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カテゴリー「読み物」の検索結果は以下のとおりです。

硫黄鳥島

  • 2024/05/10 06:07
  • カテゴリー:読み物

鹿児島県最南端より北にある沖縄県最北端の島

西村まさゆき著「地図でめぐる日本の県境100」(天夢人、2023年)から(p144)。県立図書館の新着本コーナーにあるのを借りた。

かつて硫黄鳥島は、琉球王府が直轄した。硫黄が採掘できたからだ。硫黄は明などへの重要な朝貢品となった。琉球が島津藩に占領された際、薩摩に編入されなかったこの島は、現在、沖縄県にある。飢饉や火山の噴火のために無人の島となった。住民の多くは久米島へ移ったため、硫黄鳥島は久米島町に所属している。

沖縄県の県域(サイト内)

暖流

  • 2024/05/07 05:51
  • カテゴリー:読み物

仕事の面白みは、なんとしても、大会社の庶務課長より、小さくとも独立した事業を一人で切り廻すことにある

主人公の日疋祐三は、製薬会社のポストを袖にして、落ちぶれた病院の再建に挑む。岸田国士著「暖流」から(p23)。岸田国士全集13巻小説6(岩波書店、1991年)。

何度か、映画化、ドラマ化されている。なるほどそうさせるだけの魅力がこの原作にはあるのだろう、借りて来て放っておいたのだけれど、読み始めると一気に読んだ。

日疋についてこう書かれている(p112)。「記憶のすばらしさ、熟慮断行といふ言葉が実によくあてはまるやうな万事の処理のしかた、相手との微妙な関係を即座に読み取つて、抜きさしならぬ応対の呼吸を見出す勘、かういふ特徴をあげればいくらでもありさう」

「たとへ言葉では素気なく拒まれようと、彼の身近に自分を感じる一つ時さえ得られるなら幸福の道は決して閉ざされてはゐない」、いじらしい石渡ぎんはそう思う(p193)。ドラマ化されたこの物語が強く記憶に留まっているのは彼女の存在が大きい。昔観たドラマでぎんに扮したのは中田喜子だった。

「暖流」を読んでみよう(サイト内)。「誠実であろうとすることと、誠実であることとの隔たり」(p196)

ユーミンの罪

  • 2024/04/16 05:55
  • カテゴリー:読み物

刹那を切り取り、積み重ねていくことで、永遠を目指す。そんな意識が込められているような気がする、ユーミンのごく初期の歌。

刹那の輝きと、永遠の魔力。両者を手に入れとようとするユーミンの姿勢は、後々もずっと生き続けている気がしてならないと著者は言う。酒井順子著「ユーミンの罪」(講談社現代新書、2013年)から(p17)。

「読んだらすぐに理解できるタイプの散文ばかり書いている」著者が、デビューアルバムまで遡って、「わけのわからないところからじんわりイメージが滲み出てくる」歌詞を読み解く。雑誌連載時のタイトルは「文学としてのユーミン」。

引用部分の「ごく初期の歌」とは、デビューアルバム「ひこうき雲」(1973年)に収録された「空と海の輝きに向けて」。歌詞に散りばめられた「月」「門出」「海原」は、威勢のいい「熟田津に船乗りせむと月待てば~」(万葉集、巻1-8)を彷彿とさせる。けれど、続く「ただひとり帆を上げる」「命の舵を取ろう」からは、長く険しい人生行路への覚悟が読み取れる。「雲帆を挂けて滄海を済らん」と詠む、李白の「行路難」のようだ。

ユーミン(サイト内)。ウィリアム・ブレイク「無垢の予兆」

Re: ボクの音楽武者修行

  • 2024/04/15 05:39
  • カテゴリー:読み物

こうしてすぐ親しくなれるのも音楽のおかげである。音楽はたしかに万国共通語で、これを知っているぼくは幸福だと思った。

初対面の音楽家どうしでも譜面を介して心が通じる。確かにそれはある。引用は、小沢征爾著「ボクの音楽武者修行」(新潮文庫、1980年)から(p102)。

最寄り図書館で借りて来た。44年ぶりの再読。文庫版が書店に並んですぐに読んだのが最初だった。下校途中に明石駅近くの書店で購入したことを覚えている。高校3年だった。

万国共通語。化学式もそうだと言えるんじゃないだろうか。ドイツに駐在していた頃、研究者や工場の技術者と、新規案件について、よくディスカッションした。その際、対象のプロセスを化学式で示すと互いの理解が進んだものだ。専門外でよく判らないけれど、電気の回路図や、ソフトウェアのプログラムなども同じような具合じゃなかろうか。

# 小澤征爾(サイト内)

[ 朝刊休刊日 ]

大雨警報が出た、と、5時半すぎに防災那覇の放送あり。

験なき物を思はずは

  • 2024/04/02 05:55
  • カテゴリー:読み物

験なき物を思はずは一坏の濁れる酒を飲むべくあるらし

万葉集の巻3、第338番。「考えても仕方ない物思いをしないで、一杯の濁り洒を飲むのがよいらしい」。作者の大伴旅人は、妻を想う、死んでしまって二度と逢えない妻を。

今の心情にぴったり来る歌はないものかと、万葉集だったりユーミンの古い曲だったり色々と眺めている。昨夜は旅人が詠んだこの歌を胸に酒を飲んだのだった。

考えても仕方ない物思いか、そうなんだよな。そんなことに想いを巡らせているくらいなら酒を飲んで酔っぱらってしまう方が良い。ほんとそう思う。そう思って酒を飲むのだけれど益々物思いに沈むことになったりする。

あれは岐路だったんだな験なき恋をもするか出逢う順番選択を間違えた場合に迷い道ビフォア・サンセット性格はかえられるのか国境の南、太陽の西万葉の歌十選(いずれもサイト内)。万葉百科|奈良県立万葉文化館、ユーミンと古き日本の心|ブルカニロ博士の研究室

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