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乃木伝説の思想

  • 2020/07/05 07:10
  • カテゴリー:読み物

人々は、明治国家の終焉とともに、その存在の「みせかけ」の原理と異なる別個のあるものが、実は明治の奥底に生きていたことを一刹那の内に反射的に想起しえたはずである。

旅順攻略の英雄、あの乃木大将が、夫人とともに明治天皇大葬の日に自刃を遂げる。殉死。人びとは、その余りにも封建的な言葉の響きに接し、我々の国は近代国家へ宗旨替えしたんじゃなかったのか、と訝しむ。橋川文三著「幕末明治人物誌」(中公文庫、17年)に収載されている「乃木伝説の思想」から(p154)。初出59年。副題は、明治国家におけるロヤルティの問題。著者の「昭和維新試論」を探したのだけれど蔵書されておらず、代わりにこの文庫本を借りて来た。

本文の「みせかけ」には括弧ではなく傍点が付されている。

# 橋川文三(1922-1983)。吉田松陰、坂本龍馬、西郷隆盛、後藤象二郎、高山樗牛、乃木希典、岡倉天心、徳冨蘆花、内村鑑三、小泉三申、頭山満

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