容疑者Xの献身
- 2019/01/29 22:59
- カテゴリー:読み物
人脈を頼りに生きていこうとすると、行方を完全にわからなくすることなど不可能に近いのだ。
東野圭吾著「容疑者Xの献身」(文春文庫、08年)から(p249)。ガリレオシリーズの一つ。容疑者Xの first name が随分なじみのある名前なので親近感を持って読んだ。
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人脈を頼りに生きていこうとすると、行方を完全にわからなくすることなど不可能に近いのだ。
東野圭吾著「容疑者Xの献身」(文春文庫、08年)から(p249)。ガリレオシリーズの一つ。容疑者Xの first name が随分なじみのある名前なので親近感を持って読んだ。
一方向から見ているだけでは、本質はわからないってことだ。人にしても土地にしても
東野圭吾著「祈りの幕が下りる時」(講談社、13年)から(p149)。加賀恭一郎シリーズ第10作。事件が発覚するのは4月、東日本大震災後の2012年か13年の4月。加賀が練馬署から日本橋署へ異動して5年が経過している。本作の終わり辺りで、本庁に戻る話が出る。
以前の事件を少しおさらいしておこう。日本橋署への異動のすぐ後、6月に、第8作の事件が起きた。異動は5年前なので、07年か08年の6月のことだ。それは、第7作と第9作にはさまれている。それも第7作の最後に語られる父隆正の死から第9作の事件までに2年(三回忌)が経過。よって、素直に考えると、練馬署時代に銀杏公園の殺人事件(4月半ば、第7作「赤い指」)、翌年異動して、小伝馬町の殺人事件(6月、第8作「新参者」)と、さらに次の年、日本橋の殺人事件(11月、第9作「麒麟の翼」)、と三年続けて、加賀は難解な事件の解決に貢献したことになる。
もし世の中を甘く見ているのなら安心だ。どこにも光がないと絶望しているほうが、余程心配です
東野圭吾著「麒麟の翼」(講談社、11年)から(p210)。加賀恭一郎シリーズ第9作。加賀は、前作「新参者」と同じく日本橋署に勤務する警部補。
この第9作は、どうやら11月頃の話のようだ。「本格的な冬は、もうすぐそこ」(p264)だが、軽井沢にはまだ雪が積もっていない(p268)。東京では、ダウンジャケットは丸めて抱えられている(p47)。11月だとすると、加賀の父、隆正の命日は12月ということになる。三回忌法要について相談する際、「命日は来月の第三水曜日」(p5)とある。よって、第7作「赤い指」の最後に語られる隆正の死は、二年前の12月だろう。それは、同作で起きる銀杏公園の事件(「四月半ば」)より後のことだ。第7作から第9作までに二年が経過。その間に、加賀は練馬署から日本橋署に異動になり、第8作「新参者」で小伝馬町の殺人事件を担当する。その事件は6月に起こった。
今の日本家庭の一典型だ。社会が高齢化していることは、何年も前からわかっていた。それなのに大した準備をしてこなかった国の怠慢のツケを、個人が払わされているというわけだ。
東野圭吾著「赤い指」(講談社文庫、09年)から(p147)。加賀恭一郎シリーズ第7作(06年刊)。加賀は、練馬署の刑事課所属。「ずっと独身を通している」(p131)、そうだろうとは思っていたが、第1-8作で、独身とはっきり書いてあるのを見るのは初めてのような気がする。年齢の情報は、他人から見た印象で「三十代半ば」(p114)とある。
かわいがることと大切にすることは違うんですよね。大切にするっていうのは、その子の将来のことまで考えて、その子にとって一番いい選択をし続けるってことなんだ。
東野圭吾著「新参者」(講談社、09年)から(p341)。加賀恭一郎シリーズ第8作(初出04年8月号-)。加賀が警視庁捜査一課から所轄(練馬署)へ異動になった理由が明かされる、ある裁判で「弁護側の情状証人」になったことがきっかけだったと。おそらく、シリーズ第2作「眠りの森」に登場する浅岡未緒が法廷で裁かれる際に証人に立ったのだろう。この第8作で、加賀は、練馬署から日本橋署へ移って来たばかりで、6月に起きた小伝馬町での殺人事件を担当する。階級は警部補。