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2021年09月の記事は以下のとおりです。

雑貨の終わり

  • 2021/09/10 06:25
  • カテゴリー:読み物

いつも思うのだが、せまい自室にひろがる雑多な物のなかに無印良品の簡素な品をぽんとおいた瞬間の、えもいわれぬもの悲しさはなんであろうか。それは私たちが追いもとめるライフスタイルという言葉のもつ、ある種の空虚さと似ている。

三品輝起著「雑貨の終わり」(新潮社、2020年)に所収の「印の無い印」から(p63)。図書館で借りて来てから随分と時間が経った。なぜこの本を借りたのかよく覚えていない。たくさん借りておいた本も、だいたい読んでしまって終わりが近付いている。図書館のお休みは続く。

テーブルのデザインを検討し図面を起こす際に、無印良品のパンフレットをさんざ眺めたことがあった。出来上がりは、似ても似つかないデザインになったけれど。

10の木工作品第13作は兼用卓(いずれもサイト内)

NHK受信料、21年

NHK放送受信料のお支払い(継続払い・1回分の支払い)は2022年3月31日をもって終了いたします。

去年同様、「Yahoo!公金支払い」を使った。その際、このサービス経由での支払いができなくなることを知った。今回の年払いが最後だ。いつの間にか貯まっていたYahoo!ポイントを支払いに充て、得した気分になれて良かったのだが。

沖縄の受信料は安い(サイト内)。公金支払い|Yahoo!

間宮林蔵・探検家一代

  • 2021/09/08 06:30
  • カテゴリー:読み物

ユーリ先生は卑屈にへつらい、暗がりで業者に金を手渡した。怪しい取引のようだ。わたしは何とも惨めな気分を味わった。ガソリンを買うのにこれだけの苦労をし、平身低頭しなければならないとは。持てる者と持たざる者。ガソリンを握っている者は強い。持たざる者は手に入れることに丸一日を費やし、頭を下げ続け、空しく路頭に迷わねばならない。

高橋大輔著「間宮林蔵・探検家一代-海峡発見と北方民族」(中公新書ラクレ、2008年)から(p166)。間宮林蔵の足跡をたどる探検物語。ハイライトは第三章「失われたデレンを求めて」。清(満州)との交易(朝貢)の地、デレン、そこは現在のノヴォイリノフカ辺りだとか。アムール川(黒竜江)沿いの地。

例えば、現在の日本でガソリン買うのに、持たざる者の惨めさを味わうことはない。それは、商社マンや政府の役人が代わりに頑張って確保してくれている御蔭だ、そんなことをあらためて思った。

最後の第六章「血族」で、林蔵が遺した別の血筋が紹介される。それもあって全体の構成が、足立巻一「虹滅記」に似ていると感じた。

# 高橋大輔(サイト内)

ベートーベン作品36

  • 2021/09/07 06:29
  • カテゴリー:音楽

作品36は、交響曲第2番ニ長調。これを弟子のリースが編曲した小編成版で聴いた。なかなか良い演奏だ。

Symphony #2, D dur, Op.36
Arrangement by Ferdinand Ries (1807)
for 2Vn, 2Va, Vc, CB, Fl, 2Hr
Compagnia di Punto
Recorded 2019

弟子が練習で編曲したのだろうか。それともこういう中途半端な編成の需要があったのだろうか。当時、9人集められたのなら、さらに何人か加えてフル編成にできたろうに。

なお、この曲にはベートーベン自身の編曲によるピアノ三重奏版がある。作曲家が自作を披露して回る、いわば営業活動に使ったのだろうか。現在では演奏機会はごく稀だろう。手元に、Robert Levin (Pf)、Peter Hanson (Vn)、David Watkin (Vc)による、1997年の録音があるけれどあまり聴かない。

七重奏曲(Op.20)も同じく自身の手で三重奏(Op.38)にしている。かつて、これら三重奏版を、ピアノ、クラ、ファゴットで演奏してみようと考えたことがあった。聴くより演る方がよほど楽しいだろうと思う。

ベートーベン(サイト内)。Op.38, Beaux Arts Trio (1983)

いやな感じ

  • 2021/09/06 06:31
  • カテゴリー:読み物

「あたしもこんなあたしから、そろそろ逃げ出そうと思っている。でも、どんなあたしへ逃げ出すことやら……」

印象的な言葉を残したアビル(百成清一郎)に、主人公は、数年後、思いがけないところで出くわす。根室そして上海、辺境の地で色んな人と遭遇する。高見順著「いやな感じ」(共和国、2019年)から(p200)。単行本1963年初版。川端康成は「異常な傑作」と評したらしいのだが。

主人公はテロリストの加柴四郎、モデルがあるのだろうか。斎田慷堂は、北一輝だろう。砂馬慷一は、戦後政財界の黒幕となるあの人物か。北槻中尉は、青年将校の栗原安秀か磯部浅一。脇は判りやすい、尾垣(宇垣)、長田(永田)、小川(大川)など。

ビンピ(電報、p198)、阿拉勿関(知らん顔、p292)

本書のタイトルから、矢名完次(やなかんじ)のことを思い出した。学研の「学習」に登場した悪役キャラクター。小学何年の「学習」だったろうか。国会図書館に行くことでもあれば探してみよう。

2.26事件(サイト内)。いやな感じ|青空文庫。荒川洋治・評 『いやな感じ』=高見順・著|毎日新聞。「荒馬宗介」キャラクター名鑑

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