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怪しい来客簿

  • 2020/09/21 07:01
  • カテゴリー:読み物

元来、中小企業はおおむね経営者のワンマン体制が敷かれており、社業の発展はすべてボスの功績によるものでなければならない。実力のある社員が居てはかえって困るので、ボスにとって、社員のせいで発展するくらいなら発展などしない方がよいのである。

中小企業とかビジネスとかに限らず、似た話はよくありそうだ。引用は、「色川武大 阿佐田哲也全集」第1巻(福武書店、91年)に収載の「怪しい来客簿」(77年刊)から(p40)。

不思議な短篇集。著者が、主に10代、20代、もしくは30代だった頃の、同時代の人々のことを書いている。濃密な関係の肉親や同僚たちだったり、興行の芸人や相撲取り、名も知れぬ街の人たちだったりする。各々の評伝であり、著者自身の自伝でもある。「夢に出てくる生家」(p60)、「今度、いくらかの取材をした範囲では」(p75)、「奇形の心境とはどういうものか」(p94)、「家系図というものが私の家にもあって」(p143)。

# NHKジャーナルのブックレビュー「怪しい来客簿」岸本佐知子選(NHKラジオ第一、7/21 22時台)

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