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カテゴリー「読み物」の検索結果は以下のとおりです。

北支事変

  • 2019/08/26 06:20
  • カテゴリー:読み物

悪魔は一人では来なかった(略)。二八日早暁には、皇軍の二九軍膺懲戦が開始された。ジャーナリズムは政府の決意を礼讃して怪しまず、民衆は戦争熱に浮かされた。情勢は急転、火は燃え上がって手のつけようもない(略)。悪魔は三人連れであった。

その三人とは誰なのか。明示されていないけれど、引用部分に見るように、軍部(政府)、ジャーナリズム、そして、民衆、三者を指すのだろう。石射猪太郎著「外交官の一生-対中国外交の回想」(太平出版社、72年)の「東亜局長時代-中日事変」から(p245)。二八日とは、1937(昭和12)年7月28日のこと。

# 膺懲(ようちょう、敵や悪者を打ちこらしめること)、悲しみの前には熱狂が(サイト内)

組織の経済学入門

  • 2019/08/25 06:03
  • カテゴリー:読み物

環境が変化し、それに適応するように、既存の資源や資産、そして企業外の資源や資産さえ再構成、再配置する場合、この共特化の経済性原理に従うことが重要だ

ダイナミック・ケイパビリティ論と呼ぶそうだ。提唱者は、カリフォルニア大のティース教授(David J. Teece、1948-)。引用は、菊澤研宗著「組織の経済学入門-新制度派経済学アプローチ」(有斐閣、16年、改訂版)から(p298)。ビジネスの現場ではごく当たり前のことでも、ご大層な名前を付けたがる経営学者は多いし、それを紹介したがるその同業者もまた多い。なお、共特化(Co-Specialization)の意味は、単独では価値は限定的でも、複数が相互に結合することによって大きな価値を生む、そのあたりか。本書では、その首尾はともかく、ユニクロとビックカメラや、任天堂とDeNA、鉄道とコンビニなどの組合せ事例が記されている。

52歳からのお金のリアル

  • 2019/08/24 20:06
  • カテゴリー:読み物

長生きをリスクにしないために、必要な定年後設計。

泉正人著「52歳からのお金のリアル」(プレジデント社、18年)から(p199)。ここで言うリスクは、予測できないネガティブな事態を指すのだろう。一般的にそのような意味で使われることが多い一方で、随分前に読んだ本、バーンスタイン著「リスク」だったかもしれない、はこんな風に書いていた、リスクは、生じる結果の振れ幅が大きいことを言う、そもそも原義は、大損を覚悟して大儲けを狙うことなのだから、と。そのことを踏まえると、引用部分は、極端に大富豪かド貧民ではなく、振れ幅を小さく抑えて、悪くて普通、良くてその+αぐらいにしておけば、という提案のようにも見える。

# 「様々な選択肢の中から計画を」(p199)、リスク〈上〉-神々への反逆(日経ビジネス人文庫)The Storm on the Sea of Galilee - Wikipedia

漂流

  • 2019/08/22 06:10
  • カテゴリー:読み物

思うかもしれんけどね。ちがう、恥ずかしい。本当、自分のミスだもん。自分がミスをおこしている。座礁しても自分のミス、火事をおこしても自分のミス。だからあんなのはあんまり聞かんほうが。本人がまた怒るから

漁師が遭難して37日間の漂流後に生還を果たす。英雄的壮挙だ、と称賛する著者に対して、漁師の友人がそんな風に答える。角幡唯介著「漂流」(新潮社、16年)から(p383)。ラジオ(NHK第1)で紹介されていたこの本を図書館で借りて来て読んだ。開けてみて沖縄の話と知りびっくりした。

その遭難や周辺事情について、漁師仲間や関係者、多くの方々が証言している。おれの知り合い、元船長 S さんも出て来るんじゃなかろうかと読み進めた。確か1943年(昭和18年)の生まれ、水産高校卒、大型船の乗組員を経て19トン級マグロ漁船の船長としてグアムでも操業した。ただし、彼は沖縄本島出身。話は、宮古の佐良浜漁師中心に進む。残念ながら、S さんは登場しない。なお、その生還した漁師は、8年後、また海で行方不明になってしまって戻らない。

# 「密貿易、ダイナマイト密漁、沈船爆破」そして行方不明船(p136)。那覇では大型船のあと49トン級が一時流行りそして「十九トンブーム」がやって来た(p218)。日本人漁師は60代が主力、50代では大変な若手、70代で現役船長をつづけているのもめずらしくない(p282)。

激しすぎる夢

  • 2019/08/15 05:47
  • カテゴリー:読み物

一般ウケする植村、玄人ウケする小西

長尾三郎著「激しすぎる夢」(山と渓谷社、01年)から(p12)。副題は、「鉄の男」と呼ばれた登山家・小西政継の生涯。小西政継(1938-1996)と植村直己(1941-1984)、二人が69年にエベレスト南西壁を試登する場面も描かれている。

おれが、「グランドジョラス北壁」など小西氏の著作を貪るように読んだのは、就職して何年か経ち、北アルプスへ行くようになってからのこと。そして、96年、まだ使い始めて間もないインターネットで、氏がマナスルで行方不明になったとの報に接した。遭難時57歳。この夏おれはその歳となり、市立、県立、両図書館のサイトで氏の名を検索してみた。何冊かヒットする内、読んだことがなかった「激しすぎる夢」を今回借りて来た。

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