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カテゴリー「読み物」の検索結果は以下のとおりです。

Re: 赤い指

  • 2023/10/03 05:49
  • カテゴリー:読み物

その時ふと、ある考えが彼の脳裏を横切った。それは彼の心をひきつけるものだった。数秒間、その考えを頭の中で転がした。

東野圭吾著「赤い指」(講談社文庫、2009年)から(p77)。加賀恭一郎シリーズ第7作。

9月の帰省、その道中の読書用に図書館で借りた。読むのは何度目だろうか。その度に心を揺さぶられる。特に最後の30ページほどだ。

恭一郎の母親は仙台で亡くなった、そう記されていることに、今回、気付いた。本作では練馬署に所属しているが次の第8作「新参者」で日本橋署へ移る。それら伏線は第10作「祈りの幕が下りる時」へと繋がって行く。

赤い指新参者祈りの幕が下りる時東野圭吾の本十冊(いずれもサイト内)

中国語は不思議

  • 2023/09/26 06:11
  • カテゴリー:読み物

私は子供のころから時間が流れていくことが怖い。時間が流れて、やがて死ぬのが怖い。

大学生になってもそれは治まらず、哲学で時間論を学び、時間の逆流を夢想した、と著者は書く。今でも怖くて眠れないこともあるらしい。

橋本陽介著「中国語は不思議」(新潮社、2022年)から(p125)。本書副題は、「近くて遠い言語」の謎を解く

そのページの終わりで、著者は、「失われていく時の流れを見事に表現した」と、高行健の短編小説「おじいさんに買った釣り竿」を紹介する。そこから中国語の時制へと話題は展開して行く。中国語では過去形はないが過去を語る仕掛けがある。

最寄り図書館の新着コーナーにあるのを借りて来た。

スピーカー・ケーブル

  • 2023/09/14 06:19
  • カテゴリー:読み物

1000円の時計でも1000万円の時計でも時刻は同じように表示するのです。

長岡鉄男著「世界でただひとつ自分だけの手作りスピーカーをつくる-7000円から楽しめる不思議で奥深い魅力」(講談社、2004年、新装版)から(p305)。

スピーカー・ケーブルには高価なものもあるけれど、音はそんなには違わない。1本数百円のケーブルで十分。著者は「1m300円の電力線」を使うと書いている。引用の時計はそのたとえ話。

電子パーツ調達、23年9月(サイト内)。ブループラネット・ハンギングウォッチ(ダイソー、#4654)

思ひ出を反芻する

  • 2023/09/12 05:54
  • カテゴリー:読み物

私もどうやら思ひ出を反芻する老いぼれになったらしい

週末に、ハイ・ファイ・セットが歌う「卒業写真」と「最後の春休み」、2曲を聴く機会があった。何十年も前のあれやこれやが頭の中をよぎり、「思ひ出を反芻する老いぼれ」の気分になった。

引用したのは、種田山頭火の著作にある言葉らしい。秋庭道博著「ことばの切れ味」(東洋経済新報社、1992年)でそのことを知った(p126)。

ことばの切れ味(サイト内)。種田山頭火「遍路の正月」|青空文庫

直木賞をとれなかった名作

  • 2023/08/29 05:56
  • カテゴリー:読み物

もちろん、「芥川・直木賞をとれなかった名作」みたいな本を書くより、自分が受賞したほうがずっといいに決まっている。

著者は、二度芥川賞候補になってとれなかった。もう諦めて直木賞を目指すと宣言していた頃には曲亭馬琴の伝記小説を書いたりしたのだが賞とは縁がなかった。それで、本書の著作を企画したらしい。

小谷野敦著「直木賞をとれなかった名作たち」(筑摩書房、2023年)から(p20)。最寄り図書館の新着コーナーにあったのを借りた。

受賞できない「悔しさ」や、選考委員に対する「恨み」を、こういう形で晴らすのだろうか。芥川賞の方は、佐伯一麦著「芥川賞を取らなかった名作たち」がある。

直木賞(サイト内)。筒井康隆著「大いなる助走」

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