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カテゴリー「読み物」の検索結果は以下のとおりです。

ラジオの戦争責任

  • 2022/01/12 06:26
  • カテゴリー:読み物

あるマスメディアが急速に普及するとき、社会に急激な変化をもたらすことがある。ラジオと太平洋戦争の関係から得られる教訓は、「新しいメディアは未知の混乱をもたらす」という事実である。

坂本慎一著「ラジオの戦争責任」(PHP新書、2008年)の終章から(p249)。ここの小見出しは「未来への教訓」。一つ前は「何が太平洋戦争の本質なのか」。この本は、最寄り図書館のOPACで「戦争責任」を検索して引っかかった。

著者は、例えば、テレビと学生運動や、インターネットと少子高齢化、それらの関係はどうなのかと問い掛ける。それは時間が経たないと判明しないだろう、「二世代前のメディアでなければ、客観的な分析は難しい」(p236)、そういう説があるらしい。

# 高嶋米峰と聖徳太子、下村宏と玉音放送。ザ・ベストラジオ2021(サイト内)。文化放送戦後75年スペシャル「封印された真実~軍属ラジオ」(2020/8/15)

一命

  • 2022/01/10 06:30
  • カテゴリー:読み物

男らしさ、りりしさを求めたのではない。人目につかぬ平凡さに心をひかれた。これという取り柄のないところが好きだったのだ。

討手に選ばれたフィアンセが見事に役目を果たして帰宅する。もう昨日までの平凡な男ではない。娘心は複雑。人の心はわからないものだ。滝口康彦著短篇集「一命」(講談社文庫、2011年)に収載の「上意討ち心得」から(p136)。

最初に収められている「異聞浪人記」が二度目の映画化の際、「一命」のタイトルが付けられた。書名はそれから採られている。

文庫100冊(サイト内)。収録作、異聞浪人記、貞女の櫛、謀殺、上意討ち心得、高柳父子、拝領妻始末

イシューからはじめよ

  • 2022/01/07 06:22
  • カテゴリー:読み物

『悩む』とは、答えが出ないという前提のもとに、考えるフリをすることであり、全く意味はない。変化を生まないとわかっている活動に時間を使うのは無駄以外のなにものでもない

K氏からのメールにそうあった。出典が記載されていたので図書館で借りて読んでみた。安宅和人著「イシューからはじめよ」(英治出版、2010年)。その話は「はじめに」に登場する(p4)。小見出しは「悩まない、悩んでいるヒマがあれば考える」。

本書、副題は、知的生産の「シンプルな本質」。ビジネス書と言うよりは、自然科学の論文を書く研究者向け指南書の趣あり。

K氏への返事にこう書いた。「読んでみました。判ったようで判らない、それらしい用語が少なからず出て来きます。まず、「イシュー度」と「解の質」を二軸とするマトリクス、これがしっくり来ない。イシュー度は重要度、解の質は理解度とでも置き換えるとぐっと身近になるものの、前者は絶対的な評価で事前に認識できる一方、後者は作業を終えてこそ判明する事後の結果であり、マトリクス全体の時間軸が捩じれている、それがしっくり来ない理由でしょうか。

7つの習慣(サイト内)

失踪者

  • 2022/01/06 06:27
  • カテゴリー:読み物

頭の中にあるのは三度三度の食物をどうするかということだけである。朝食をつめこんでいるときには昼食のことを、昼食を貪り喰っているときには夕食の心配をしている。さながら一個のイーティング・マシーンである。われながら厭になるときがあった。

程度の差はあれど、生きるとはそういうことではないだろうか。この主人公の場合には、追い詰められて採取生活を送らざるを得ない。口にするのは、縞蛇や、赤蛙、野ネズミ、ホンダワラ、昆布、牡蠣、そしてデザートはあけびの実、という状況。引用は、野呂邦暢著「冬の皇帝-野呂邦暢小説集成4」(文遊社、2016年)に収載の「失踪者」から(p282)。初出は1975年。

これはなかなかのサスペンスだ。最初に歴史小説を読んだ。青春ミステリーの作品があるかと思えば、私小説風や、このようにサスペンスものがあったりする。芸の幅が広い役者を見るかのようだ。

野呂邦暢(サイト内)

佐古啓介の旅

  • 2022/01/04 06:34
  • カテゴリー:読み物

人間っていつも失った何かを探しながら生きているような気がする。そう思わないか

と問うと、かっこいいこと言うのねと妹にひやかされる。野呂邦暢著「猟銃・愛についてのデッサン-野呂邦暢小説集成6」(文遊社、2016年)に収載の「愛についてのデッサン-佐古啓介の旅」から(p515)。1978年初出。

不思議な読後感を覚えた。主人公は阿佐ヶ谷の古書店主。副題にある通り旅をする。5月の長崎に始まり、直江津、神戸、京都。そして12月に再び長崎を訪ねる。それだけではない。自分も含め誰かの過去をたどり時間をも旅するかのようだ。

# 人生の残酷さ(p574)。野呂邦暢(サイト内)

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