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カテゴリー「読み物」の検索結果は以下のとおりです。

大作曲家の音符たち

  • 2022/07/02 06:31
  • カテゴリー:読み物

打ち合わせ用の未編修フィルム(ラッシュ)のあるシーンに、この曲が入っていた。要するにこの〈古城〉を参考に作曲するように、ということだ(これが黒澤監督のいつもの方法だった)。この曲の淡々とした静けさを取り入れて作曲したことを思い出す。

池辺晋一郎著「大作曲家の音符たち」(音楽之友社、2021年)から(p94)。最寄り図書館の新着コーナーで見かけた。本書副題は、池辺晋一郎の「傑作ア・ラ・カルト」。

引用は、著者が黒澤明監督の映画「夢」(1990年)の音楽を担当した折の想い出話だ。登場する「古城」は、ムソルグスキー作曲、組曲「展覧会の絵」の一曲。

「羅生門」(1950年)の中にボレロのリズムの曲が登場する。あれもそうなのか。webで調べてみると、やはり黒澤監督の指示だった。「ラベルのボレロを改作してくれ」。音楽担当の早坂文雄氏は、別の曲を用意していたが、「厳しく黒澤さんに拒絶され」たとか。

# 池辺晋一郎(1943年-)。「日本の映画音楽を語る 早坂文雄から武満徹まで」篠田正浩講演会記録(村川英、城西国際大学紀要、第17巻第5号、2009年)

銃・病原菌・鉄

  • 2022/06/30 06:26
  • カテゴリー:読み物

ジャレド・ダイアモンド著「銃・病原菌・鉄」。K氏宛てに久しぶりに書いたメールでこの本に触れた。

「浮き浮きするような内容ではないし、繰り返しが多く冗長感もあり、読み通すには忍耐が必要でした。頑張って読んでも爽快感も達成感もない。

どこでどう間違えて世界はこうも不均衡になったのか。争うからだ。殺傷度の高い武器を手に入れてさえ尚それを止めなかった。人間は、依然、生物学的なヒトであり、本能を隠しきれない。傷つけ憎み奪い合う。そのことをあらためて知るには良い本かもしれません」

会社の研修で課題図書だった。15年ほど前のこと。自主的に読めば少しは違った感想を抱くだろうか。その内に図書館で借りて来よう。市立のOPACを見ると上下巻2セット蔵書されている。

# Jared Diamond (1997). Guns, Germs, and Steel: The Fates of Human Societies.

戦場のコックたち

  • 2022/06/28 06:12
  • カテゴリー:読み物

戦争には大勢のスポンサーが必要だ。何も、金を出してくれる企業や政治家だけではない。愛国心を提供してくれる市民も必要だった。

深緑野分著「戦場のコックたち」(東京創元社、2015年)から(p103)。最寄り図書館の特集コーナーにあるのを借りた。2016年本屋大賞7位。

戦場を舞台とした推理ミステリーなんだろうけれどそう単純ではない。戦争とは何なのかと問うている。探偵役のエドがこんなことも言う、「敵味方なんて、状況が違っていれば簡単に入れ替わってしまうものだと思うぞ。味方に嫌なやつがいるように敵にも良い奴はいる」と(p263)。

「日本人の正体」、「フューリー」2015/11/1 06:25(いずれもサイト内)。ドルマーゲン(p278)、ウクライナへ侵攻(p283)

ドイツ人の働き方

  • 2022/06/25 06:45
  • カテゴリー:読み物

部下に考えさせ、リードをとった行動を促す。いちいち報告を求めない。自主性を重んじるこうした環境は、生産性を上げるにはとても大切な点です。

ドイツの良い職場はこれが徹底している。日独の一番の違いはこの辺りだろうと思うことはしばしばあった。引用は、隅田貫著「ドイツではそんなに働かない」(角川新書、2021年)から(p51)。

現場の自由度は相当高い。その前提として裁量の範囲(job description、assignment)が職務や担当ごとに明確にされている。曖昧さがない。

しかしドイツ人なら皆が皆そう上手くできるとは限らない。身近なチーム、3つ4つを見ても、理想的なマネージメントがある一方で、日本でも珍しいような酷い例もあった。振れ幅が広いのだ。その点、日本では、どんなに良くても理想には及ばないものの、突出して悪いのもない。均されている。似たような職場全体の比較では、総合点は、わが国の方が少し上回っているのでないだろうか、そんな風に思ったものだ。

「仕事を管理するつもりが、人を必要以上に管理することになっている」(p49)と日本の職場での悪弊が指摘されている。仕事は人がする以上、その人をしっかり管理しなければならない。が、「必要」な範囲を超えてはならない、それが肝心。その範囲は、個人ごとに違うのでそれを見極めることも大切。

世界「新」経済戦争(サイト内)

監禁面接

  • 2022/06/23 06:30
  • カテゴリー:読み物

あなた自身の人生をわたしに語るとしたら、なにから始めますか

そう尋ねられて、主人公は打開策を思い付く。ピエール・ルメートル著「監禁面接」橘明美訳(文藝春秋、2018年)から(p296)。

似たような質問を受けたことがある。「あなたの人となりを語って聞かせて下さい」というものだった。これまでに、就職や転職の活動で、何度か面接を受けた。様々なやり取りがあった中で、最も印象に残っている質問だ。それにどう答えたかは覚えていない。ただ、面接の首尾は上々だったのだろう、その会社から採用通知をもらった。

本書の主人公は、失業して4年、職安にも通い鋭意求職中の身。ただし冒頭の質問は、人事採用の担当者からではなく、拘置所で精神鑑定を担当する精神科医からだった。採用試験でとんでもない事件を起こし拘留されているのだ。

仏語原書のタイトルは"Cadres noirs"、Googleで英訳すると"Black frames"と出る。英訳版の方は"Inhuman Resources"と題されている。日本語訳版は「監禁面接」だ、もうちょっと良いタイトルがあったのでなかろうか。

ピエール・ルメートル(サイト内)。イケア(p453)

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