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2021年04月の記事は以下のとおりです。

近現代史をどう見るか

  • 2021/04/15 07:02
  • カテゴリー:読み物

戦争は、敵とされた相手国の政治の基本的枠組・秩序=「憲法」に対する攻撃という形をとる

これを述べたのは、18世紀の哲学者ルソーだった。遺稿「戦争および戦争状態論」にて。誰が言ったことなのか調べようと思っていた矢先、たまたま手にした本に答えがあった。加藤陽子著「一九三〇年代の戦争は何をめぐる闘争だったのか」、岩波新書編集部編『日本の近現代史をどう見るか』所収(岩波新書, 2010年, p108)。

著者は、19世紀の法学者ローレンツ・フォン・シュタインも、「面白いことに、ルソーとほぼ同じこと」を述べたと指摘している。

幻燈辻馬車(サイト内)。長谷部恭男著『憲法とは何か』(岩波新書、2006年)、長尾龍一編『カール・シュミット著作集1』(慈学社出版, 2007年)所収の「政治的なものの概念」

高齢者の接種スタート

率直に言って、早く一般の人に特に高齢者に接種をしなくちゃいけないというムードもあるし、「やりましたよ」というアリバイ的な感じ。高齢者への接種が始まったことは大きなニュースになること自体が、政府の目的化しているようなところがある。

ジャーナリストの青木理氏がそんな話をしていた。一昨日の「伊集院光とらじおとニュースと」(TBS、4/12 9時台)にて。番組では、医療従事者への接種がまだ終わってないことにも触れていた。

昨日(4/13)の社説から数字を拾ってみよう。「医療従事者約470万人への接種が2月に始まったが」「まだ約110万人にとどまっている」(読売)。一方、高齢者は「65歳以上の約3600万人」(毎日)。ちなみに統計局によると日本の人口は現在125百万人。

数字を百万で割って、こんなことを想像してみた。飛行中の旅客機に125人が乗っている。乗員5人、乗客120人。乗客の内訳は、高齢者36人と比較的若い84人。運航に差し障りがあると困るので接種は乗員優先。まず機長は済ませた。が、ワクチン不足で残り4人には行き渡らない。そういう状況下、高齢者への接種も始めよと管制から指示が来ている。次の降機地でどれ程の量が手当てされるのだろうか・・・。[国内感染者数は一年の累計が50万人。百万で割ると0.5人なので、この喩え話だとフライトを一年続けて感染者が一人出るか出ないかということになる]

医療従事者の残り3.6百万人(4.7-1.1=3.6)への接種を先に終えるべき、という意見は当然あるだろう。社説でも、医療従事者と「高齢者への接種が同時進行になることで支障が生じないか」(朝日)と懸念されている。一方で、「重症化リスクが高い高齢者にワクチンが行き渡れば、医療現場の負担軽減につながる」(毎日)との見方もある。

  • ワクチン確保 中長期見据えた戦略を(朝日、4/13)
  • 高齢者の接種スタート 感染対策を緩めず、着実に(毎日、4/13)
  • コロナワクチン 人員確保して高齢者接種急げ(読売、4/13)
  • ワクチン記録に病院の協力も(日経、4/13)

# 総人口1億2548万人、3/1現在概算値、人口推計2021年3月22日公表|総務省統計局

われにやさしき人多かりき

  • 2021/04/13 06:51
  • カテゴリー:読み物

〈僕はねぇ、小説書きたかったんやけど、あれは時間かかるよってな。僕は貧乏やったから時間ないよって、詩ィにした〉やわらかな大阪弁で、その率直さが若者たちの胸に沁みた。貧しいのは当時、みな、そうであった。

足立巻一の言葉を紹介している。引用は、田辺聖子著「われにやさしき人多かりき-わたしの文学人生」(集英社、2011年)から(p12)。著者は、昭和30、31年頃、大阪文学学校に通い足立講師のクラスで小説や詩を学んだ。「詩人の狷介さはなく、優しかった」と書いている。

「詩ィ」。おれも普段そう言う。カナで一字の単語(名詞)の場合、母音が伸びることがよくある。手ェ、歯ァ、木ィ、目ェ、火ィ、戸ォ、酢ゥ、血ィ、根ェ、などなど。関東出身の家人にはだいぶ違和感があるようだ。

足立巻一(サイト内検索)。大阪文学学校|Wikipedia

キャンディーズ十選

  • 2021/04/12 06:43
  • カテゴリー:音楽

10年程前のこと、連絡事項などを部下や同僚へ同報メールする際に「今日のひと言」を書き加えていたことがある。末尾のその一行は、できるだけメール本文の内容と呼応するよう心掛けた。適当な文言を素早く選ぶために、ある程度の数をストックしておいた、そのメモが手元に残っている。

文言のラインナップは雑多。三百ほどあるだろうか。例えば、「目標がその日その日を支配する」「行路難し」など、詩からの引用もあれば、「支払いは遅く回収は早く」「email の件名を工夫しよう」など、業務の心得もあるし、「豚にへそをなぶられる夢を見た」など、わけのわからないものも混じっている。

その中に、キャンディーズのシリーズがある。彼女たちが歌うヒット曲(1973-78年)の歌詞から文言を拝借したものだ。数えてみると、その数は9本。一つ加えて10本にした。今回のシリーズ十選は、ちょっと風変わりなこの10本で。以下、書き抜いたひと言と[曲のタイトル]。メモに登場する順。

  • 今がそのとき、ためらわないで[アン・ドゥ・トロワ]
  • 強い言葉、私は欲しい[あなたに夢中]
  • 大空の果て夢を求めて、今ためす時[つばさ]
  • 今年の夏は、心もはずむ[暑中お見舞い申し上げます]
  • こんな不思議な出来事があっていいものかと思う[夏が来た!]
  • 気まぐれ、それとも本気なの[ハートのエースが出てこない]
  • ひとつ大人になって、忘れませんか[春一番]
  • あなたのそばで、私は変わる[危い土曜日]
  • その気にさせないで[その気にさせないで]
  • まるで青春の想い出そのもの[微笑がえし]

「その気にさせないで」を文言に選んだ折は、メール本文はどんな内容だったのだろうか、今となっては想像もつかない。

十選(サイト内)。キャンディーズ作品集▽歌謡スクランブル(NHK-FM、3/25)

e-エストニア

  • 2021/04/11 07:56
  • カテゴリー:読み物

無料のIDカードリーダーを備え、取引の安全のためにIDカードの使用を顧客に勧めたことにより、国民eIDカードの普及に貢献した。

IT国家エストニアにおいて、主な電子サービスの内、最も最初に導入されたのは、e-バンキングだった。1996年のこと。以来、e-タックス、e-司法、e-ヘルスなど数々の電子サービスが提供されて行く。e-バンキングの発展を牽引したのは、ウヒスパンク(Ühispank、現 SEB)と、ハンサパンク(Hansapank、現 Swedbank)、大手銀二行だった。先を見通して賢明な判断が下せる人たちがいた。

e-Governance Academy編著「e‐エストニア-デジタル・ガバナンスの最前線」三菱UFJリサーチ&コンサルティング監訳(日経BP、2019年)から(p12)。

いったい日本はどうしていたのか。90年代半ばと言えば、バブル崩壊後の大手金融機関破綻で、金融危機の様相を呈していた頃だ。本書の監訳にある銀行名が、その後のサバイバルな銀行再編の歴史を物語っている。社会のデジタル化がまだまだこれからの我が国で、日本の銀行は存在感を示すことができるだろうか、二十数年前のエストニアのように。

次世代ガバメント(サイト内)。www.swedbank.eewww.seb.ee

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