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カテゴリー「読み物」の検索結果は以下のとおりです。

清明

  • 2022/04/14 06:29
  • カテゴリー:読み物

たしかにたやすく人に騙されるのは愚かだ。しかし、信じるべき人に対しても猜疑心を抱くのはもっと愚かだ。疑い深いということはつまり、臆病だということだ。

今野敏著「清明-隠蔽捜査8」(新潮社、2020年)から(p167)。主人公竜崎は、神奈川県警の刑事部長へ異動。

杜牧の七言絶句「清明」が引かれている(p207)。ここ沖縄では、二十四節気の清明から穀雨あたりの時期に、清明祭が大体的に執り行われる。シーミーと呼ばれる墓参の行事。中国から伝わった。今年はちょうど今その時期にある。

シリーズ次作は、今年1月刊の「探花-隠蔽捜査9」。図書館に予約した、27人待ち。著者の別シリーズも読んでみようと思う。

今野敏(サイト内)

飛行機豆知識

  • 2022/04/12 06:32
  • カテゴリー:読み物

APUが使えないときに使用する電源車とASU(エアスターターユニット:圧縮空気を供給する装置)がありますが、その重さは、電源車 800kg、ASU 5,300kg。737型機のAPUは約180kgです。APUはスリムで力強い、頼りになるヤツです。

中村惣一著「現役航空整備士が書いたかなりマニアックな飛行機豆知識」(日本航空技術協会、2021年)、第13章「補助エンジン」(補助動力装置:Auxiliary Power Unit, APU)から(p115)。ジェット旅客機は推進用のほかにもう一台のエンジンAPUを積んでいる。

最寄り図書館の新着コーナーに並んでいた。タイトル通り「かなりマニアック」。全編たいへん興味深く読んだ。

APUからの連想で、こんな話を思い出した。化学プラントでは、たまに、超低温の反応を実施する。専用の冷却設備を入れると、かなり嵩張る。そこで、ある人が閃いた。遠洋漁業の船に積む冷凍機が流用できないだろうかと。実際にやってみると首尾は上々。サイズはコンパクト。それに費用が、随分、安く上がったとか。

良い戦略、悪い戦略

  • 2022/04/07 06:21
  • カテゴリー:読み物

リストを作ることは、認識能力の限界を乗り越える手段と言える。リストがあれば忘れてしまうことを防げるし、リストを作る過程で、抱えている問題の相対的な緊急度や重要度を天秤にかけることができる。そして「いまやるべきこと」が明確になれば、問題解決に向けた行動を起こせるはずだ。

買い物リストとは根本的に違う。リチャード・P・ルメルト著「良い戦略、悪い戦略」村井章子訳(日本経済新聞出版社、2012年)の第3部「ストラテジストの思考法」第17章「戦略思考のテクニック」から(p345)。

引用部分と呼応して示唆を与えてくれる箇所を抜き書きしておこう。有能なストラテジストがやっていることは決定でなく設計であり、選択肢の中から選ぶのではなく自らデザインしている(p176)。戦略の核は状況の診断、診断で明らかになった課題に取り組む基本方針、基本方針に基づく一貫した行動である(p110)。戦略を立てるときには、「何をするか」と同じくらい「何をしないか」が重要なのである(p34)。

IKEAの戦略が紹介されている(p166)。先日(3/15)それに触れた折は孫引きだったので原典の本書を借りて来て読んだ。かなり良い本だと思う。

天国でまた会おう(サイト内)。NVIDIA(p296)。Ivy Lee Method

検証戦争責任

  • 2022/04/05 06:25
  • カテゴリー:読み物

私は大隈内閣の「対支二十一か条要求」が日本の近代史の中の一番大きな過ちだと思う。中国の反日ナショナリズムと米国の世界戦略が手を握ることになったからだ。

これには大いに納得させられた。「私」は、評論家・作家の故松本健一。読売新聞戦争責任検証委員会著「検証戦争責任」(中公文庫、2009年)に収載のインタビュー記事から(上巻p60)。本書の帯に「だれが、いつ、どのように誤ったのか」とある。大隈内閣のその要求が答えの一つだろう。

日本とアメリカは、日露戦争(1904-05)、米西戦争(1898)にそれぞれ勝利し、遅ればせながら帝国主義的覇権争いに名乗りを上げた。両国は、当時列強が陣取り合戦をしていた中国に目を向ける、欧州勢に追い着こうと鼻息荒く。

第一次世界大戦(1914-18)の最中、日本が中国の袁世凱政権に対して21か条の利権拡大要求を突き付ける(1915)。これが米国の門戸開放政策とぶつかる。米国は、既に仮想敵国としていた日本を、はっきりと敵視するようになる。日本が満蒙での権益の延長、拡大を図るにつれ、日米間の対立が激化して行く。

本書「検証戦争責任」は、少し後の満州事変(1931)以降を対象として、昭和20(1945)年の敗戦に至る責任は誰にあるのかを「検証」する。要するに犯人捜しだ。「東条元首相に最大の責任」(下巻p257)など、一人ひとり問責する。それはそれで好奇心をくすぐられ興味深くはある。が、

誰がやっても同じことだったのでは、とも思う。つまり、図に乗ったら容赦しない、ボコボコにしてやる、こっちには鉄も石油もあるんだから、と米国が思い始めたのが21か条の要求の頃だとするなら、その後の30年、日本の国を誰がリードしたにせよ、似たような惨状を招いた可能性がある。なにせ日本は、官も、軍も、民も、メディアも、益々図に乗って行くわけだから。違う形の「検証」があってもいいかもしれない。

引用部分を読んでそんなことを考えた。満州事変よりもっと遡る方が昭和の戦争について理解が深まるような気がする。松本健一を読んでみようと思う。

渡辺恒雄 戦争と政治日露戦争の世界史(サイト内)。松本健一|Wikipedia

奴隷のしつけ方

  • 2022/04/04 06:31
  • カテゴリー:読み物

奴隷制は古代ローマの全時代を通して社会の基盤でした。あまりにも当然のものだったので、そんなものはいらないという人はいませんでした。残念ながら、奴隷たち自身がどう思っていたかは記録に残されていません。当時の人々にとってそれはどうでもいいことだったからです。一方、主人であるローマ人が奴隷のことをどう考えていたかについてはかなりのことがわかっています。

本題に入る前にそうあるように(p4)、本書は(架空の)主人側からの視点で語られる。マルクス・シドニウス・ファルクス著「奴隷のしつけ方」ジェリー・トナー解説(著者)、橘明美訳(太田出版、2015年)。訳者名でOPAC検索して読んでみようと思った。

後の世で、とんでもない、と思われるような制度や慣習は、現代社会にもあるだろう。時代が替われば、「当然のもの」は変わる。同時代でさえ、場所や、文化、立場によって、当たり前が違うことがままある。

その女アレックス(サイト内)。"How to Manage your Slaves"

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