エントリー

カテゴリー「読み物」の検索結果は以下のとおりです。

Re: 天皇と東大

  • 2020/08/26 06:36
  • カテゴリー:読み物

一つの国が滅びの道を突っ走りはじめるときというのは、恐らくこうなのだ。とめどなく空虚な空さわぎがつづき、社会が一大転換期にさしかかっているというのに、ほとんどの人が時代がどのように展開しつつあるのか見ようとしない。

ひどい知力の衰弱によって、考えることも見ることもできなくなる。今の日本は「もう一度そういう滅びの道のとば口に立っているのかもしれない」。立花隆著「天皇と東大-大日本帝国の生と死」下巻(文藝春秋、05年)から(p173)。この大部な上下巻をじっくり丁寧に読み、ちょっと食傷気味。次は軽い本にしよう。

いつにも増して多くの付箋を貼った。一か所、第60章「粛学の立役者、田中耕太郎の四面楚歌」から引いておこう。「真の敗因は本来開始すべからざる戦争(略)を敢て開始した点」にある。それは「正に国民の道徳的欠如」に因る。その反省から、田中は、戦後、教育改革に力をつくすことになった(p538)。

天皇と東大(サイト内)。東大生が体験した「8月15日」|文藝春秋(12年)。東大出身合格者が過去最少 国家公務員の総合職試験―人事院(8/21)

天皇と東大

  • 2020/08/18 07:22
  • カテゴリー:読み物

歴史において大切なのは、歴史の現実がどう動いていったのかを、当時の人の心の動きを含めて客観的に正しくとらえることである。そう考えると、昭和戦前期の国家革新運動もこれまでの図式とはちがう目でとらえ直さなければならない。

一般に、正義の共産主義vs悪のファシズム的な図式で見られがち。立花隆著「天皇と東大-大日本帝国の生と死」上巻(文藝春秋、05年)から(p487)。

会員数十一万人を擁していたといわれる日本最大の国家主義啓蒙団体「国本社」、その理事の中に見知った名があった(p476)。末次信正。あの「有備無患」の碑を書いた人だ。海軍大将末次信正書 建立昭和14年12月、その碑は、住吉川そばの野寄公園にある。東灘区に住んでいた頃(97-06年)に散歩がてら何度かその公園を訪ねた。後に、同僚ら宛てに書き送っていた連載コラムのタイトルを「有備無患」とした。備へあれば患ひなし、その連載のテーマは、災害ではなく、キャリア開発だった。

# 上杉慎吉(天野辰夫、岸信介、安岡正篤、四元義隆)、四元(中曽根康弘、細川護熙)

無敗の男

  • 2020/08/08 06:39
  • カテゴリー:読み物

適当なことをしゃべるようになったら中村喜四郎はおしまいだ。緊張感が持続できなくなったら、適当なことを流してしゃべればいいとなったら引退だ。私が長持ちしたのは、そういう気持ちを抱き続けることにこだわってきたからだ

そのため講演の準備は怠らない。関連記事を熟読しノートに書き写す。原稿を練る。第三稿まで推敲する。徹底したデータ重視。細かな数字は単語カードを使ってでも頭に叩き込む。常井健一著「無敗の男-中村喜四郎全告白」(文藝春秋、19年)から(p131)。県立の新着コーナーにあったのを借りて来た。

ゼネコン汚職、斡旋収賄罪容疑で逮捕、自民党離党(94年)、ムショ帰り後も当選(96年衆院選、8期目)。最強の無所属(p11)、田中角栄の下で「雑巾がけ」した中村にとって反面教師は二人、角栄と小沢一郎(p126)。知事選が野党共闘の一番のベース(p331)。

知の旅は終わらない(サイト内)

80's

  • 2020/08/04 06:59
  • カテゴリー:読み物

これでぼくの「記憶のなかの物語」は終わりだ。わざわざ「記憶」を強調するのは、それが無意識のなかで自分に都合よく書き換えられることがわかっているからだ-それも非常に頻繁に。

橘玲著「80's-ある80年代の物語」(太田出版、18年)、あとがきから(p274)。著者が作家専業になる以前の自伝。当時流行っていた映画や音楽が書き留められている。おれも同時代を生きて来たけれど、観たり聴いたりしたものが、印象に残っているものが、随分違うと思った。

橘玲(サイト内検索)。労働現場の重層的な差別(p180)。藤沢数希=橘玲=上田高史=宝島30元編集長【噂】

知の旅は終わらない

  • 2020/07/30 06:06
  • カテゴリー:読み物

自分の全存在をその中に置いたときに、はじめて見えてくるものがある。あるひとりの人が、ある具体的な人間存在として、あるときある場所で、ある具体的な世界を見ている。そういう具体的な事実関係抜きの認識なんてない。あらゆる認識は、その認識が成立したときの具体的事実関係に根ざした色がついている。無色透明の認識なんてない

ある文化体系を理解をするためには、その現場へ行く必要がある。本などを読んで済ませるわけにはいかない。立花隆著「知の旅は終わらない」(文春新書、20年)から(p110)。副題は、僕が3万冊を読み100冊を書いて考えてきたこと。自伝であり、自著のガイドブックも兼ねている。Mさんからのメールに本書のことがあったので最寄り図書館で借りた。

地質学者、井尻正二(p143)、田中角栄の人心掌握術(p225)、ロッキード裁判批判を斬る(p234)、一連の宇宙もの(p244)、死ぬまでに何ができるのか(p288)、政治の低劣化ワイドショー化(p306)

知的ヒントの見つけ方(サイト内)

ユーティリティ

« 2024年05月 »

- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31 -

検索

エントリー検索フォーム
キーワード

新着エントリー

小林稔侍▽私の人生手帖
2024/05/06 06:10
憲法施行77年
2024/05/05 05:48
Re3: たそがれ清兵衛
2024/05/04 06:18
終わらない戦争
2024/05/03 05:45
北部の山沿いって、どこ
2024/05/02 06:05
ホームベーカリー
2024/05/01 06:01
衆院3補選で自民全敗
2024/04/30 05:57
Re: 二重小協奏曲ヘ長調
2024/04/29 06:00
社会不安高めるSNS悪用
2024/04/28 05:57
走り梅雨、2024年
2024/04/27 06:05

Feed