ある閉ざされた雪の山荘で
- 2019/03/20 06:50
- カテゴリー:読み物
まず一つ、人間描写もできない作家が名探偵なんか作ろうとするな」(略)一つ、警察の捜査能力を馬鹿にするな」(略)さらに一つ、フェアとかアンフェアとか、がたがたいうな」(略)そしてあとひとーつ
と、ノックスよりもマシな十戒を登場人物に語らせる。推理小説を書く際のルールだ。著者の信条でもあるのだろうけれど、それよりは、同業者への批判や、業界や読者に対する意見、と見た方が面白い。東野圭吾著「ある閉ざされた雪の山荘で」(講談社文庫、96年)から(p144)。初出、92年の講談社ノベルス。よくできた構成(トリック)なのだろうが、ちょっと凝り過ぎやねこのストーリーは。