戦争。本書は、それらに続く1944年夏の死闘について記している。

ソ連(ロシア)を挟んで、日本とフィンランドはご近所さんだ。「蝦夷地別件」に登場したポーランドも同じ位置付けにある。無暗に広く物騒な国が、古来より、東西南北へちょっかいを出す。その度に、フィンランド、ポーランドそして日本など隣国は右往左往して来た。蹂躙され放題の国々があった一方で、フィンランドのように多大な犠牲を払って独立を守り通した国もある。

雪中の奇跡蝦夷地別件(いずれもサイト内)

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