エントリー

カテゴリー「読み物」の検索結果は以下のとおりです。

村上春樹の100曲

  • 2019/04/25 18:49
  • カテゴリー:読み物

「ナット・キング・コールが「国境の南」を歌う」という描写そのものがある種の世界の不可能性を表している。

実は、彼はその曲をレコーディングしていないのだとか。栗原裕一郎編著「村上春樹の100曲」(立東舎、18年)から(p128)。村上春樹の著作でどれか一つとなると、躊躇うことなく、「国境の南、太陽の西」(92年)を選ぶ。その話の中に何度か登場する「国境の南」を、これまで、探し出して聴くことはなかった。まさか、ナット・キング・コールが録音を残していないとは思いもしないことだった。フランク・シナトラとビリー・メイによる収録(54年)が有名だそうだ。

ヴァチカンからの暗殺者

  • 2019/04/24 07:13
  • カテゴリー:読み物

きわめて優秀な頭脳の持ち主はしばしば間の抜けた感じを与えるものだ

A.J.クィネル著「ヴァチカンからの暗殺者」(新潮文庫、87年)から(p232)。この話にも、ヘックラー&コック(Heckler & Koch GmbH)社製の拳銃が登場する。主人公ミレクが訓練キャンプで試射に用いた VP70 だ(p121)。一方、「1Q84」で青豆が携えていたのは同社製 HK4 だった。あちらでは、メーカー名は、確か、ヘックラー・ウント・コッホとドイツ語風の読みで記されていた。「1Q84」を読みながら、なぜかクィネルを思い出し、この「ヴァチカンからの暗殺者」を三十年ぶりに再読した。拳銃のメーカーという妙な共通点を見付けてちょっとうれしくなった。それと、これも偶々だけれど、この暗殺も1984年の話だ。

4月のある晴れた朝に

  • 2019/04/22 07:15
  • カテゴリー:読み物

きっとそこには平和な時代の古い機械のような温かい秘密が充ちているに違いない

村上春樹全作品 1979-1989 (5) 短篇集 II(講談社、91年)に収載されいる「4月のある晴れた朝に100パーセントの女の子に出会うことについて」(81年)から(p26)。先日読んだ「1Q84」は、この短編から派生した作品、と wiki にあったので借りて来て読んでみた。著者は、「その短編をただ長くしただけです」と語ったとか。

1Q84 - ウィキペディア

浪花少年探偵団

  • 2019/04/16 21:30
  • カテゴリー:読み物

ほんまにようゴタゴタに巻き込まれまんな。体質でっか?

東野圭吾著「浪花少年探偵団」(講談社文庫、91年)から(p138)。大阪弁の会話を楽しむことができる。「夫婦善哉」のようだ。

#前線の影響で雨。走り梅雨だ。

1Q84 その3

  • 2019/04/11 06:48
  • カテゴリー:読み物

面白くはあるし、ずいぶんうまく書かれている。文章は読みやすく端正であり、部分的には心を惹かれもする。しかし結局のところ罪のないただの幻想小説ではないか、彼はそう思った。またそれは世間の一般的な感想でもあるはずだった。

彼とは牛河のこと。作中登場する小説「空気さなぎ」の評だ。この部分を読んだとき、もしかするとこれは著者によって張られた予防線ではないだろうか、と感じた。それは、もちろん、「1Q84」全3巻への酷評をかわすための予防線だ。村上春樹著「1Q84 a novel BOOK 3 10月-12月」(新潮社、10年)から(p314)。

この第3巻を読み進めている内に、昔よく読んだ A.J.クィネルの著作を思い出していた。例えば、「ヴァチカンからの暗殺者」。そのうち、また読んでみよう。

# 滑りが悪い記憶の抽斗(p25)、希望と試練(p49)、トルストイ風に快楽と苦痛(p497)

ユーティリティ

« 2025年07月 »

- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -

検索

エントリー検索フォーム
キーワード

新着エントリー

過去ログ

Feed