ジョルジュ・プルデルマシェが弾く、ベートーベンのソナタ全集を聴いた。いつか機会があればと思っていたその期待を裏切らない充実した演奏。彼の比較的淡白な弾き方は、特に後期の諸作に合うように思う。
Ludwig van Beethoven
Complete Piano Sonatas & Diabelli Variations
Georges Pludermacher (Pf)
Recorded Live in Reims in July and August 1998
ソナタ32曲とディアベリ変奏曲、すべてライブ録音。これを一夏のランス音楽祭で弾き切ったのか、大したもんだ。曲は、番号順ではなく、CD1はFとf、CD2はGとAという具合に調ごとにまとまっている。ハ短調(c)の3曲、5番、8番「悲愴」、そして32番は、CD9に収められている。
シューベルトのソナタも全曲ライブで収録している(2001、02年)。ト長調(D.894)を頂点としてどれもこれも第一級の出来映え。ほかの奏者で聴こうと思わなくなった。この全集にしろベートーベンにしろ、Transart Liveというマイナーレーベルでの収録。
まだいくつか彼の音源が手元にある。モーツアルトのソナタ数曲(1991年)や、エッセールと二人で弾く「牧神の午後への前奏曲」など(1993年)。若きグリマル(1999年)や、最晩年のミルシテイン(1986年)との共演もある。素晴らしい伴奏でソロを引き立てる。
# ベートーベンの調べ、ベートーベンの「英雄」(いずれもサイト内)
Georges Pludermacher(1944-)
Jean-François Heisser(1950-)
David Grimal(1973-)
Nathan Milstein(1904-1992)