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カテゴリー「読み物」の検索結果は以下のとおりです。

戦争まで

  • 2020/06/28 06:34
  • カテゴリー:読み物

自らの利益の最大化を図りつつも、他のものもその道に仮託することで利益が得られるように配慮すること、そのような行為を、普遍的な理念の具体化、という

日本は、先の大戦で、この普遍的理念を掲げることができなかった。理念を掲げる、ビジョンを描く、その手の行為は、我々日本人にとって鬼門なのかもしれない。引用は、加藤陽子著「戦争まで」(朝日出版社、16年)から(p443)。この本、一読の価値ある。

本書の副題は、歴史を決めた交渉と日本の失敗。また、表紙には、かつて日本は、世界から「どちらを選ぶか」と三度、問われた。より良き道を選べなかったのはなぜか。日本近現代史の最前線。とある。

アダム・スミス著「国富論」(1776年)でのアメリカ独立の議論(p87)。リットン報告書(1932年)が示した「世界の道」(p130)。軍事同盟の三要素、仮想敵国、援助義務、そして勢力圏(p216)。判断し、選択するための「時間」は、あまねく公平に与えられている(p301)。米国は真珠湾に第一打が来ることを知っていた、はウソ(p415)。宣戦の最後通告をぎりぎりまで出さないよう陸海軍統帥部が図った(p412)。

北支事変坂の上の雲第5部単なる復興ではないコロナ後(いずれもサイト内)

坂の上の雲第5部

  • 2020/06/25 07:07
  • カテゴリー:読み物

新聞の水準は、その国の民度と国力の反映であろう。

当時世界最強とも言われたロシア軍が日露戦争に負けた。なぜそんなことになったのか、戦後、日本の新聞は、冷静な分析を一行たりとも載せなかった。日本国民は、交戦国における暴政や革命機運を知らされなかったばかりか、さらに、日本軍隊の絶対的優越性という迷信を持つに至る。司馬遼太郎全集第26巻(文藝春秋、73年)「坂の上の雲」第五部(p80)から。それから百年経った現在、日本において、情報を出す側、受け取る側、各々の水準はどんなもんだろうか。

坂の上の雲(サイト内検索)

日曜日はどこへ

  • 2020/06/21 06:59
  • カテゴリー:読み物

あのいつもの部屋へ帰っていくのだ。どこか知らない場所なんて。誰も知らない場所なんて。どうやったって辿りつけるわけがなく、そんな場所はこの世界のどこにもありはしないのだ。

話はそう終わる。川上未映子著「愛の夢とか」(講談社、13年)に収載の「日曜日はどこへ」から(p65)。不思議な気分になる話だ。多感な頃に、つき合っていた彼氏にふられ、その後、辛い思いを引きずって生きている。出口を探すかのように、14年前の約束を果たそうと思い出の場所へ行くのだが・・・。おれも、ずっと昔に誰かと、何か、約束をしたのではなかろうか、と思い出そうとするけれど、何も出て来ない。

人を活かす

  • 2020/06/17 06:14
  • カテゴリー:読み物

皆、憧れの選手がいる。その選手の背番号をつけるということは、少年時代からの純粋な憧れをかき立てる。金などの条件面も大事だが、選手自身のピュアな気持ちを満足させることは効果的である。人はピュアな心の琴線に触れることで動くものだ。

意外なことが、心の琴線に触れる。ある意味、安上がりの方策で、人をその気にさせることができるのなら、それを知っておく(見付ける)に越したことはない。澤宮優著「人を見抜く、人を口説く、人を活かす」(角川書店、13年)から(p161)。副題は、プロ野球スカウトの着眼点。

以前、著者の「戦国廃城紀行」を読んだことがある。他にも何か読んでみようと図書館で探してみると、この本があった。戦国の城、プロ野球、どんなつながりがあるのだろうか。

「空気」の研究

  • 2020/06/14 07:31
  • カテゴリー:読み物

熱いものにさわって、ジュッといって反射的にとびのくまでは、それが熱いといくら説明しても受けつけない。しかし、ジュッといったときの対応は実に巧みで、大けがはしない

中根千枝氏による要約(譬え話)を紹介している。これなら分かりやすい。何の譬えかというと、日本人は「情況を臨在感的に把握し、それによってその情況に逆に支配されることによって動き、これが起る以前にその情況の到来を論理的体系的に論証してもそれでは動かないが、瞬間的に情況に対応できる点では天才的」。山本七平著「空気」の研究(文春文庫、83年)から(p213)。元の単行本は77年刊。

# キング牧師は南部バプテスト(p184)、「空気」の力が開戦の原因(p237)

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