わたしたちは毎日、悲惨な光景を目にしますが、それが自分の身に降りかかるとは思っていません。わたしたちの生活から死を追いだし、ずっと平和な暮らしがつづけられると思っています。わたしたちは死から解放されたかのようにさえ見えます。しかしわたしたちの社会、わたしたちの自由、わたしたちの生き方は脅威にさらされているのです。
弁護士が言う。フェルディナント・フォン・シーラッハ著「テロ」酒寄進一訳(東京創元社、2016年)から(p117)。引用にある「脅威」は、テロリストによる惨事のこと。さて、以下はちょっと別の話。
「医療従事者でも結構多くの人が副反応で苦しんでるとの話もあるそうですが、どう思いますか」と、ワクチンの副反応について訊ねられた。厚生労働省のサイトで公表されているデータを見て、次のような返事を書いた(「Re: 相談」、5/20)。「都度、審議会で報告されています。最新は、5/12の開催だったようです。ここから、ざっと数字を拾いました。
- 期間、2/17~5/2(2か月半)
- 接種数、3.8百万回
- 死亡、28例(65歳以上18例、未満10例)
- 副反応疑い、664例、その内、
- アナフィラキシー、107例
死亡28例は、いずれも、情報不足でワクチンの副反応が死因かどうか評価できないとあります(略)。さて問題の、副反応のアナフィラキシーです。107例の内訳を見てみると、大半の99例が女性です。女性に多いことを初めて知りました。それも20歳代から50歳代に集中しています。60歳代は3例です。それ以上はなし。
107例の症状は、ほとんどが回復か軽快になっています。未回復は3例のみ。46歳(食物アレルギー)、63歳(狭心症)、64歳(造影剤アレルギー)、いずれも女性です。( )内にあるように、基礎疾患などがある方です。
アナフィラキシーで呼吸困難などになると、確かに、苦しむとは思います。が、3.8百万回に107例ですから、率は、10万で3例です。日本の1億人なら3千人です。年間の交通事故死もそれくらいなので、普通はほとんど起こらないと感じるレベルではないでしょうか。ただ、交通事故と同じで当たるとたいへんですが。」
ワクチンの副反応で苦しむ、交通事故で死ぬ、はたまた、テロリストによる惨事に巻き込まれる。まさか「自分の身に降りかかるとは思って」いない、それが多くの人の心情ではないだろうか。
なお、6/5現在、厚生労働省のサイトでは、5/26に開かれた審議会でのデータが公表されている。この次(6/9?)には、10百万回接種のデータになるだろうか。
- 期間、2/17~5/16(3か月)
- 接種数、6.1百万回
- 死亡、55例(65歳以上38例、未満17例)
- 副反応疑い、943例、その内、
- アナフィラキシー、146例
# 航空チケットの購入(p76)、より小さな悪(p115)。シーラッハ(サイト内検索)。新型コロナワクチンの副反応疑い報告について|厚生労働省