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2022年05月の記事は以下のとおりです。

任俠学園

  • 2022/05/26 06:25
  • カテゴリー:読み物

人間は、なかなか日常から抜け出すことができないものです。惰性というものは恐ろしいもので、誰も腐りきった日常を打破しようとはしません

今野敏著「任俠学園」(中公文庫、2012年)から(p337)。

任俠シリーズ第2作。このシリーズも面白い。無理のある題材で、だいぶ書き難いと思うのだけれど。

今野敏(サイト内)。任侠シリーズ特設ページ|中央公論新社

読書の効用

  • 2022/05/25 06:32
  • カテゴリー:読み物

きのう(5/24)ここで採り上げたスティーヴ・ハミルトン著「解錠師」では、「まちがった相手に対して」云々を抜き書きした。その箇所を目にして、はっと思うことがあった。

自分の会社人生の中で、あるパターンが繰り返されていたことに気付いたのだった。数えてみると、20年ほどの間に5回は起きていた。これまでにも、何となくぼんやりとイメージしていたかもしれない。それが言語化され、しっかりと意識に上って来た。

自分が過去に経験したことや見聞きしたことに関してパターンを認識しその原因や意味を理解する、これもまた読書の効用だろう。洞察を得る、と言えば良いだろうか。作家や学者などの書き手は、ぼんやりとしたイメージを言語に置き換える技能を多かれ少なかれ有している。彼らが書く文章そのものずばりや、それから想起されるヒントが、洞察を得るきっかけとなる。

本を読んでいて、洞察を得るほどではなくても、何かに気付くことはある。それは、知識や情報を得ようとして手にする小難しい書物やノウハウ本から、とは限らない。ハラハラドキドキする冒険小説や、推理もの、サスペンスなど、単に愉しみのために読む本に教えられることが少なくない。今回の「解錠師」のように。

解錠師(サイト内)

解錠師

  • 2022/05/24 06:29
  • カテゴリー:読み物

まちがった相手に対して自分が有能だといったん証明してしまったら、二度と自由にはなれない

主人公マイクは、どんな金庫でも開くことが出来る才能の持ち主。悪い奴らにいいように使われる。引用は、スティーヴ・ハミルトン著「解錠師」越前敏弥訳(ハヤカワ・ミステリ文庫、2012年)から(p343)。

訳者があとがきにこう記す。「ふたつの時間を行き来しながら描かれる」「終盤になってふたつの時間が近接してきてからのスピード感は格別」。ほんとそう思う。

脇役のハリントン・バンクス、いったい何者なのかマイクは気付いている(p375)。その人物が、5つのポケットベルの内3つまでその番号を知るに至る(p401)。なぜ知ることができたのか、想像を掻き立てられる。

文庫100冊(サイト内)

ピアノ協奏曲ニ短調

  • 2022/05/23 06:26
  • カテゴリー:音楽

モーツアルトのピアノ協奏曲第20番ニ短調を聴いた。N響定期公演、ラジオでの生中継。指揮者の名前を見て大いに期待したのだが今一つだった。第2楽章、テンポが速過ぎる。これだけでも興醒め。第3楽章でソロやラッパが派手にミスる「おまけ」も付いた。

N響第1957回定期公演▽ベストオブクラシック
5/20(金)午後7時30分~午後9時10分、NHK-FM
歌劇「ドン・ジョヴァンニ」(K527)序曲、モーツァルト作曲
ピアノ協奏曲第20番ニ短調(K466)、モーツァルト作曲
交響曲第8番ヘ長調作品93、ベートーベン作曲
ピアノ)アレクサンドル・メルニコフ
指揮)ファビオ・ルイージ
管弦楽)NHK交響楽団
東京芸術劇場から生放送

昔この指揮者が振るオペラを観た。ドイツ駐在の頃、フェルメール巡りをやっていた、オペラ鑑賞を引っ付けて。そのシリーズの一つでドレスデンを訪ねた折に。以下は昔のブログ記事(2004/1/12 Mon 16:43)から。

土曜日(1/10)、シュターツオーパの演目はヴェルディの「仮面舞踏会」。席が最前列だったのでどうかなと思っていたが、シュターツカペレの素晴らしさを堪能することができた。木質で流麗なスタイルは健在。オケ、歌手、やや現代風の演出、どれも想像していた以上の出来だった。指揮 Fabio Luisi。再建されたゼンパーオーパの建物は中も外も立派。

2004/01/10 07:55 DUS-DRS LH2016 ATR-72 D-ANFC *
2004/01/11 17:05 DRS-DUS LH2019 ATR-72 D-ANFK *

モーツアルト十選(サイト内)

沖縄復帰50年と日米安保

沖縄県は国土面積のわずか0.6%を占めるに過ぎない。その島々に在日米軍基地の約7割が集中している。復帰の日の新聞は、この件について何と言っているだろうか。六紙社説の意見を見てみよう。7割集中をどう認識し、どうせよと述べているか。また辺野古での新基地建設についてどう主張しているか。

毎日(5/15)。「7割が集中し続ける状態は、異常だ」。「沖縄だけが過重な基地負担を引き受ける不条理をこれ以上、放置してはならない。日米安保体制の安定性、持続性を考えても、適切な政策判断とは言えない」「グアムなど海外へのローテーション配備をさらに進めたり、本土への移転を検討したりすべき」。国は「民意を無視し」「辺野古沖で工事を強行している」。

朝日(5/15)。「7割が集まる異様な姿」。米軍が「大規模な基地に依存」から「分散配置」へ戦略の転換を進めている今、県の有識者会議は「米軍を県外に移転させることは可能とする報告書をまとめた」、それを果たす「責任は本土の側にある」。国は「脱法的な手法も駆使して異議申し立てを抑え込む。辺野古の海の埋め立てを」進めている。

東京の社説は、二日にわたって復帰50年を採り上げた。県民が望む「基地のない平和の島はかなわず」、今も「約70%が残ります」。「多くの米軍基地が残り」「沖縄は本当に復帰したと言えるのか」(5/15)。「辺野古での米軍新基地建設」は「当事者である沖縄抜きで決められてきました」(5/16)。

日経(5/15)。「7割が沖縄に偏在」。「安全保障上、米軍基地の存在はある程度理解してほしい。これが私たちの思いだ」「沖縄では自衛隊も増強されている。本土はもっと基地負担を引き受けたい」。「辺野古移設は進めざるを得ない」。

読売(5/15)。「約7割がなお沖縄にある」。「アジアの安全保障環境が厳しさを増すなか、基地の重要性が改めて認識されている」、「この地域に米軍が存在していることは、日本の安全保障体制の土台である。日米同盟の抑止力を強化し、有事への備えを万全にしておく」。「辺野古への移設を巡り、国と県が不毛な対立」「早期に打開すべき」。

産経は、7割云々への言及はない(5/15)。「自衛隊と米軍は平和を守る抑止力だ。基地負担軽減は、沖縄を含む日本の安全保障確保の努力と両立させなければならない」(沖縄の基地はそのままに本土に米軍の基地を増やし、沖縄の負担を相対的に下げよ、という意味だろうか)。県は、辺野古への「移設を容認すべき」。

こうやってピックアップしてみて気付いた。各紙、米軍基地が日本にあることに、つまり日米安保体制に、疑問を呈しているわけではない。朝日と東京の2紙は、今回は明言していないけれど、日米安保を否定していないことを別の日の社説で確認した。偏重は「7割」どころか100%だ。

在日米軍には、平時駐留を終え、お引き取りいただく。日本は独立国として国の防衛については自分たちで考える。その上で自衛隊(国防軍)を持ち続けるとなれば、沖縄含め各地への配備はどの程度が適切かを検討する。1紙ぐらい、そう唱えてもバチは当たらないと思うけれど、六紙の社説には見当たらない。なぜだろう。所謂、忖度だろうか。それとも、もっと露骨に、政府や同盟国から圧力がかかっているのだろうか。

と考えると、朝日の社説(5/15)にある謎の言葉「いったい、日本とは何なのか」は、沖縄ばかりか日本の国全体が未だ米国の統治下にあって真の独立を果たせていない、それが実態ではないか、と問うているように読める。事情があってストレートには書けない、察してくれよ、と社説は言っているのかもしれない。

さて、5/16週の六紙社説では、そのほかに、北欧2国NATO加盟申請や、企業収益好調、コロナ検証会議、北朝鮮コロナ感染急拡大、熱海土石流の報告書、GDPマイナス、福島原発の処理水放出了承、米韓首脳会談などが題材になった。

六紙社説、なぜ日本に米軍基地が尖閣戦争(いずれもサイト内)。沖縄復帰50年 いったい日本とは何なのか(朝5/15)

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