社説が見た石破首相所感
- 2025/10/19 07:16
- カテゴリー:時の話題
石破茂首相による「戦後80年に寄せて」と題する所感(10/10)、これを在京六紙の社説はどう評価しただろうか。
表明する意義ある・ない、内容は良い・まずい、時期が悪い、など、賛否様々な意見が出ている。ざっと見てみよう。
「一人ひとりに戦争の自省促す首相所感」(日経、10/12)。「通説に沿った内容で、過ちを繰り返さない決意を政治リーダーが内外に発する意義はある」「繰り返したのは歴史に学ぶ重要性」「国民一人ひとりがあらためて戦争と平和を考える機会にしたい」
「戦後80年の首相所感 歴史から学ぶ政治の責任」(毎日、10/12)。「過去を顧みて不戦を誓う意義は大きい」。政治家に対し「無責任なポピュリズムに屈せず、大勢に流されない矜持と責任感を持つよう呼びかけた」
「首相80年所感 言いっ放しで済ますな」(朝日、10/13)。「閣議決定した政府の正式見解ではなく、退任間際の表明であっても、首相として発したメッセージは重い」「現実の政治や社会にどう生かすか。首相は任を退いた後も大きな責任を負う」
「石破氏の所感 戦後80年には不十分だ」(東京、10/11)。「村山、小泉談話で表明されながら、安倍談話で曖昧にされた部分を埋める談話を閣議決定に基づいて出すべきではなかったか。率直に言って期待外れ」。
「戦後80年の所感 メッセージの発出に見識疑う」(読売、10/12)。「既に多くの研究者や専門家らによって分析し尽くされた話ばかり」「政局が混迷する最中に、しかも退陣間近の石破首相がわざわざ発出する必要があったのか、見識を疑いたくなる」
「戦後80年所感 平板なリポートのようだ」(産経、10/11)。「優れた見方や新しい論点に乏しい」「歴史や政治に関心を持つ人なら聞いたことのある話で、首相所感として大仰に公表した意義がよく分からない」
私自身は、一読、この所感を表明した石破首相の政治姿勢は立派だと思った。「見識を疑いたくなる」「平板なリポートのようだ」などと新聞が書くのは、たいへん残念なことだ。
さて、この一週間、六紙社説は、そのほかに、大阪万博閉幕、自維連立協議、米政権報道機関へ圧力、村山元首相死去、などを話題にした。
# 六紙社説、石破首相所感、戦後80年(いずれもサイト内)