エントリー

カテゴリー「読み物」の検索結果は以下のとおりです。

スポーツと経済学

  • 2022/03/21 05:59
  • カテゴリー:読み物

ある企業は自社に所属するスポーツ選手に金銭的および物的支援をすると、スポーツ選手が活躍することで企業の知名度が上がったり、従業員のモラール、帰属意識や一体感が高まったりして、彼・彼女らの生産性が向上し、その結果、企業の売上増加につながることが期待できる。

それを、経済学の用語、例えば、外部性や、公共財、CSRなどを引いて説明している。なるほどそういうことなんだな。勉強になる。引用は、佐々木勝著「経済学者が語るスポーツの力」(有斐閣、2021年)から(p153)。なかなかの良書。最寄り図書館でたまたま目にして借りて来た。

帯にこうある。「スポーツの潜在力を経済学が掘り起こす!」。スポーツは「社会に幅広い効果をもたらす」「多くの人に感動と活力を与え、社会全体の幸福度を高める」と。

いつだったか、新聞の社説に「スポーツはさまざまなことを教えてくれる」とあったのを思い出した。記事に登場する女性アスリートの挿話が印象に残っている。

彼女の名を、別の機会に聞いたことがある。さる私学の経営者と話をした折のこと。たまたま彼女がその大学に籍を置いていた。大学の所属で競技へ出場することを望んだのだが入学前から企業の支援を受けており所属先の変更は容れられなかった云々という話だった。随分苦々しく語っていた。それ以来、学籍のあるアスリートの所属先は、大学にとってデリケートな問題になったようだった。

「さまざまなことを教えてくれる」スポーツではある。一方で、その周辺では、良きにつけ悪しきにつけ、「さまざまな」人たちが色んなことを考えている。特に、アスリートやその活動における宣伝効果が注目される。それもまた経済学の範疇にある。

所属契約の解除(サイト内)

1945年8月8日・長崎

  • 2022/03/19 06:29
  • カテゴリー:読み物

新聞紙に移した干しうどんを選り分けていた。大事に仕舞い過ぎてでた青黴を削ぎ落すために。

いつもとかわらぬ日々の暮らしがある。明日何が起こるかを人々は知らない。引用は、井上光晴著「明日」(集英社、1982年)から(p119)。副題は、一九四五年八月八日・長崎。本書のことは、深谷考著「野呂邦暢、風土のヴィジョン」で知った。

登場する施設名、例えば、浦上第一病院、浦上刑務支所、長崎医大、附属病院、城山国民学校、鎮西学院など、どれも意図して選ばれている。被災地図を見て愕然とした。

ピークとは何か(サイト内)。長崎原爆の物理的被害|長崎大学原研

去就

  • 2022/03/17 06:27
  • カテゴリー:読み物

判断をし、責任を取る。俺たちにできるのは、それだけなんだ

今野敏著「去就」(新潮文庫、2018年)から(p296)。隠蔽捜査シリーズ第6作。平成三十年十二月一日発行、令和三年一月三十日三刷。奥付では、依然、和暦が使われている。

企業の合理化というのは、経営者のための合理化(p43、p144)、ジャーナリズムよりセンセーショナリズム。それが今の日本のマスコミの現状(p212)、考え過ぎと言われる場合は、たいてい、考えが足りないとき(p237)、メタメッセージ(p305)

今野敏リーダーの役割経営者の条件リーダーの条件(いずれもサイト内)

天国でまた会おう

  • 2022/03/15 06:26
  • カテゴリー:読み物

環がひとつ欠けただけで、鎖は用をなさなくなる。

名士と見做されるには様々な条件を整えねばならないという話。しかし、この男、不正で金儲けしようと企てる。それが露見し没落。性根が腐っていたら外面をいくら取り繕っても何にもならない。引用は、ピエール・ルメートル著「天国でまた会おう」平岡敦訳(ハヤカワ・ミステリ文庫、2015年)から(上p170)。災厄の子供たち三部作の第一。次作も借りて来よう。

この「天国でまた会おう」上下巻を読んでいるちょうどその頃に、鎖と環の喩え話を二つほどwebで読んだ。両方ともサプライチェーン(バリューチェーン)に関する話題。

一つは、トヨタへのサイバー攻撃。本丸は対策十分でも、系列会社の「最も弱い輪」が攻められ、鎖が断たれてしまった。結果、部品調達ができず全工場の稼働を停止。記事はトーマス・リードの格言「鎖の丈夫さは、最も弱い輪によって決まる」を引いている。

もう一つは、イケアの持続可能な戦略優位。デザインや、製造、物流、販売、各々を最適化し自社で管理。すべての強みが「優れた鎖構造」を形成し、集客力の維持に繋がっている。

ピエール・ルメートルサイバー対策(いずれもサイト内)。トヨタの「弱い輪」が餌食に サイバー空間依然緊迫(3/4)、弱みが決める組織の成果 秀吉とイケアの「鎖構造」戦略(3/7)

64(ロクヨン)

  • 2022/03/12 06:25
  • カテゴリー:読み物

仕事は裏の裏まで知り尽くし、なのに妻のことは何も気づかないなんて、そんなものが人生と呼べるか

主人公は知っていながらずっと気付かないふりをしていた。引用は、横山秀夫著「64」(文藝春秋、2012年)から(p635)。読むのは初めて。NHKのドラマ(2015年、ピエール瀧主演)を観たからだろうか、何となく読んだような気になっていた。

事件の背景で、キャリアとノンキャリアの確執や、広報とメディアとの攻防が描かれる。その点、今野敏著「隠蔽捜査」に少し似ている。この「64」の方がだいぶ陰湿な感じが出ているようだが。

隠蔽捜査20年前の声(いずれもサイト内)。自分を俯瞰している自分(p234)。D県警シリーズ

ユーティリティ

« 2025年07月 »

- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -

検索

エントリー検索フォーム
キーワード

新着エントリー

過去ログ

Feed