十字屋敷のピエロ
- 2019/03/15 05:59
- カテゴリー:読み物
パズルなんて嫌いだな。種を知ってしまったら、それでおしまい。また次のものが欲しくなるのよね。一種の麻薬よ
読み返してみると、こんな意味深長な発言が最初の方に出ていた。東野圭吾著「十字屋敷のピエロ」(講談社文庫、92年)から(p17)。人物描写が十分ではなく物語に深みが感じられない。どんでん返しを、それも複数回も、成立させるためには致し方ないことか。単行本は89年刊。
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パズルなんて嫌いだな。種を知ってしまったら、それでおしまい。また次のものが欲しくなるのよね。一種の麻薬よ
読み返してみると、こんな意味深長な発言が最初の方に出ていた。東野圭吾著「十字屋敷のピエロ」(講談社文庫、92年)から(p17)。人物描写が十分ではなく物語に深みが感じられない。どんでん返しを、それも複数回も、成立させるためには致し方ないことか。単行本は89年刊。
朝日新聞の「平成の30冊」、その第一位には村上春樹著「1Q84」が選ばれた。識者120名分のアンケートに基づいているとか。同著者でもう一つ「ねじまき鳥クロニクル」もそのリストにある。こちらは読んだ。ただし、刊行後すぐの頃ではなく、10年くらい経ってからだった。「海辺のカフカ」もそうした。「1Q84」(新潮社、09年)は、そろそろ頃合いかなと、実は Book 1-3 を古本で買い揃えてはいた。が、引っ越しの際に未読のまま処分してしまった。図書館で借りて読むことにしよう、せっかくなので平成が終わるまでに。
自分が恨まれていることを知っている人間など、そう多くはないものだ。
東野圭吾著「魔球」(講談社文庫、91年)から(p114)。単行本は88年刊行。時代設定がなぜ昭和39(1964)年なのだろうか。ストーリー上、戦中戦後の混乱期との接点が必要だった、おそらく、そういうことだったんだろう。64年と言えば東京オリンピック。それについて語られなくもないが特にストーリーとは関係はない。
一合の升には、一合の酒しか入りません。
人間の度量であり、可能性である。そうなんだろうな。120%の目標を掲げて、能力や、努力、運の幅を拡げようと足掻くけれど、それとて一合の範囲内なのかもしれない。東野圭吾著「むかし僕が死んだ家」(講談社文庫、97年)から(p174)。単行本は94年に双葉社から。
わあ、大変。世界中の鏡を壊してしまわないと」秋穂は手を叩きながら、ベッドの上でけらけらと笑った。
これを読んだ瞬間、初めて、血の通った登場人物に出会ったように感じた。終盤のここに至るまで、人物像が浮かび上がって来ない、誰にも感情移入できない、このシリーズにしては凡作か、などと思っていたのだが。東野圭吾著、ガリレオシリーズ「禁断の魔術」(文春文庫、15年)から(p253)。「猛射つ(うつ)」という中編(12年)を、文庫化する際に長編へ焼き直したのだとか。
本シリーズの長編を読み進めている。既刊では「沈黙のパレード」を残すのみとなった。現在、最寄り図書館で97人待ち。