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カテゴリー「読み物」の検索結果は以下のとおりです。

疑心

  • 2022/02/07 06:34
  • カテゴリー:読み物

さあ、知恵を絞るんだ。何か方策があるはずだ。あるいは、私たちはまだ何か見逃しているのではないか

やるべきことを整理して考えてみる、考えることが我々の武器だ。今野敏著「疑心」(新潮文庫、2012年)から(p342)。隠蔽捜査シリーズ第3作。

本書、奥付の発行日に「平成二十四年」とある。すぐにぴんと来ない。下一桁が平成の1は西暦の9なので、と指折り数えて2012年であることを知る。解説の最後には「二〇一一年十月」と記されているし、その次のページには「この作品は二〇〇九年三月新潮社より刊行された」とあるので、西暦年を毛嫌いしているわけではなさそうだ。だのに、なぜ発行年は和暦にするのだろうか。不思議だ。

手元に、新潮社の別の単行本があったので見てみた。「二〇一〇年五月二〇日発行」となっている。機会があれば比較的新しい「新潮文庫」を確認してみよう。依然、発行年に和暦を使っているだろうか。

今野敏(サイト内)

その女アレックス

  • 2022/02/05 06:18
  • カテゴリー:読み物

つくづく思った。長年仕事を共にしてきた仲間のこととなると、こいつのことはなんでも知っていると思い込みがちだが、実はなにも知らないのだ。そしてある日、事故か事件か病気か死が降ってわいたときに、ようやくそのことに気づく。それまで抱いていたイメージは、たまたま入手した断片的な情報に基づいたものでしかなかったと思い知らされる。

ピエール・ルメートル著「その女アレックス」(文春文庫、2014年)から(p78)。橘明美訳。日本語訳がこなれていてたいへん読みやすい。訳者はあとがきで、下訳を担当した三人の名を紹介している。

これは、カミーユ・ヴェルーヴェン警部シリーズ第二作。読み終えた段階では上記の「つくづく思った~」ではなく、「やるべきことがいくつもあり、どれから手をつけたらいいかわからないときは、もっとも優先すべきはなにもしないことである」(p196)を引用箇所に選んでいた。あとで第一作「悲しみのイレーヌ」を読み、差し替えた。

文庫100冊ピエール・ルメートルもう年はとれない(いずれもサイト内)。ジョエル・ディケール著「ハリー・クバート事件」橘明美訳(東京創元社、2014年)

悲しみのイレーヌ

  • 2022/02/04 06:29
  • カテゴリー:読み物

あなたの周囲の人々はあなたがどういう人間かよく知っています。しかし、実際のあなたは、人々がこうだと思う人間ではありません。

もう少し長い文章からこの部分を抜き書きした。ピエール・ルメートル著「悲しみのイレーヌ」橘明美訳(文春文庫、2015年)から(p459)。

本書は、カミーユ・ヴェルーヴェン警部シリーズ第一作。実は第二作を先に読んで、急いでこの第一作を借りて来た。ある重要な事実を知ってしまって読むことになったのだけれど、楽しみが半減するようなことはなかった。あっと驚く仕掛けがある。とは言うものの、もちろん、一から順に読んでいたらもっと楽しめたと思う。

原題"Travail Soigné"は、Google翻訳で日本語に訳すと「きちんとした仕事」。本文の中では、「念入りな仕事」(p153)という表現が出て来る。これだろう。

# Camille Verhoeven。ピエール・ルメートル(サイト内)。ジェイムズ・エルロイ「暗黒のLA四部作」(p151)

陸行水行

  • 2022/02/02 06:31
  • カテゴリー:読み物

森を隔てた所には神宮皇学館が遺っている。神宮皇学館といえば、伊勢神宮と、ここしかなかった(昭和二十一年廃止)。

こことは大分県宇佐の妻垣神社。松本清張全集7「別冊黒い画集・ミステリーの系譜」(文藝春秋、1972年)に収載の「陸行水行」から(p203)。初出1963年。最近、日経の文学周遊に採り上げられた。

妻垣神社のサイトには、「神職養成科は伊勢の神宮皇學館と東京の國學院とここ妻垣の騰宮学館の3校しかなく」とある。神宮皇學館の卒業生が、私財を投じて開校。神武天皇が饗応を受けたとされる「足一騰宮」(古事記)に因んで、騰宮学館と名付けられた。

# ジョセフィン・テイ「時の娘」(p209)。境内散策|妻垣神社。清張ミステリーで探求する邪馬台国の謎「陸行水行」|文学周遊、松本清張「陸行水行」大分県安心院|写真で見る文学周遊。足立巻一(サイト内)

イン・ザ・プール

  • 2022/01/31 06:29
  • カテゴリー:読み物

これはシビれるよ。つまらない悩み事なんて確実に吹っとぶ。なにしろ追われるわけだからね。命すらあぶないときに、どうして家や会社のことなんかにクヨクヨできるのよ

不定愁訴(ストレス性の体調不良)で悩んでいるなら別のことに目を向けるべきと精神科医がアドバイスする。例えば、繁華街で頬キズ裏街道のお兄さんでも襲ってみればと。奥田英朗著「イン・ザ・プール」(文春文庫、2006年)の表題作から。ページ数をメモし損ねたまま返却してしまった。

地震など大災害もいいけれど「呼んでも来ない」ので、頬キズ裏街道が妥当な線では。「休みをとって紛争地帯へ行く」という手もある。

文庫100冊(サイト内)

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