見知らぬ海へ
- 2018/05/29 06:59
- カテゴリー:読み物
敵より見方がこわいという場合は、よくあることだ
隆慶一郎著「見知らぬ海へ」(講談社文庫、94年)から(p170)。読んでしまってから知ったのだが、この話は未完だ。キリが良いのでそんなに不満はない。著者の本を手にするのはこれが初めてのこと。別のものを読んでみようと思う。
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敵より見方がこわいという場合は、よくあることだ
隆慶一郎著「見知らぬ海へ」(講談社文庫、94年)から(p170)。読んでしまってから知ったのだが、この話は未完だ。キリが良いのでそんなに不満はない。著者の本を手にするのはこれが初めてのこと。別のものを読んでみようと思う。
帰省した際に、新聞の書評欄を読んだ。5/20(日)付けの神戸新聞。図書館にあれば読んでみようとメモしたのは四冊。最寄り図書館が所蔵しているのは、、今のところ、一番上の佐藤著のみ。
加工貿易に関連して、その1
近代沖縄の織物産業では、織るための原材料を遠く離れた地域から調達した事例がある。生糸を岐阜などから、苧麻を今帰仁や台湾などから。という話を先週聞いた(→ 琉球・沖縄の技術史)。これはもしかすると、産業構造が、材料立地から加工貿易へと切り替わる過程を示しているのでは、と思った。
加工貿易について少し調べてみた。最寄り図書館のサイトで、「加工貿易」で簡易検索すると「みつかりません」と出る。貿易に、もう一つ言葉を掛け合わせてみた。加工や、大正、明治、繊維など。検索結果の内から四冊を借りて来た。
戦前の日本の代表的な産業で、特に生糸や綿織物は輸出品の中心でした。
まずはこういう基本を再確認しておこう。当時の日本は、生糸を売って軍艦を買った。引用は、「日本のすがた~表とグラフでみる社会科資料集」(矢野恒太記念会、17年)、繊維工業の説明から(p112)。
加工貿易に関連して、その3
世界の貿易市場は相互の利益のために慈悲深く運営されているものではない。貿易市場は農業が唯一もしくは主要な収入源となっているわけではない裕福な国々によって支配されている一方、中南米やアフリカの貧しい国々は経済的に農産物の輸出に依存しており、中には総輸出金額の過半を占めている事例もある。
E.ミルストーンら著「食料の世界地図 第2版」(丸善、09年)から(p74)。原題、The Atlas of FOOD - Who Eats What, Where and Why, 2nd Edition, 2008
加工貿易に関連して、その4
リカード・モデルでは、各国は労働生産性が相対的に高い財を輸出し、労働生産性が相対的に低い財を輸入する。つまり、各国の生産パターンは比較優位によって決まる。
P.R.クルーグマンら著「クルーグマンの国際経済学~理論と政策 原書第8版」上巻貿易編(ピアソン桐原、10年)から(p66)。原題、International Economics - Theory & Policy, 8th Edition, 2009
リカードの著作「経済学と課税の原理」の初版は1817年。そこで提示されたモデルは、今となっては複雑化した貿易を説明するには万能ではない。その比較優位説が、現在でも有効なことを示す顕著な例をクルーグマンは記している。1995年のデータに基づくドイツと中国の比較(表3-4)。中国の労働生産性は、製造業全体ではドイツの5%ほどに過ぎないが、アパレル産業に限ると20%ほどでそれほど悪くない。このアパレル産業の生産高が、中国はドイツの、なんと、8倍だったのだ。1/8 ではない。
「彼の比較優位は打席にあったのだ」と、100年前の二刀流、ベーブ・ルースのケースをコラムで紹介している(p45)。現代の二刀流、大谷選手も、そのうち、比較優位があるどちらかに一本化するのかもしれない。