幕が下りた後に
- 2021/04/16 06:40
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ある劇団の公演が跳ねた後、出口に向かっていると、K氏がこちらに近付いて来るのに気付いた。以前に勤めた会社の社長だ。大病を患ったと誰かに聞いていたけれど様子は昔と変わらないし足取りは軽い。なぜ連絡を寄越さないんだと、いきなり詰問調、その声にも張りがある。ちょっと顔を貸せとばかりに近場の喫茶店へ連れて行かれた。
狭苦しいテーブル席に案内されそうになったので、比較的ゆったりしてそうなカウンター席を選んだ。L字の角のところだ。真正面ではなく90度の角度の方が良かったりもする。
健康状態など互いのことを確認するのもそこそこに、かつての仲間たちがどうしているかを語り合った。彼女が走るのをやめたのを知っているのかと最大の関心事をK氏が口にした。ええ聞いています、遅かれ早かれだったようですね。東京大会を最後の花道にと狙っていたのになあ。開かれないかもしれないので、さっさと見限って良い選択をしたんじゃないですか。ここで目が覚めた。見た夢を書くのは久しぶりかもしれない。