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カテゴリー「読み物」の検索結果は以下のとおりです。

パール判事

  • 2022/10/08 06:23
  • カテゴリー:読み物

東京裁判は、戦勝国の戦争犯罪が裁判にかけられず、構成員が戦勝国によって独占されているという問題があるものの、被告は「人間の行う正義」を甘んじて受け入れなければならない、というのがパールの大前提である。

彼は自身が判事の一人であった東京裁判を根本的に否定していなかった。引用は、中島岳志著「パール判事-東京裁判批判と絶対平和主義」(白水社、2007年)から(p102)。

パール判事は「日本無罪」を唱えた、と言う人たちがいる。誤解もしくは曲解だ。日本による植民地政策の正当化や、大東亜戦争の肯定など一切していない。彼の主張は、「平和に対する罪」や「人道に対する罪」で裁判にかけられた「A級戦犯は法的には無罪」ということだった。これら罪状が国際法に存在しないからだ。一方で「通例の戦争犯罪」で裁くことには積極的で、日本軍による残虐行為を事実と認定し、指導者たちの道義的責任を厳しく追及した。

中島岳志(サイト内)。Radhabinod Pal(1886-1967)

ミレニアム2(下)

  • 2022/10/05 06:27
  • カテゴリー:読み物

やはりこの事件には、ごくふつうの単純でわかりやすい要素などひとつもないらしい。

捜査担当者がこぼす。スティーグ・ラーソン著「ミレニアム2-火と戯れる女」ヘレンハルメ美穂・山田美明訳(早川書房、2009年)、下巻から(p249)。

容疑をかけられたリスベットは警察も含め複数のグループに追われる。誰にも全容は見えていない。ある時点で一番よく知っているのは読者だろう。この点も普通のサスペンスとは違う。下巻の終盤になって、ようやく、ミカエルが読者に追い着いて来る。

この巻の最終ページで、ミカエルは傷だらけのリスベットを発見する。えっ、この場面で終わってしまうのか。急いで続きを借りて来なくては。

「ミレニアム」(サイト内)。グレッグ・ルッカ著「耽溺者」

ミレニアム2(上)

  • 2022/10/01 06:21
  • カテゴリー:読み物

家の内装をどうしたいか、どんな家具を置きたいか、どんな服を着るべきか、といったことに関して、確固たる好みと意見がある。

一般に、このタイプの人は、きっと充実した人生を送るのだろう。登場人物とは関係なくそんなことを思った。引用は、スティーグ・ラーソン著「ミレニアム2-火と戯れる女」ヘレンハルメ美穂・山田美明訳(早川書房、2009年)、上巻から(p194)。

戦略は細部に宿る。これは、神は細部に宿るの派生と何かで読んだ。細部(details)が大切という教えだ。考え方や方針は、隅々に行き渡ってこそ本物になる、機能する、そういう意味だろう。家の内装や身に付ける物などに対して「確固たる好みと意見」があるならば、生き方そのものに対しても、そうしている可能性がある。

いや、どうだろうか。先日、パソコンの設定を自分の好みに書き換える話を書いた。日々パソコンを立ち上げて最初に目にする日時表示やタスクバーを「確固たる好みと意見」に基づいて整える。確かに細部を大切にしているかのようだ。が、そうしているからと言って、パソコン上での作業、例えば作成する文書が充実している実感はそれ程ない。

よくよく考えてみなければならない。人生にせよパソコン・ライフにせよ、外見だけ装って中身は空っぽになっていないだろうか、と。

ミレニアム・シリーズの第2部を読み進めている。下巻を借りて来よう。

「ミレニアム」オレたち花のバブル組(いずれもサイト内)。「数学のさまざまな側面」(p39)、マーティン・ガードナー(p41)、タラモア・デュー(p139)、オーロフ・パルメ首相暗殺(1986年、p369)

想像を超えた世界

  • 2022/09/30 06:24
  • カテゴリー:読み物

昼間には想像のつかないことが起きているのではないか

夜、人が寝静まっている間に、獣や虫が跋扈して、とんでもないことが起きているかもしれない。いや、昼夜問わず、自分の知らないところで色んなことが起きている。引用は、秋庭道博著「ことばの切れ味-生き方を発掘する200のヒント」(東洋経済新報社、1992年)から(p42)。元の出典は、津島佑子著「黙市」。

ことばの切れ味(サイト内)。サタデーエッセイ「虫が消えゆく地球」養老孟司(再、マイあさ!、NHKラジオ第1、9/22、8時台)

サンクコスト効果

  • 2022/09/27 06:28
  • カテゴリー:読み物

昔を見てはいけない

昔は昔、今は今、折々の判断がある。引用は、秋庭道博著「ことばの切れ味-生き方を発掘する200のヒント」(東洋経済新報社、1992年)から(p71)。出典、神津カンナ著「美人女優」。

サンクコスト効果という言葉がある。これまでの投資がもったいない、払ったコストが心残りだ、と、取り返すことのできない金銭的、時間的、労力的なコストに気を取られ、合理的な判断ができなくなる心理傾向のこと。

例えば、原発政策に関する新聞の意見。福島第1原発の事故を忘れるなと、原発の活用に反対する左派系3紙(朝毎東)に対し、一紙は異を唱える(sankei.com、9/7)。「原発の活用をやめることは、福島が原発立地自治体として果たしてきた貢献をかえって無にすることにならないか」と。サンクコスト効果全開。

主にビジネスの領域で使われる用語ではあるけれど、個人の生活でも無縁ではない。もったいないから、とか、随分前に買っておいたから、というようなことは度々ある。捨てても良さそうな物をなかなか整理できないのもそうだ。センチメンタル・バリアと重なっていることが多いように思う。

ことばの切れ味(サイト内)。埋没費用|Wikipedia、原発政策の転換 「福島の教訓忘れるな」朝毎 産読は「原発の活用を評価」▽社説検証(sankei.com、9/7)

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