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カテゴリー「読み物」の検索結果は以下のとおりです。

戦場のコックたち

  • 2022/06/28 06:12
  • カテゴリー:読み物

戦争には大勢のスポンサーが必要だ。何も、金を出してくれる企業や政治家だけではない。愛国心を提供してくれる市民も必要だった。

深緑野分著「戦場のコックたち」(東京創元社、2015年)から(p103)。最寄り図書館の特集コーナーにあるのを借りた。2016年本屋大賞7位。

戦場を舞台とした推理ミステリーなんだろうけれどそう単純ではない。戦争とは何なのかと問うている。探偵役のエドがこんなことも言う、「敵味方なんて、状況が違っていれば簡単に入れ替わってしまうものだと思うぞ。味方に嫌なやつがいるように敵にも良い奴はいる」と(p263)。

「日本人の正体」、「フューリー」2015/11/1 06:25(いずれもサイト内)。ドルマーゲン(p278)、ウクライナへ侵攻(p283)

ドイツ人の働き方

  • 2022/06/25 06:45
  • カテゴリー:読み物

部下に考えさせ、リードをとった行動を促す。いちいち報告を求めない。自主性を重んじるこうした環境は、生産性を上げるにはとても大切な点です。

ドイツの良い職場はこれが徹底している。日独の一番の違いはこの辺りだろうと思うことはしばしばあった。引用は、隅田貫著「ドイツではそんなに働かない」(角川新書、2021年)から(p51)。

現場の自由度は相当高い。その前提として裁量の範囲(job description、assignment)が職務や担当ごとに明確にされている。曖昧さがない。

しかしドイツ人なら皆が皆そう上手くできるとは限らない。身近なチーム、3つ4つを見ても、理想的なマネージメントがある一方で、日本でも珍しいような酷い例もあった。振れ幅が広いのだ。その点、日本では、どんなに良くても理想には及ばないものの、突出して悪いのもない。均されている。似たような職場全体の比較では、総合点は、わが国の方が少し上回っているのでないだろうか、そんな風に思ったものだ。

「仕事を管理するつもりが、人を必要以上に管理することになっている」(p49)と日本の職場での悪弊が指摘されている。仕事は人がする以上、その人をしっかり管理しなければならない。が、「必要」な範囲を超えてはならない、それが肝心。その範囲は、個人ごとに違うのでそれを見極めることも大切。

世界「新」経済戦争(サイト内)

監禁面接

  • 2022/06/23 06:30
  • カテゴリー:読み物

あなた自身の人生をわたしに語るとしたら、なにから始めますか

そう尋ねられて、主人公は打開策を思い付く。ピエール・ルメートル著「監禁面接」橘明美訳(文藝春秋、2018年)から(p296)。

似たような質問を受けたことがある。「あなたの人となりを語って聞かせて下さい」というものだった。これまでに、就職や転職の活動で、何度か面接を受けた。様々なやり取りがあった中で、最も印象に残っている質問だ。それにどう答えたかは覚えていない。ただ、面接の首尾は上々だったのだろう、その会社から採用通知をもらった。

本書の主人公は、失業して4年、職安にも通い鋭意求職中の身。ただし冒頭の質問は、人事採用の担当者からではなく、拘置所で精神鑑定を担当する精神科医からだった。採用試験でとんでもない事件を起こし拘留されているのだ。

仏語原書のタイトルは"Cadres noirs"、Googleで英訳すると"Black frames"と出る。英訳版の方は"Inhuman Resources"と題されている。日本語訳版は「監禁面接」だ、もうちょっと良いタイトルがあったのでなかろうか。

ピエール・ルメートル(サイト内)。イケア(p453)

時の娘

  • 2022/06/21 06:32
  • カテゴリー:読み物

誰かが見たり聞いたりしておぼえていることについて誰かが記録し、それをまたさらに誰かが記録したようなことを、真実として受け入れるわけにはまいらぬ

忌むべきものは伝聞証拠だ。スコットランド・ヤードのグラント警部は、入院中の暇つぶしに、四百年前の事件を刑事の眼で見直してみる。ジョセフィン・テイ著「時の娘」小泉喜美子訳(ハヤカワ・ミステリ文庫、1977年)から(p110)。原作は、1951年刊、既に著作権は切れている。

今春読んだ小説二つに本作のことが登場した。「神経衰弱」で二枚のカードを引き当てたような気分になり、読んでみようと思った。

陸行水行中野のお父さん2(いずれもサイト内)。時の娘|Wikipedia、The Daughter of Time, by Josephine Tey - Project Gutenberg Canada

47都道府県格差

  • 2022/06/17 06:30
  • カテゴリー:読み物

高知では県に専門の部門を設けて、医師を含めた医療従事者全体の人材確保を進めており、そのための研修や助成制度が整備されています。医師だけでなく人口10万人あたりの看護師数も全国1位です。

医師数、病床数とも、トップは高知県。医師数は、最下位の埼玉県に比べて2倍以上、病床数の方は、最下位の神奈川に比して約3倍。いずれも人口10万人あたりの数字(2015年)をランキング。県の方針一つでそんなにも違いが出るもんなんだな。

引用は、木原誠太郎著「47都道府県格差」(幻冬舎新書、2017年)から(p39)。

ちょっと考えてみた。人口あたりと言っても、例えば、高齢者の人口あたりで計算してみると、各都道府県の医師数は、もしかすると似たような数字になるのかもしれない。それと、コロナ禍を経た今どうなっただろうか。医療に関する方針や施策を見直した自治体が少なくないはず。

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