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キーワード「加藤陽子」の検索結果は以下のとおりです。

「開戦への道」

  • 2023/09/21 06:03

勢いというものは随分ひどいものであった

軍人は度し難い。統帥大権がある自分でも抑えられない。陸海軍が無謀な戦争へと引っ張って行く。もう後戻りできない。背景には、もはや冷静になれない国民世論があった。

ETV特集「昭和天皇が語る 開戦への道」(前・後)(NHK教育、2022/11/5 0:00)から。語りは広瀬修子アナウンサーだった。

日本の失敗戦争まで(いずれもサイト内)。加藤陽子(東大教授、近現代史)、百武三郎日記、拝謁記

2.26事件 (5)

  • 2021/07/07 06:36
  • カテゴリー:読み物

かれらの最大の挫折の原因は天皇の激怒にある。

松本清張著「昭和史発掘9」2.26事件Ⅴ(文春文庫、2005年、新装版)から(p369)

青年将校らの蹶起はなぜ失敗したのか。上部工作の不手際、宮城占拠の挫折、すべてを束ねるリーダーの不在、そして天皇の激怒。さらには国民の不支持もある。「海外への暴力(日清、日露、シベリア出兵、満州事変など)には馴らされていた国民も、国内の流血手段には神経質であった」(p373)

内心では助命を期待した赤穂浪士との類似性(p205)。神聖な本拠を農村出の兵隊に泥靴で占拠されたエリート幕僚部の屈辱感と憎悪(p226)。九割九分までの黒に一分の白をもって全体を白といいくるめる真崎公判(p307)。破滅戦争に向かう足音(p323)。解説加藤陽子(p385)

2.26事件加藤陽子(サイト内)

近現代史をどう見るか

  • 2021/04/15 07:02
  • カテゴリー:読み物

戦争は、敵とされた相手国の政治の基本的枠組・秩序=「憲法」に対する攻撃という形をとる

これを述べたのは、18世紀の哲学者ルソーだった。遺稿「戦争および戦争状態論」にて。誰が言ったことなのか調べようと思っていた矢先、たまたま手にした本に答えがあった。加藤陽子著「一九三〇年代の戦争は何をめぐる闘争だったのか」、岩波新書編集部編『日本の近現代史をどう見るか』所収(岩波新書, 2010年, p108)。

著者は、19世紀の法学者ローレンツ・フォン・シュタインも、「面白いことに、ルソーとほぼ同じこと」を述べたと指摘している。

幻燈辻馬車(サイト内)。長谷部恭男著『憲法とは何か』(岩波新書、2006年)、長尾龍一編『カール・シュミット著作集1』(慈学社出版, 2007年)所収の「政治的なものの概念」

昭和史裁判

  • 2021/03/08 06:36
  • カテゴリー:読み物

相手をそこに追い込まない形で政治的に、ほんとうのことを言わせるという技術を持つ、政治家や軍人がいて欲しかった。それが明治、大正期にはいた。昭和前期にもいた。けれどもう、このときにはいないのです。

1941(昭和16)年9月5日、近衛文麿首相が天皇へ帝国国策遂行要領の内奏(事前報告)を行う。陪席した、杉山元参謀総長と永野修身軍令部総長、陸海軍の両総長は、「ほんとうのこと」つまり英米戦は無理とは言わない。翌6日、御前会議の場で、その遂行要領が決定され、対英米戦準備を進めることになってしまう。半藤一利、加藤陽子著「昭和史裁判」(文藝春秋、2011年)から(p343)。

# 西園寺公望(1849-1940)、牧野伸顕(1861-1949、内大臣在位1925-35)。帝国国策遂行要領|Wikipedia

せんそうをよむ

  • 2021/01/20 06:51
  • カテゴリー:読み物

最寄り図書館のOPACで「せんそうをよむ」と入力するとタイトル3つがヒットする。目当ての1冊だけでなく、まとめて借りて来た。以下、各々の導入部から少し抜き書きをした。3冊とも戦争の本を多数紹介している。採り上げている本に重なりはないようだ。ちらほら登場する著者はある、その一人が松本清張だ。

戦争を否定することによって欲望する平和は、時にはその戦争を生み出す原因へと変貌を遂げてしまうかもしれない

中川成美著「戦争をよむ」(岩波新書、2017年)の「まえがき」から(p x)。副題「70冊の小説案内」の通り、小説中心のガイド。松本清張著「遠い接近」が紹介されている。

八十年代以降、学術的用語としては「アジア・太平洋戦争」という表記が定着している。政府が公の場で発話する際には、「先の大戦」という極めて曖昧な表現が多い

石川巧ら編「戦争を<読む>」(ひつじ書房、2013年)の「はじめに」から(p iii)。大学の教科書。特攻や、敗戦、疎開など、15のテーマごとにテキストが選定され本文が採録されている。テーマ「引揚げ」は、松本清張著「赤いくじ」がテキスト。

次なる戦争がいかなる形態をとり、いかなる論理を装い、まったく思いもつかなかった筋道で起こってくるのか

加藤陽子著「戦争を読む」(勁草書房、2007年)の「はしがき」から(p ii)。1930年代の日本政治史を専門とする著者が紙誌に書いた書評を集めた一冊。専門書が多い。松本清張の著作、「昭和史発掘」などに触れている。

加藤陽子(サイト内検索)

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