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カテゴリー「読み物」の検索結果は以下のとおりです。

花だより

  • 2020/01/22 06:27
  • カテゴリー:読み物

姑上さま、姑上さま、と乙緒は心の中で繰り返し、里津を呼んでいた。

この一文を知るためにこの長いシリーズを読んで来た、そんな気さえする。澪には源斉がいる。一方の小松原(小野寺数馬)はどうか。彼が澪を諦めてその代わりに娶ったのは、乙緒という、大目付の娘、現代で言うバツ一。「涼風-その名は岡太夫」という短編は、小野寺夫妻の後日譚だ。引用は、高田郁著「花だより-みをつくし料理帖特別巻」(角川春樹事務所、18年)から(p148)。テレビで「みをつくし料理帖スペシャル」を見た後、図書館のOPACでこの特別巻があることに気付いた。これで本当の終わりのようだ。

桜の宴(サイト内)

お鳥見女房

  • 2020/01/16 07:18
  • カテゴリー:読み物

一本の木には、きらめく枝葉もあれば影に沈む枝葉もある。まんべんなく陽射しを浴びるわけではない。お役目というのもこの木のようだ。建前とは異なる影の部分がある。

諸田玲子著「お鳥見女房」(新潮社、01年)から(p96)。web の記事を見てこのシリーズを知った。順番に読もうと、まず発端の一巻を借りた。

# 己の心を偽ると後々まで悔やむことになる(p206)。「別れの季節」20年続いた感無量の最終巻(19/12/19 日本経済新聞電子版)

ケメックスの取手

  • 2020/01/14 21:44
  • カテゴリー:読み物

これを『ジョンとメリー』というダスティン・ホフマンとミア・ファーロー主演の映画で初めて知った。

それ以来「憧れ」だったケメックス製コーヒーメーカーを、著者は、ようやく手に入れる。ただし、木製の取手部分が気に入らない。それを取り外して、採寸の上、手持ちの桜材で作り替えてしまう。三谷龍二著「木の匙」(新潮社、05年)から(p37-39)。写真は随分離れたページに出ている(p17)。

確か、大学の1年のときだったと思う。大学の構内にあった古書店でその映画の原作を買って読んだ。文庫本だった。そのしばらく後に、名画座のようなところで上映されているのを観に行った覚えがある。

Six Cup Classic CHEMEX

あの人この人

  • 2020/01/13 07:18
  • カテゴリー:読み物

暑い日で車のゆく道が白く光っていた。白日という言葉がしきりに去来する。しかし、追悼の句はできなかった。

著者は寺山の弔いへ急ぐ。戸板康二著「あの人この人-昭和人物誌」(文藝春秋、93年)に収載の「寺山修司の国訛」から(p197)。著者の名は知っている。直木賞作家だ。著作を読むのは初めてのように思うけれど、記憶があやふやだ。PCの中を検索してすぐに判った。かつてラジオで朗読を聴いたことがあったのだ。13年7月放送のNHKラジオ文芸館、戸板康二著「グリーン車の子供」、読み手は小野卓司アナウンサー。歌舞伎役者が謎を解くお話。

八月の六日間(サイト内)、戸板康二(1915-1993)- Wikipedia

誰かをさがすために

  • 2020/01/12 19:43
  • カテゴリー:読み物

まだ逢つたこともない人なんですが
その人にもしかしたら
けふ会えるかと尋ねて歩いてゐるのです。

室生犀星の「誰かをさがすために」から。不思議な気分にさせる詩だ。その誰かはずっと心のどこかに住んでいる、その人に巡り逢うことはきっとない。北村薫著「八月の六日間」に犀星の「昨日いらしつて下さい」のことが出ていた。山小屋に置いてあったその詩集を主人公が手にするのだ。おれも読んでみようと最寄り図書館へ出かけて、日本の詩歌15巻「室生犀星」(中央公論社、68年)を借りて来た。詩集「昨日~」全106篇の中から11篇が収録されている。この「誰かを~」もその一つ(p391)。機会があれば抜粋ではなく全篇読もうと思う。

ふるさとは遠きにありて思ふもの、と始まるあの有名な詩は、犀星作だったんだな。今回借りて来た本に出ているのを見てあらためて認識した(p14)。この詩はかつて国語の授業で習った、中学でだったかな。「異土の乞食(かたゐ)となるとても」というフレーズが恐ろしい呪文のようで今でも耳に残っている。教師が我々生徒に問うた、作者がこの詩を詠んだのは、生まれ故郷、それとも東京、さあどっち。確かに、それが判っていないとこの詩の味わいはだいぶ異なる。

八月の六日間(サイト内)

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