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千夜千冊虎の巻

  • 2024/09/24 05:48
  • カテゴリー:読み物

二・二六の青年将校が聴いていた歌謡曲や小唄など、知識人にはまったく勘定に入っていないんですね。つまり、政治論はあっても芸能論がなく、身体論はあっても手の伸ばしや足の引きがなく、知識論はあっても目の寄りや耳の伏せがない。こんなことではいくら東京裁判を議論しても昭和のことはわかりませんよ。

日本の近現代思想史というものは、概しておそろしく貧しい、とお怒り。「その時代のメインアートや民衆の芸能やマイナーアートを見ていない」、「日本の歴史的現在に関する歴史感覚が鍛えられていない」。

松岡正剛著「ちょっと本気な千夜千冊虎の巻」(求龍堂、2007年)から(p299)。本書は大部な「松岡正剛千夜千冊」のアウトラインをざっと紹介するとともに、副題に「読書術免許皆伝」とある通り、読書術、読書法についても語っている。例えば、目次読書法の極意という小見出しはp244に見える。

市立図書館のOPACで「千夜千冊」を検索するとこの本もヒット。本編全7巻の前に、虎の巻を読んでおくか、と借りたわけだけれど、もうこれだけで満腹感がある。本編は一から順だと挫折しそうなので、まずはアートを採り上げた第6巻「茶碗とピアノと山水屏風」でも最初に見てみようか。

松岡正剛さん死去(サイト内)

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