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カテゴリー「読み物」の検索結果は以下のとおりです。

暗殺者

  • 2020/09/15 07:14
  • カテゴリー:読み物

自国が外国によって牛耳られているという事実ぐらい、人を愛国的にするものはない。戦争に負けることは容認できる-それは単に相手が強かったということ-しかし経済的に蹂躙されるとなると、それは相手のほうが賢明だということになる。そして後者のほうが占領期間も長く、傷跡もずっと深くなる

マリー・サンジャックがそんな話をする。ロバート・ラドラム著「暗殺者」上巻(新潮文庫、83年)から(p230)。彼女は経済学者だったんだな。学歴は、モントリオールのマギル大(修士号)、政府奨学金で英オックスフォード大(おそらく博士号)、専攻は理論経済学、という設定。

映画「ボーン・アイデンティティー」(米、02年)のメインタイトルがラジオ深夜便でかかった(「スパイ映画作品集」、NHK-FM、8/27 2時台)。ファゴットの高音が印象的な音楽だ。これを聴いて、また映画の原作を読んでみようと思った。最寄り図書館には「ジェイソン・ボーン」三部作は揃っている。

# 暗殺者、殺戮のオデッセイ、最後の暗殺者

幻燈辻馬車

  • 2020/09/14 06:35
  • カテゴリー:読み物

わしが見るのに、西洋の文明開化というやつは、わしらの見る通りの文物の開化とともに、自由民権というものを支えとしておる。それがなけりゃ、民のまことの倖せはない、と見ておるのじゃな。車の両輪じゃよ。それを、日本は、片っぽうの車輪だけとりいれたのじゃ

儒者、錦織晩香がそう語る。やっと明治十年代になって、もう一方の車輪も取り入れようと自由民権運動が起こるが政府に押しつぶされる。「山田風太郎明治小説全集」第2巻「幻燈辻馬車」(筑摩書房、97年)から(p272)。

日本の国民が、真の自由と民主主義を享受するに至るまでに、結局、それから半世紀以上を要した。第二次世界大戦の後、憲法が新しくなってからのことだ。自分たちでは果たせず、戦争、そして占領という外圧によって初めて成し得た。戦争は敵対国の憲法を書き換えようとする行為とも言われるが、たいへん説得力のある説と思えて来る。お隣の大国はどうだろうか。日本と同じようなプロセスで、民主化への道を辿ることになるのだろうか。

警視庁草紙(サイト内)。「幻燈辻馬車」初出75年。加藤弘之(1836-1916年、但馬出石出身、政治学者、初代東大総長)。錦織晩香(1816-1888年)、山川健次郎(1854-1931年、白虎隊、物理学者、東大総長)、福島事件(1882年)、加波山事件(1884年)。天安門事件(1989年)

人を動かす5つの情報

  • 2020/09/11 06:23
  • カテゴリー:読み物

1) それは自分の仕事とどう関係するのか、2) 具体的に自分は何をすべきなのか、3) 成否や成果はどのように評価されるのか、4) どのようなツールやサポートが利用できるか、5) 結果的に得られるメリットは何か。

ビル・ジェンセン著「シンプリシティ」(日経ビジネス人文庫、00年)から(一部改変)。人々は行動を起こすためにどのような情報を必要としているのか。特に 4) が大切とある。この5項目、何時でも見ることができるように、テキスト・ファイルにしてスマホに入れている。

メンバー補充の際の教育プログラム、新規テーマに臨んで実施するチーム・ビルディングなど、仕事を進める上で、この概念が役立つ場面は少なくない。自分自身の動機付けにも使える。転職の面接で、雇う側、働く側、互いに確認し合う項目にも当てはまる。

こういうのはどうか。スポーツ、例えば球技や陸上など、のチーム、が、競合から選手を引き抜くとしよう。この場合、1)~3) は自明なので、魅力的なツール(やサポート)を示すことがポイントになる。お金のことも含め 5) はその次。アマチュアならば、お金の話はないので、とにかく、ツールが引き抜き交渉の行方を大きく左右する。

組織戦略の考え方非営利組織の経営(いずれもサイト内)

働き方2.0vs4.0

  • 2020/09/08 07:04
  • カテゴリー:読み物

国際社会から戦時中の日本軍の行動が疑いの目で見られるのは、いまの日本が性差別的な社会だと思われているからです。女性を差別している人間が、「むかしは差別なんかしていなかった」といくら言い張っても相手にされない

橘玲著「働き方2.0vs4.0-不条理な会社人生から自由になれる」(PHP研究所、19年)から(p108)。

3つの〇〇が、いくつか出て来る。▽管理職が必要とされる3つの理由、1) 文字通りミドルマネージャーとして社内調整する、2) 社内外へ説得力のあるストーリーを語る、3) 仕切って分担を割り振る(p166)。▽働く上で「いやなこと」3つ、1) なんの意味があるのかわからない仕事、2) 人間関係、3) 能力を超える責任(p238)。▽確実に起きる「大きな変化」3つ、1) 一層インターネット化する、2) 活躍できるのはプロフェッショナルだけになる、3) 会社と個人の関係が根底から変わる(p248)。

橘玲(サイト内検索)。世界の主流は金銭解雇のルール化(p124)。bourgeois-bohemian(BOBOS、p188)。会社は「ツールとプラットフォーム」、社員は「選択とモチベーション」(p198)。Financial Independence, Retire Early(FIRE、p259)。D・グレーバー著「ブルシット・ジョブ」(岩波書店、20年7月)

警視庁草紙

  • 2020/09/02 07:18
  • カテゴリー:読み物

石の道標によくよく眼を近づければ、左日ヶ窪、右堀田原と読めないこともない。

この道標のことを何かで読んだ覚えがある、と気にしつつ読み進める内に、盲の丸坊主を背負う場面があって、最後に夏目金之助(漱石)が出て来る。はたと気付いた。これは「夢十夜」の道標だ。引用は、「山田風太郎明治小説全集」第1巻「警視庁草紙」(筑摩書房、97年)の第4話「幻談大名小路」から(p97)。

さっそく青空文庫で確認した。果たして、道標が出て来るのは、あの恐ろしい「第三夜」だった。「なるほど八寸角の石が腰ほどの高さに立っている。表には左り日ヶ窪、右堀田原とある」。色んな話があちこちに顔を出す、この著者山田風太郎ならではと言うべきか。

日曜日に「ドンタク」とルビが振られている。例えばp218。オランダ語のzondagから、日曜日、休日、博多ドンタクのこと、と辞書にある。そういえば、就職先の工場実習で職長さんが、二日続きの休みを「ドンドン」と呼ぶ、土曜日(当時は半日休み)は「半ドン」と言うだろ、と教えてくれた。あの会社の連操三交代(四班)勤務には、16日の一周期あたり班毎に、1日の休みが2回と2日連続の休みが1回が組み込まれていた。

夏目漱石「夢十夜」|青空文庫。落語「らくだ」、小泉八雲「耳なし芳一」、錦織剛清「神も仏もなき闇の世の中」、夏目漱石「道草」。「警視庁草紙」初出73-74年。

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