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2022年06月の記事は以下のとおりです。

銃乱射事件と世界平和

米テキサス州ユバルディの小学校で、5/24昼ごろ(日本時間25日未明)18歳の男が銃を乱射し児童19人含む合わせて21人が死亡した。

六紙の内、4紙(朝毎東産)がこれを社説で採り上げた。

3紙は、銃規制を訴えている。「銃規制強化をためらうな」(産5/30)、「なぜ規制に踏み出さぬ」(東5/30)、「規制なしには悲劇が繰り返される」(毎5/29)。ゼロにせよとまでは言わない。米国の憲法が、自衛のための銃の所持を認めているからだろう。

注目すべきは残る朝日新聞の1本。同紙は、前回(2021/6/4)「米国では高速連射が可能な殺傷力の高い銃が比較的容易に入手できる。即売会やネット取引では、身元確認がない抜け穴もある。これらを封じる法律の成立に向けて、議会は本腰を入れるべき」と、銃規制を唱えたけれど今回の社説は違う。

乱射事件の背景には、社会における「憎悪」や「非寛容」がある。「意見や立場の違いを超えて共存をめざすどころか、対立をあおることで支持を固める手段と堕した今の政治のありようこそ、改める必要がある」(朝5/27)と主張する。

これは世界情勢への批判も兼ねているようだ。なぜ侵略政争など起こるのだ。武器を供与して「対立をあおる」、同盟を結んで「支持を固める」、そんな「堕した」姿勢に起因するのではないかと。実際、最後の段落で、「米国は民主体制の利を世界に説くのであれば、足元の民主主義も見つめ直すべき」と、世界と足元を対比させている。

こういう指摘がある。規制反対派の「ロビー団体である全米ライフル協会の反対も壁になっている。政界に及ぼす影響力は強」い(東5/30)。そう。かの国の政治は、死の商人に牛耳られている。その束縛から自由になる時、銃乱射事件はなくなり、世界にも平和が訪れるかもしれない。

さて、5/30週の六紙社説では、そのほかに、衆院議長セクハラ疑惑、ウイグル族弾圧内部文書、中国の南太平洋軍事拠点、新しい資本主義、マイナ保険証、泊原発運転差し止め、島根原発再稼働、出生数81万人などが題材になった。

六紙社説(サイト内)。銃乱射事件多発を受けて米市民は銃購入ラッシュ

酒を飲むふりをする

仏像を彫っている運慶を訪ねる。夏目漱石著「夢十夜」のようなシーンが、先日の「鎌倉殿の13人」にあった。「夢十夜」で刻むのは仁王、こちらは阿弥陀如来だった。堂の中のこととて、仏様を前に酒盛りが始まる。

皆が良い気分になる中、運慶一人が酔わない。「おれは酒には口を付けていない。御仏の前だ」と明かす。一献どうかと誘われて、仏様の前でやろうやろうと言った運慶だったが、蓋を開けてみると、酒を飲んだのは訪ねて来た人たちだけだった。

そんな話があった。名作「シルバー・シート」だ。「男たちの旅路」第3部の第1話(初回放送1977年11月)。陽平(水谷豊)と悦子(桃井かおり)が、訪ねて行った養老院で、4人の老人(笠智衆、殿山泰司、藤原釜足、加藤嘉)に歓待され酒を振る舞われる。歌を唄うなど大いに盛り上がるのだが、実は、老人たちは酒ではなく水を飲んでいた、という話。

この機会に、ビデオに残しているのをまた観た。陽平らは、養老院へ向かう途中、吉岡司令補(鶴田浩二)を訪ねる。陽平が「都電で9つばかり向こう」と言っているのに気付いた。電停の名は語られない。吉岡宅の最寄りは確か「巣鴨新田」だ、第1部でちらっと映ったことがある。その9つ向こうは「荒川車庫前」。その近くに養老院があるのだろう。話は符合する。老人4人は、その荒川車庫で事件を起こすのだった。

「夢十夜」第六夜鎌倉殿の13人、シルバー・シート 2014/2/16 16:45(いずれもサイト内)。「鎌倉殿の13人」第21回「仏の眼差し」(NHK総合、5/29 20時)、男たちの旅路|Wikipedia、路線図|都電荒川線、『男たちの旅路』で山田太一が描いた普遍的な社会の矛盾と若者、高齢者の価値観

「アメリカの本音」

アメリカの損得勘定が、台湾でもウクライナでも透けて見える

森本毅郎氏が最後そう締め括った、きのうの「朝刊読み比べ」(6/2)では、朝日新聞と日本経済新聞の記事が紹介された。

米国が、新たな高性能兵器(HIMARS)をウクライナへ提供すると報じられた。「ウクライナが交渉の席で強い立場に立てるように、兵器提供を続けていく」との姿勢だが、米国の本音はどうか。「ロシアが弱体化すれば、アメリカは中国へ集中できる」「欧州各国が危機感を強めて防衛力を強化すれば、その分アメリカはお金を使わないで済む」。

オースティン国防長官は、台湾への武器供与を拡大すると表明した。「抑止力を強めるためだ」。併せて、同盟国である日本などの役割増にも期待を示した。日本が防衛力を「高めれば高めるほど、対中国の戦力を他の国へ向けることができる。アメリカにとって、これまた得だ」。

# 朝刊読み比べ▽森本毅郎・スタンバイ!(TBSラジオ、6/2 6時台)。米、問われるバランス 激化避けつつ侵略に対抗 ウクライナに新兵器提供米国防長官、台湾へ武器提供拡大 「統合抑止力を重視」

白旗伝説

  • 2022/06/02 06:23
  • カテゴリー:読み物

平和とは非軍事である、という戦後日本の平和主義的思い込みがあるような気がする。欧米世界にあっては、平和とは軍事力を背景にした平穏状態を意味するにすぎない。

松本健一著「白旗伝説」(講談社学術文庫、1998年)から(p219)。最寄り図書館では郷土コーナーに並んでいる。

本書では、白旗や降伏に関するエピソードが縷々語られる。古来、白旗は、紅白戦で知られるように源氏の旗であり、また弔いの旗であった。

1853年に来航したペリーが、交戦となって降伏したければこれを掲げよと幕府に白旗を送り付けた(p34)。友好的な通商交渉などではなく、かなり露骨な砲艦外交だったのだ。これにより、日本は、白旗に降伏の意味があること初めて知った。

国内で最初に白旗を掲げたのは戊辰戦争での会津藩だった。降伏式で白旗を掲げる、「その知識は西軍参謀の板垣退助が授けたものではないか」(p83)。「板垣は国際法の本拠地であるオランダ式の兵学にくわしく」、後にフランス陸軍にも関心を持った。

日清戦争の際、連合艦隊が、当時における「国際法」学の第一人者、有賀長雄を顧問として連れていたのは、「国際法規を忠実にまもって戦おうとしたためだった」(p129)。有賀は、日露戦争でも国際法の担当として司令部に属した。ロシア軍ステッセル将軍からの降伏文書に対応したのは彼だった(p151)。

日清・日露戦争までは、「文明」たらんと、戦場において白旗の国際ルールを尊重した日本だったが、大東亜戦争ではそれを無視して「野蛮」な戦いを強行した(p140)。当時の戦争指導者がいかに国際法に無頓着であったことか。

「白旗をかかげた沖縄の少女」、本書のカバーにも掲載されているこの写真が撮影されたのは昭和20年6月25日だった(p15)。壕(ガマ)から出る時に白旗を持っていれば米兵に撃たれないと、ある老人が知っていた。それは「日露戦争に従軍したときに得た知識なのではないか」(p161)。

松本健一ペリー(いずれもサイト内)

朝焼けと雷雨

きのう(5/31)早朝の散歩に出る頃、東の空に朝焼けが出ていた。荒天の予兆だ。通勤の時間帯はまだ少し日が差したが、お昼頃から降り始め、案の定、激しい雷雨になった。あとで那覇のアメダスで数字を確認したところ、16時までに150mmを超えていた。今は、発令されていた警報はすべて解除になり、雨も上がっている。散歩に行って来よう。

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