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カテゴリー「読み物」の検索結果は以下のとおりです。

死都日本

  • 2019/11/02 10:32
  • カテゴリー:読み物

これだから専門家は信用ならない!(略)自分の勘に従って全情報を公開していれば、今頃は相当数が避難できていたかも知れないのだ。うっかり専門家の言うことに耳を傾けたばかりに、

と、為政者は嘆く。実際に大災害が発生した折、誰からどんなアドバイスがあり、それに基づきどのようなプロセスを経て判断がなされるのだろうか、例えば福島のあの原発事故の時はどうだったのだろう、気になる。そのうち適当な本か何かで見てみよう。引用は、石黒耀著「死都日本」(講談社文庫、08年)から(p184)。首里城が焼け落ちる惨劇が起こった日、それがちょうどこの破局的な物語を読んでいる数日に重なり、気分は一層滅入った。

# 噴火規模は "事実上" 上限なし(p160)、G・ライアル著「深夜プラス1」、日野行介著「除染と国家-21世紀最悪の公共事業」(集英社新書、18年)

ビジネス書図鑑

  • 2019/10/30 06:35
  • カテゴリー:読み物

書籍を支える「3つくらいの大きな柱」を明確にすることができれば、もう本を読み切ったことと同じ

紹介している35冊、各々からポイント3つを抽出し、すべて同じ形式で捌いていくアイデアはなかなかのもの。中には、大著「銃・病原菌・鉄」もあれば、シンプルな「ゼロ・トゥ・ワン」もあり、ちょっと強引な感も否めないけれど。グロービス著、荒木博行執筆「見るだけでわかる!ビジネス書図鑑」(ディスカヴァー・トゥエンティワン、18年)。引用は「本の読み方・使い方」(p14)から。イラストとその吹き出しをスマートにすればぐっと良くなると思う。

# 「中長期的なこと」×「目に見えないこと」を考慮して意思決定(p50)、虚構を意図的に発生させる者、それを信じて操られる者(p88)、消防署の事業計画(p126)、抽象度の高い視点で物事の流れを感じる(p224)。グロービス著で思い出すのは、鎌田英治執筆「自問力のリーダーシップ」(ダイヤモンド社、07年)

三屋清左衛門残日録

  • 2019/10/29 06:21
  • カテゴリー:読み物

近ごろ、暑さ寒さに対して以前よりもややこらえ性がなくなって来た気がしないでもない。気持はしっかりしていても、身体が言うことをきかないようである。これも老いの兆しだろう

藤沢周平著「三屋清左衛門残日録」(文春文庫、92年)から(p378)。読む度に主人公のような大人(たいじん)になりたいと思う。齢は52歳。いつの間にか、実年齢は自分の方が上回ってしまった。当時の50歳台は現代で言えば60代半ばから70代に相当するだろうか。そうなると、やはりこっちの方がまだまだ若輩者だ。今回読んでみると「老い」に関する記述が割とあることに気付いた、例えば引用した箇所など。これまであまり目に留まらなかった。本書は、自分にとってはどちらかというとビジネス書の一冊なのかもしれない。

辛夷塢清左衛門残日録(いずれもサイト内)、前回 2010年1月

踊る地平線

  • 2019/10/28 06:44
  • カテゴリー:読み物

谷譲次、夢野久作、久生十蘭、と、こう並べてみると、まぎれもなくひとつの系譜がくっきりと浮かび上がってくるようだ。その線上に中井英夫、沼正三、<絵本千夜一夜物語>の寺山修司や<血と薔薇>に書いた平岡正明の小説、さらに小松左京の作品のいくつかなどを重ね合わせることは不可能ではあるまい。

と、五木寛之氏が解説に書いている(p259)。谷譲次著「踊る地平線」(社会思想社現代教養文庫、75年)、ユーラシア大陸を横断する旅行記。往年の流行作家が書いた文章は今のおれには性に合わないようだ。初出は1928-29年。「踊る大捜査線」の名の由来はこの書名にあるとか。

キキ(サイト内)、80年前のアメリカ論

137億年の物語

  • 2019/10/27 08:28
  • カテゴリー:読み物

1998年にアメリカ自然史博物館が行った調査によると、生物学者の70パーセントが、現在、人類のせいで6回目の大量絶滅が進行中だと考えているそうだ。

クリストファー・ロイド著、野中香方子訳「137億年の物語-宇宙が始まってから今日までの全歴史」(文藝春秋、12年)から(p60)。氷河時代、特に全球凍結(スノーボールアース)、と、生物の絶滅との関係が知りたくて、県立図書館で何冊かぱらぱらとめくった。これもその一冊。

原生代末のクライオジェニアン氷河時代(7.2-6.3億年前)、これが最も厳しい氷河時代で海洋深くまで凍り付いたと推定されている。二度目(今のところ最後)の全球凍結だった。これにより大量絶滅が発生。ただし、その時、地球上にいたのは原生生物だった。それから後、カンブリア紀(5.4億年前)に目に見えるサイズの生物が登場して以降、現在に至るまでの顕生代に、全球凍結は生じていない。一方、大量絶滅は、この間に少なくとも5回起きている(ビッグ・ファイブ)。その原因は、各々に諸説あるものの、火山活動や隕石の衝突などが有力視されている。5回目の大量絶滅は、約6550万年前、白亜紀末に発生。この時、恐竜も絶滅した。そして、今、第6回の大量絶滅が進んでいると多くの専門家たちが考えている。

現在は氷河時代(ice age)の真っ只中にあるらしい。第四紀氷河時代(2.6百万年前~)。普段、氷河期と言うと、氷河時代の中の比較的寒い時期「氷期」(glacial period)のことを指すことが多いようだ。今は、比較的温暖な「間氷期」(interglacial period)にある。

Amazon で、この本、「137億年の物語」のページを開いたところ、たいへん興味深いカスタマレビューに行き当たった。原書と比べるとこの日本語版には甚だ不備があるという。出版社へ何度か照会し、原著者にもメールを書いたとか。その後どうなったのだろうか。

氷河時代の年表スノーボールアース大量絶滅Quaternary glaciation(第四紀氷河時代)(以上、Wikipedia から)、137億年の物語 宇宙が始まってから今日までの全歴史 - アマゾン気温の変動(サイト内)、P・リンベリーら著、野中香方子訳「ファーマゲドン-安い肉の本当のコスト」(日経BP、15年)

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