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カテゴリー「読み物」の検索結果は以下のとおりです。

大人国・小人国

  • 2018/05/24 16:46
  • カテゴリー:読み物

だいいち、優越感とか劣等感を棄てなければならないのだ。民族感情としてのコンプレックスは、封建社会から尾を曳くものなのだ。民族主義が徹底すれば、すなはち、平等社会が確立すれば、優越・劣等のコンプレックスは消滅すべきものである(略)。どういうふうにして、コンプレックスを追放すべきであるか。いわば精神分析療法である。それはコンプレックスの根源をさぐりだすことである。文学的にいへば、むしろこれまでの劣等感に徹してみることである。優越をもとめるといふ代償作用を排して、ひとつこのコンプレックスに最後のところまで身を委ねてみることだ。

荒正人著「第二の青春・負け犬」に収載の「大人国・小人国」から(p219)。この本は、冨山房百科文庫の一冊(冨山房、78年)であり、先日読んだ宮田昇著「図書館に通う」で知った。「第二の青春」「負け犬」いずれも二次大戦後に出版された評論集。「大人国~」の文末には、1946年8月5日の日付がある。

荒正人(あらまさひと)の名は、恥ずかしながら知らなかった。wikipedia によると、「世代論、知識人論で加藤周一、中野重治らと論争を交わした。夏目漱石の研究でも一家をなし、」とある。この「第二の~」でも、三十代は、四十代は、と世代に関する記述が散見される。

https://ja.wikipedia.org/wiki/荒正人

煮こごり

  • 2018/05/17 09:23
  • カテゴリー:読み物

不思議なことに、失望や怒りはまったくなかった。今聞かされたことを、私は全部とっくに知っていたような気さえする

知っていて、守ってきた虚構ではなかったのか、と主人公は思う。井上荒野著「ベーコン」(集英社、07年)に収載された「煮こごり」から(p121)。NHK ラジオ文芸館のリストに並んでいるのを見て、読んでみようと最寄り図書館で借りて来た。

図書館に通う

  • 2018/05/15 15:21
  • カテゴリー:読み物

OPAC に、それらの情報を付け加えれば良い。それが電子書籍時代の図書館のさらなる必要性を示すものになるにちがいない。

宮田昇著、図書館に通う~当世「公立無料貸本屋」事情(みすず書房、13年)から(p225)。「それら」というのは、それがどんな本や資料であるのか、その本の書評の有無、文庫本や電子書籍など関連本の紹介などのことを言っている。

この本は、web にあった pdf で採り上げられているのを見て、最寄り図書館で借りた。

http://www.konan-wu.ac.jp/~nichibun/kokubun/60/sato.pdf
http://www.konan-wu.ac.jp/~nichibun/kokubun/61/sato.pdf

偏向の沖縄で「第三の新聞」を発行する

  • 2018/05/15 14:56
  • カテゴリー:読み物

あえて付言すれば、私たちは「保守系」の新聞づくりを意識しているわけではない。県紙2紙があまりに「左寄り」なので、「ど真ん中」の報道も「右寄り」に見えるだけなのかも知れない。

仲新城誠著、偏向の沖縄で「第三の新聞」を発行する(産経新聞出版、17年)から(p43)。著者は八重山日報編集長。

県紙2紙と第三の新聞、いずれも web サイトに今日の紙面(一面の写真)を掲載している。小さくて見にくいが、トップの大見出しを拾ってみよう。琉球新報「防衛局 基地内調査せず」、沖縄タイムス「近所の23歳男逮捕」。そして、八重山日報の沖縄本島版、今日は「米大使館エルサレム移転」、昨日は「世界に誇れる祖国復帰 46周年大会で意義強調」とある。

故郷

  • 2018/05/14 11:12
  • カテゴリー:読み物

希望とは本来あるとも言えないし、ないとも言えない。これはちょうど地上の道のようなもの。実は、地上に、本来、道はないが、歩く人が多くなれば道ができるのだ。

ラジオ文芸館(5/14、1時台)で朗読された魯迅著「故郷」、その最後の部分。藤井省三訳とアナウンスされた。登場する人物はルントウであり、モグラのような害獣はチャーだ。学校で読んだ「故郷」はこの訳かもしれない。いつだったか青空文庫のそれ(井上紅梅訳)を見て、かつて読んだのはこれではなさそうだと思ったことがあった。

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