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カテゴリー「読み物」の検索結果は以下のとおりです。

新聞の読み方

  • 2021/01/01 06:57
  • カテゴリー:読み物

年が明けた。今年はどんなことが起こるだろうか。新聞は、それをどのように伝え、どのような意見を聞かせてくれるだろうか。

昨年末、図書館の棚から分類番号 070.4 の本を何冊か借りて来てざっと読んだ。

各新聞の論調を知るにつけ、一紙だけ購読することが、いかに危険かの思いがますます深くなる。日本人の場合、主義主張とは論理の帰結ではなく、結局は性格の問題ではないかと思える。

新聞各紙の論調も、各々の性格に基づく。理屈じゃない。産経新聞論説委員室編著「社説の大研究-新聞はこんなに違う!」(産経新聞、02年)から(p53)。

一紙は保守系、一紙はリベラル系といったように、論調の異なる二紙を読むと良い

池上彰著「新聞の読み方-考える力と情報力が身につく」(祥伝社、19年)から(p36)。「大雑把にいえば、『朝日・毎日・東京』がリベラル・左、『読売・産経』が保守・右、真ん中に『日経』があるといった構図」(p45)。

具体的には、新聞社の主張はどのような形で記事に反映されるのでしょうか。これを見分ける際に注目するポイントは「事実の選択」と「推測表現」です。

松林薫著「新聞の正しい読み方-情報のプロはこう読んでいる!」(NTT出版、16年)から(p60)。新聞は、不偏不党、公平中立の方針を掲げている割には、しばしばニュースで主張する。本来、善悪などの価値判断にまで踏み込んだ記事は、社説や署名記事くらいなはずなのだが。

「送り手」(メディア)側の度量が問われている。新聞よ、弱体化したなんて言われて悔しくないか。週刊誌にスクープを好き放題にとられて悔しくないか。

プチ鹿島著「芸人式新聞の読み方」(幻冬舎、17年)の小見出し「文春砲の炸裂はテレビ・新聞が弱体化した表れ?」の部分から(p228)。権力側は、マスメディアを、排除する、粉砕する、懐柔する、服従させる、もしくは上手く利用する。とにかく骨抜きにしようとする。新聞は、屈していないか、大丈夫か。

検証尖閣問題

  • 2020/12/25 06:19
  • カテゴリー:読み物

背景には、自衛隊は中国軍に勝てるという日本人の思い込みがある。

日本のイージス艦は優秀なんだろうけれど、一度、軍事紛争が起これば、海軍どうしが戦うだけでは済まない。戦闘機がやって来る、ミサイルが飛んで来る。引用は、孫崎享編著「検証尖閣問題」(岩波書店、12年)から(p45)。以前に書いたように、中国の中距離ミサイルは、航行中の船舶を精密に攻撃できる。それに比べれば、自衛隊の基地や在日米軍の滑走路を標的にすることはそう難しことではない。

尖閣問題が話題になった日中外相会談に関して政府やメディア双方が弱腰云々と先月ここに書いた。果たして弱腰と決めつけて良いものなのだろうか。そう考え直した理由は、尖閣問題は棚上げにすると日中政府間で合意した、そんな話があったことを思い出したからだ。六紙の社説(11/26-28)を読み返してみたがいずれもその合意には触れていない。ただ、中国の外相「王氏は事態を複雑化させる行動を双方が避けるように求めた」(毎日、11/26)は、中国が日本に対して棚上げを守るよう要請していると読める。日本政府やメディアはもちろん棚上げの合意を忘れてはいないだろう。それを無視して強気に出たいところだがそこまで破廉恥になれない。それが弱腰に見える原因ではないのか。あらためて日本政府の見解や、web上の様々な情報、そしてこの孫崎享編著「検証尖閣問題」などを読んでみた。

どうも情報が操作されているニオいがする。政府やメディアの言い分に惑わされないように留意したい。ここでは、気掛かりな点をいくつか並べるに留めておこう。1) 本件の大前提として、ポツダム宣言や、カイロ宣言、サンフランシスコ条約はどのように理解されているのか。2) 本件に中立であるはずの米国、バイデン新政権含む、が尖閣諸島も日米安保条約第5条の対象であると時々言う意図は何か。3) もし本件で日中の軍事紛争となった時、日本は、増強著しい中国軍とどう戦うのか。4) 米軍はすぐに参戦して来るのか。この最後の二点を慎重に精査する必要がある。さらに加えると、5) 周恩来首相と鄧小平副首相が提言し、田中角栄首相と園田直外相が同意した棚上げは今もその精神が生きているのか。6) 日本による国有化の宣言(12年)はその合意にどう影響したか。7) 日経の社説(11/27)にあった「真相不明の日本漁船」とはいったい何なのか。そして、8) 日本政府は軍事衝突を避けるためにどのような外交努力を展開しているのか。

尖閣問題、日中外相会談二つのミサイル(いずれもサイト内)。尖閣諸島についての基本見解|外務省。尖閣付近の「正体不明の漁船」とは何か。メディアが中国外相発言を追求しない理由

漂流の島

  • 2020/12/24 06:26
  • カテゴリー:読み物

探検はビジネスではない。探検家とは売れないものを売り歩くセールスマン同然なのだ。いや、利益を追求するわけではないから商売よりも始末が悪い。

ここを読んで、エスキモーに氷を売る話を思い出した、不適切かもしれないけれど。髙橋大輔著「漂流の島ー江戸時代の鳥島漂流民たちを追う」(草思社、16年)から(p267)。

本書のプロローグで「ロビンソン・クルーソーを探して」の続きが知らされる。著者は考古学者らとともに島を学術調査した結果、ロビンソン(のモデルとなったアレクサンダー・セルカーク)の住居跡を発見する。航海道具であるディバイダの針先を掘り出したことが決め手となった。発見に至る13年間の活動は生半なものではなかったろう。その執念を持ってすれば、鳥島でも新たな成果を手繰り寄せることができるに違いない。本書「漂流の島」の後日譚が既にどこかで語られているのかもしれないけれど。

R・クルーソーを探して(サイト内)。石原氏は東京都が尖閣諸島を購入すると発表(p278)、日本には6852の島嶼があり、そのうち有人島は400あまり(p280)。井伏鱒二、織田作之助、新田次郎、吉村昭

神去なあなあ日常

  • 2020/12/22 06:07
  • カテゴリー:読み物

高校を出たら、まあ適当にフリーターで食っていこうと思っていた。

主人公は生まれ育った横浜を離れ、林業の現場で見習いとして働き始める。三浦しをん著「神去なあなあ日常」(徳間書店、09年)から(p9)。

それ読んだよと家人が言う。二人の読書傾向はかなり違う。重なるのは、この著者とあと一人か二人くらい。

旅人の表現術(サイト内)

トンネル

  • 2020/12/21 06:26
  • カテゴリー:読み物

あの手塚治虫にヒントをあたえたほどの作品なら面白い筈と確信して読みはじめたのだが、たしかにこれは面白かった。

そう思う前に返却の期限が来てしまった。引用は、ベルンハルト・ケラーマン著「トンネル」(国書刊行会、20年)の帯から。その一文を含むエッセイが、巻末に採録されている、筒井康隆著「ケッラアマン『トンネル』」(p496)。

タイトルを何となく知っていた本書、県立図書館の新着コーナーにあるのが目に留まった。国書刊行会からの発行ということもあって俄然読んでみる気になったのだが、その割には捗らず週末に返却した。その内あらためて借りて来ることにしよう。独原書1913年刊。

国書刊行会(サイト内検索)

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