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あなたが誰かを殺した

  • 2025/04/21 06:04
  • カテゴリー:読み物

薬剤師はAIには到底かなわない。何しろ向こうは膨大なデータを持っているからね。だからといって人間の薬剤師が不要になることは永遠にありません。AIにはお節介という機能がないから

東野圭吾著「あなたが誰かを殺した」(講談社、2023年)から(p35)。昨年8月に図書館に予約を入れた段階で83人待ち。ようやく順番が回って来た。

高級別荘地で連続殺人事件が発生。と来れば、たまたま、そこに、名探偵など謎解き役が居合わせた、となりがち。その手の推理小説は少なくない。が、著者の場合、そんな安易な設定は採らない。それにこれは加賀恭一郎シリーズ。一風変わってるが説得力のある理由で加賀を登場させる。

その仲介に、金森登紀子が出て来る。映画「祈りの幕が下りる時」(2018年)で、その役に扮した田中麗奈の顔が思い浮かんだ。

加賀恭一郎シリーズ(サイト内)。第3作「どちらかが彼女を殺した」、第5作「私が彼を殺した」

沖縄離島の有事避難案

政府は、台湾有事を念頭に、地理的に近い先島諸島の住民を、九州、山口の8県に避難させる計画を発表した。観光客を含め12万人を6日間で避難させる。

在京六紙の社説の中でどう意見されているか見てみた。

まず、日経(4/6)、「妥当な内容だ」。そして、読売(4/14)、「初めて避難計画をまとめたことは評価したい」。その上で、細部や課題を詰めよ、と両紙は書く。

もう一紙、毎日(4/15)。住民を運ぶ船などが計画通り運航されるか「見通せない」。運転士など「十分な要員を確保できない恐れもある」。宿泊施設は「どの程度確保できるかは不透明」、安い宿代では「協力を得られない可能性がある」と、散々、難癖を付ける。そして言う、課題を洗い出し、「実効性を高め」よ、と。

対照的だ。例えば、部下への指導について考えてみた。子供への教育でもいい。その場の結論は、あともう少し頑張れ、と元気付けることにある。その前提として、その人の、これまでのアプローチや努力について、ポジティブに評価してあげるのと、全くなっていないとネガティブに見るのとでは、どっちがいいだろうか、と。

さて、4/14週の六紙社説は、前週に続いてトランプ関税で賑わった。赤沢亮正経済再生担当相が訪米し日米関税交渉スタート。私淑するPaul Krugman氏が、今回の高関税を「悪意のある愚行」と非難していたりもする。さて、今後どんなことになって行くだろうか。

六紙社説(サイト内)。"Will Malignant Stupidity Kill the World Economy? Trump's tariffs are a disaster. His policy process is worse." Paul Krugman(4/3)

べらぼう(15)

売れる売れないはどうでもいいのよ。こんなもんは遊びなんだから、楽しけりゃそれでね。で、誰とやるのが一番楽しいか、って言われたら、そりゃ、おまえさんなんだよ。

戯作者、道蛇楼麻阿(尾美としのり)が言う。彼にはちょっと下心がある。のだが、このセリフを聞いて、誰をバスに乗せるか、の話を思い返した。何かを始めようとする際、仲間選びこそ重要で、何をするかなんてことは後回しで良い、という事業開発の秘訣。

引用は、NHKの大河ドラマ「べらぼう」第15回「死を呼ぶ手袋」から。

この回、始まってすぐに(55秒あたり)、蔦重(横浜流星)が新たに構えた店に並ぶ本が何冊か映った。題簽が、はっきり読めたのは「娼妃地理記」。著者は道蛇楼麻阿。

この本は、鈴木俊幸教授(中央大学文学部)によると、日本国ならぬ月本国の地理書(のパロディ)。女郎屋を郡に、遊女を名所に、各々見立てた、遊女評判記なのだとか。そういえば、前回だったか前々回だったか、蔦重と麻阿がそんな本のアイデアを出し合う様子が描かれていた。それが具体化された。

著者の道蛇楼麻阿、どうだろう、まあ。人を喰ったようなネーミングだ。この人、色々な名前を持っている。その一つ、朋誠堂喜三二は、干せど気散じ、つまり、懐はさびしいが遊び暮らす、というような意味らしい。狂歌を詠む際には、手柄岡持や、浅黄裏成の号を用いたのだとか。実は、どこかの藩の江戸留守居役、平沢というお侍。

言葉遊びがなかなか気が利いている。「娼妃地理記」も「笙、篳篥」の駄洒落になっていると鈴木教授が話していた。

「娼妃地理記」が出版されたのは安永6年。西暦では1777年。モーツアルトが名作をどんどん書き始める頃。ディベルティメント第15番(K287)はその年の作曲と言われる。

べらぼうフレームワーク十選(いずれもサイト内)。大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺」(15)死を呼ぶ手袋(NHK総合、4/13 20時)、日曜カルチャー「蔦屋重三郎のまなざし」第2回(NHKラジオ第2、4/13 20時)【出演】中央大学教授…鈴木俊幸、「旭縁起那須野俤」、平沢常富(朋誠堂喜三二、道蛇楼麻阿、1735-1813)

アイロンのある風景

でもな、死に方から逆算する生き方ってのんもある。

画家の三宅(堤真一)が言う。引用は、NHK土曜ドラマ「地震のあとで」第2話「アイロンのある風景」から。

三宅は、今、茨城県の海岸にいる。日時は、2011年3月11日未明。16年前に神戸で被災した彼は、再び、大震災に遭うことになる。

原作者もしくは番組制作側は、何を伝えようとしているのだろうか。

UFOが釧路に降りる(サイト内)。【土曜ドラマ】「地震のあとで」第2話(NHK総合、4/12 22時)【原作】村上春樹,【脚本】大江崇允,【出演】堤真一,鳴海唯,黒崎煌代

ボパール化学工場事故

インド中部で世界の化学産業史上最悪ともされる有毒ガス流出事故が発生してから40年がたった。

もっと昔の出来事と思っていた。まだ40年しか経たないんだな。nikkei.comにきのう掲載された記事(4/16)から。

事故のことは化学業界ではよく知られている。米ユニオンカーバイド社(UCC)のボパール工場で発生。猛毒のメチルイソシアネート(MIC)が漏出し多くの死者を出した。

あらためて調べてみた。事故は、1984年12月に起きた。そのMICは、カーバメイト系殺虫剤Sevin(一般名carbaryl)の原料。約40トンが流出した。犠牲者数は諸説あるが、2万人以上が亡くなったようだ。今でも数十万人の方が後遺症に苦しんでいる。

「世界最悪の産業災害」と呼ばれたりする。時に、Hiroshima(原爆)や、Chernobyl'(原発事故)と並べて語られることもある。その比較が適切かどうかということはあるだろうけれどそれ程までにひどい事故だった。

が、インド、ボパールでのこの重大事故は一般に「あまり知られていない」。

なぜだろう。

インド「最悪ガス事故」40年 廃棄物処理に潜む悲劇の連鎖(4/16)、世界最悪「有毒ガス事故」から日本が学ぶべき倫理-アメリカ企業がインドで起こした悲劇の根本インド毒性ガス漏洩化学工場事故Bhopal disasterボパール化学工場事故|Wikipedia、「エリン・ブロコビッチ」(2000年)、「レインメーカー」(1997年)

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