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文明の生態史観

  • 2021/07/28 06:31
  • カテゴリー:読み物

日本はかならずしも西欧化を目ざしていたのではない。いまでもそうではない。日本には日本の課題があった。ただ、西ヨーロッパ諸国と日本とは、いろんな点でたいへん条件が似ていたために、平行的な道をあゆんでしまったとみるのである。その途中で、どちらに由来する要素がよりおおいかという系譜論は、じつはあまりたいした問題ではないようにおもう。

梅棹忠夫著「文明の生態史観」(中公文庫、1974年)、表題作から(p90)。論文の初出は1957年、単行本は1967年刊。著者独特の、ひらがなが多い文章。

旧世界の両端、西ヨーロッパと日本は、「いちじるしい共通点をもっている」。封建体制があった。革命によってブルジョアが支配権を握る。帝国主義をやった。資本主義国である。二次大戦後はいっせいに落ち目。それが基になった学説に欧米の人たちがどう反応したか。少なくとも、極東の島国とは一緒くたにされたくないと、当時、強く思ったに違いない。今でもそうだろうと思う。

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