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トムは真夜中の庭で

  • 2024/08/29 05:54
  • カテゴリー:読み物

キラキラかがやいている黒い目は、たしかにハティの目だった。身ぶりや、声の調子や、笑うときの表情などがおばあさんのなかにあることに気づきはじめた。

トムは、目の前のおばあさんが庭園で会ったあの小さな女の子だということを知る。思わず乗り出して、あなたはハティだと囁く。二人の再会に心が揺さぶられる。

引用は、フィリパ・ピアス著「トムは真夜中の庭で」(岩波書店、1975年第1刷、2000年新版第1刷)から(p330)。四十数年ぶりの再読。

昔持っていた本は背が緑色だったが新版のこの本は赤っぽい背。表紙の絵や本文中の挿絵はかわっていないように思う。遥かなる時間を越えてスケート靴を受け渡す場面にはどきどきしたし、二人がスケートする後ろ姿を眩しく眺めた。そうそうこの挿絵だ。印象深く覚えている。懐かしい。

別の時間の流れの中で誰かに出逢う。映画「ある日どこかで」(1980年)もそうだ。女性の方がおばあさんになってしまう点も似ている。トムは最後にハティを抱きしめる。が、映画の方ではリチャードにはそれは叶わない。

眠れない時に読む本ある日どこかで(いずれもサイト内)

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