エントリー

カテゴリー「読み物」の検索結果は以下のとおりです。

男と女

  • 2024/09/02 05:52
  • カテゴリー:読み物

男女の秘事の奥の奥まで描く一冊。男の奔放、女の貞淑が信じられていた時代を懐かしむ

カバーの裏表紙側にそんな紹介文が掲載されている。いったい、いつの「時代」だ。吉行淳之介エッセイ・コレクション(2)「男と女」荻原魚雷編(ちくま文庫、2004年)。

吉行淳之介(1924-1994)の著作は、「砂の上の植物群」など何冊か読んだ。主に高校生の頃のこと。小説はどれもこれもさっぱりピンと来ない。ただしエッセイには面白いのがある。そんな風に思ったものだ。が、今回、図書館で目に留まったこのエッセイ集を読んではみたものの、かつて思った面白さに再会することはなかった。

「フェミニストの上野千鶴子」は、ミソジニー(女性嫌悪、女性蔑視)傾向の強い作家として吉行らを挙げ云々とWikipediaにある。吉行は、女好きとミソジニー、両面を持つ?!

作家が記した東京五輪(サイト内)。吉行淳之介|Wikipedia、水上勉「好色」、色道の一流三流

息子と狩猟に

  • 2024/08/31 05:58
  • カテゴリー:読み物

必然を積み重ね、偶然を待つ。無理を通そうとするとうまく行かない。つねに用意はして決定はしない。

服部文祥著「息子と狩猟に」(新潮社、2017年)から(p14)。

まったく関係のない二つの話が並行して進む。一方は、息子を連れて狩猟に出かけようと準備をする。もう一方は、詐欺グループ内の諍いに決着をつけようとしている。

二人の男は生まれも育ちも異なるのだけれど、「秘密は自分の口からバレる。しゃべらなければ絶対にわからない」(p41)、「秘密は自分の口から漏れんだよ」(p45)と、似たようなことを言ったりする。二人は吸い寄せられるように一つの山を目指す。そして、そこで事が起こる。

表題作のほかに、カラコルムの高峰での出来事を描いた短編「K2」が併載されている。これを読んでいるちょうどその頃、著名な登山家二人がK2で遭難したという記事を読んだ。

百年前の山を旅する(サイト内)。世界第2の高峰K2で山岳カメラマンの平出和也さんと中島健郎さん滑落、安否は不明(7/28)、K2西壁未踏ルート滑落の登山家2人 所属先が遭難死の見解「追悼」(8/22)

トムは真夜中の庭で

  • 2024/08/29 05:54
  • カテゴリー:読み物

キラキラかがやいている黒い目は、たしかにハティの目だった。身ぶりや、声の調子や、笑うときの表情などがおばあさんのなかにあることに気づきはじめた。

トムは、目の前のおばあさんが庭園で会ったあの小さな女の子だということを知る。思わず乗り出して、あなたはハティだと囁く。二人の再会に心が揺さぶられる。

引用は、フィリパ・ピアス著「トムは真夜中の庭で」(岩波書店、1975年第1刷、2000年新版第1刷)から(p330)。四十数年ぶりの再読。

昔持っていた本は背が緑色だったが新版のこの本は赤っぽい背。表紙の絵や本文中の挿絵はかわっていないように思う。遥かなる時間を越えてスケート靴を受け渡す場面にはどきどきしたし、二人がスケートする後ろ姿を眩しく眺めた。そうそうこの挿絵だ。印象深く覚えている。懐かしい。

別の時間の流れの中で誰かに出逢う。映画「ある日どこかで」(1980年)もそうだ。女性の方がおばあさんになってしまう点も似ている。トムは最後にハティを抱きしめる。が、映画の方ではリチャードにはそれは叶わない。

眠れない時に読む本ある日どこかで(いずれもサイト内)

雪の日やあれも人の子樽拾い

  • 2024/08/16 06:05
  • カテゴリー:読み物

この有名な句は、「磐城平五万石の大名、安藤対馬守信友」の作と、山田風太郎著「笊ノ目万兵衛門外へ」に記されている。が、安藤信友は、磐城平藩ではなく備中松山藩の大名ではないのかと以前ここに書いた。

先日、備中松山城について少し触れた際に、この句について改めて調べてみた。すると安藤信友を作者とするのはそもそも間違っており、正しくは水間沾徳(みずませんとく)の作なのだとか。

風太郎の「笊ノ目万兵衛門外へ」は、あの句の作者が安藤氏であればこそ、最後の締め括りへと物語が収斂していく仕組みになっていたはずだが。

北村薫著「雪月花」(2020年)の中で、なぜ作者が間違って伝えられてきたのか、その謎解きがされているのだとか。その本は未読。近い内に読んでみよう。

北村薫笊ノ目万兵衛門外へなんとなく備中松山城(いずれもサイト内)。謎解き私小説『雪月花』(北村薫)では、『笊ノ目万兵衛門外へ』(山田風太郎)に登場する句「雪の日やあれも人の子樽拾い」の作者が間違って流布されていることをつきとめ~|レファレンス共同データベース

いい空気を一瞬でつくる

  • 2024/08/06 05:52
  • カテゴリー:読み物

「髪切った?」たったこれだけの言葉で、「あなたに関心がありますよ」ということを示しています。

最寄り図書館で借りて来た、秀島史香著「いい空気を一瞬でつくる~誰とでも会話がはずむ42の法則」(朝日新聞出版、2017年)から(p24)。

ある時、ラジオの番組を聴いていると、秀島という人が話し出した。どこかで見たことがある名前だ、そうそう、読みたい本のリストにその名があった。そういう次第で、リストの順番を早めてこの本を図書館で借りたのだった。

NHKラジオ100年プロジェクト「100人インタビュー」大竹まこと/秀島史香(NHKラジオ第一、5/6初回放送)

ユーティリティ

« 2025年04月 »

- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 - - -

検索

エントリー検索フォーム
キーワード

新着エントリー

クリス智子、あの人の本棚
2025/04/26 05:59
らくらじ2
2025/04/25 05:40
30-touchpad.conf、E200HA
2025/04/24 05:54
角幡唯介、あの人の本棚
2025/04/23 05:59
六厩越え
2025/04/22 05:57
あなたが誰かを殺した
2025/04/21 06:04
沖縄離島の有事避難案
2025/04/20 06:00
べらぼう(15)
2025/04/19 06:55
アイロンのある風景
2025/04/18 06:06
ボパール化学工場事故
2025/04/17 06:00

過去ログ

Feed