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カテゴリー「読み物」の検索結果は以下のとおりです。

次世代ガバメント

  • 2021/03/23 06:58
  • カテゴリー:読み物

「オープンでコラボラティブ」「多様な能力や資格をもった人びとが参加している」「社会に対して積極的に働きかけ、市民のインサイトを的確に把握して政治家に働きかけることができる」「長期的な展望をもっている」といった特徴です。こうした特徴をもたない行政府は、もはや21世紀において十分に社会に貢献することはできません。

クリスチャン・ベイソン氏(デンマークデザインセンターCEO)が述べる、魅力的な行政府に共通する特徴。若林恵編「次世代ガバメント-小さくて大きい政府のつくり方」(黒鳥社、2019年)から(p157)。そのCEOが応えるインタビューのタイトルは、未来のガバナンスへの対話(1) 起業家精神をもった「賢い行政府」のアクティビズム。

官僚主導の「大きい政府」は、公共の一切を管理し運営し得るが、サービスの質の低下を招く。一方、市場主導の「小さい政府」では、コストは最小限に抑えられるが、運営を任された民間が儲かるサービスに偏重する。デジタルテクノロジーを使えば、両者の良い所取りが可能になるのではないか。「最小限のコストで、最大限のニーズに応える」「個別化したニーズに、個別的に全部応える」。

# 米中の類似性は「官僚制度をめぐる態度」(p17)

国対委員長

  • 2021/03/21 18:39
  • カテゴリー:読み物

国会を動かすには、三つの力があります。一つは「調査力」。もう一つは「論戦力」。そしてもう一つは「選挙力」です。

辻元清美著「国対委員長」(集英社新書、2020年)から(p89)。最寄り図書館の新着コーナーに並んでいるのを借りて来た。

野党は、果たして、その「三つの力」を発揮できているだろうか。「野党がまとまらなくなりさえすれば、与党がどんなに体たらくでやり放題でも、選挙で負けることはない」(政界地獄耳、3/18)と、「選挙力」は見限られ、「せっかく立憲民主党がこれだけ荒れた国会を空転させることなく審議に協力的なのだから、利用しない手はない」(政界地獄耳、3/20)と、自民党議員に言わせるほどの「論戦力」でしかない。最悪は「調査力」で、「残念ながら野党よりも週刊文春の調査能力のほうが相当先を行く」と、立民の幹事長代行が自ら認める始末(産経、3/19)。

野党分裂&安住“後押し”で解散風(政界地獄耳、3/18)、毎週水曜を待つ「文春国会」の様相に(産経、3/19)、首相否定も消えない早期解散説(政界地獄耳、3/20)

サイエンス小話

  • 2021/03/20 06:37
  • カテゴリー:読み物

古い銀食器の黒ずみや温泉地での銀の指輪やネックレスの黒ずみは、よく観察されますが、これは銀が空気中のイオウ成分と反応して硫化物が生成するからです。

そうか、硫化物なんだな。引用は、中西載慶著「サイエンス小話-身近な物質から好奇心を育てる本」(東京農業大学出版会、2011年)から(p47)。

銀でそこら中を真っ黒にしてしまったことがあった。最初に勤めた会社で研究所に配属されてしばらく経った頃のこと。ある国との共同研究で植物由来の化合物を扱うことになった。HPLCで分析してみるとピークの形状がシャープじゃない。その原因は、先方が知らせて来た化学構造式から推測がついた。側鎖の途中に二重結合がある、おそらく、cis/trans 異性体が混ざっているのだろうと。試しに、移動相に硝酸銀を入れてみた。するとピークは見事二つに分離。この系で分析やら分取やら検討を進める内に、いつの間にか少しずつ液が漏れ出し、液クロのポンプと言わずカラムと言わず、辺りの金属類が黒ずんで行くのだった。結局、あの研究はどうなったんだったか、忘れてしまったなぁ。

The Coordination of Silver Ion with Unsaturated Compounds - JACS

希望の糸

  • 2021/03/18 06:49
  • カテゴリー:読み物

たしかに刑事の勘が外れることは少なくない。そのことに気づかず、的外れな捜査に固執するやつは優秀な刑事とはいえない。しかしだ、ちょっとばかり思惑通りに行かないといって、すぐに勘が外れたと決めつけるやつも大した刑事にはなれない

東野圭吾著「希望の糸」(講談社、2019年)から(p155、210)。最寄り図書館に予約を入れて一年経過、ようやく順番が回った来た。

予備知識なく読み進める内に、豈図らんや、松宮脩平の名が出て来た。ということはあの人物も出て来るはず。やはりそうだ(p51)。警視庁捜査一課加賀恭一郎警部補。この事件の3年前に、日本橋警察署から本庁へ戻って来ていた。加賀シリーズは、「祈りの幕が下りる時」で終わったものとばかり思っていたけれどそうではなく、この「希望の糸」が第11作目。

加賀恭一郎(サイト内検索)

Re: 石の星座

  • 2021/03/16 06:49
  • カテゴリー:読み物

その人の一生の事歴をたどって墓前に立つと、いかにも墓がその人の生涯にぴったりしているという感銘を受けることが多い。あるいは逆には墓を知って、その人の生涯を考え直すということもある。わたしは墓に、霊魂が眠っているとは信じない。しかし、墓にはその人の全体像が凝縮していると思われることが多く、それで墓めぐりをするのである。墓はたいてい石を用いて作られている。石たちの造形は、そこに完結した人の生涯を象徴するかのようである。

「富本憲吉の遺言」は、冒頭、墓めぐりの小見出しで始まる。足立巻一著「石の星座」(編集工房ノア、1983年)から(p138)。「富本~」の初出は1974年9月。

本書で著者は、富本憲吉のほか、富岡鉄斎、村上華岳、三好好太郎、佐伯祐三、小出楢重、吉原治良らの生涯をたどり墓を訪ねる(1973-75年)。墓石の写真が掲載され、一風変わった評伝になっている。

いつだったか、先祖の墓碑を調べたことがあった。5代前まで遡ることができる。おそらく分家の始まりだろう、その戒名は、だいぶ摩耗しているけれど判読可能。没年の年号は文久と読める。俗名はわからない。特に言い伝えもなく、「その人の生涯を考え」ようにも想像が及ばない。墓石に刻まれた文字を見て頭に浮かぶことは、ああ幕末の頃を生きた方なんだな、ぐらいのことだ。

石の星座(サイト内)。石の宝殿(p171)

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