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キーワード「戦争」の検索結果は以下のとおりです。

黒い同盟

  • 2020/07/13 06:55
  • カテゴリー:読み物

自由や民主主義、人権を重んずる米国が、カショギ記者殺害に見られるような、サウジ国内の人権問題、あるいは2015年3月から開始された非人道的なイエメン空爆について批判することはない。

宮田律著「黒い同盟-米国、サウジアラビア、イスラエル-反イラン枢軸の暗部」(平凡社新書、19年)から(p12)。サウジアラビアは米国製の武器を買ってくれる大切なお客様だ。ちょっとくらい気に食わないことをしても目くじら立てたりしない。ご都合主義で中東での同盟国をころころ変えて来た、米国の歴代大統領の頭にあるのは、いつでも、自国の軍需産業に利益をもたらすかどうかということだ。戦争は景気を刺激するカンフル剤。他国に武器を買ってもらうだけでは飽き足りず、もちろん、自ら戦争に出かけて行くこともある。

# 米国、イギリスの武器輸出先(表、p45)、第4章「9・11をめぐる奇妙な関係」ビンラディン一族と親しかったブッシュ・ファミリー(p155)、ボーイング、ロッキード・マーティン、ジェネラル・ダイナミクス、レイセオン(p212)。地上イージス計画停止(サイト内)。陸上イージスの運用費5000億円超、レーダーはロッキード製(18/7/30)

戦争まで

  • 2020/06/28 06:34
  • カテゴリー:読み物

自らの利益の最大化を図りつつも、他のものもその道に仮託することで利益が得られるように配慮すること、そのような行為を、普遍的な理念の具体化、という

日本は、先の大戦で、この普遍的理念を掲げることができなかった。理念を掲げる、ビジョンを描く、その手の行為は、我々日本人にとって鬼門なのかもしれない。引用は、加藤陽子著「戦争まで」(朝日出版社、16年)から(p443)。この本、一読の価値ある。

本書の副題は、歴史を決めた交渉と日本の失敗。また、表紙には、かつて日本は、世界から「どちらを選ぶか」と三度、問われた。より良き道を選べなかったのはなぜか。日本近現代史の最前線。とある。

アダム・スミス著「国富論」(1776年)でのアメリカ独立の議論(p87)。リットン報告書(1932年)が示した「世界の道」(p130)。軍事同盟の三要素、仮想敵国、援助義務、そして勢力圏(p216)。判断し、選択するための「時間」は、あまねく公平に与えられている(p301)。米国は真珠湾に第一打が来ることを知っていた、はウソ(p415)。宣戦の最後通告をぎりぎりまで出さないよう陸海軍統帥部が図った(p412)。

北支事変坂の上の雲第5部単なる復興ではないコロナ後(いずれもサイト内)

坂の上の雲第5部

  • 2020/06/25 07:07
  • カテゴリー:読み物

新聞の水準は、その国の民度と国力の反映であろう。

当時世界最強とも言われたロシア軍が日露戦争に負けた。なぜそんなことになったのか、戦後、日本の新聞は、冷静な分析を一行たりとも載せなかった。日本国民は、交戦国における暴政や革命機運を知らされなかったばかりか、さらに、日本軍隊の絶対的優越性という迷信を持つに至る。司馬遼太郎全集第26巻(文藝春秋、73年)「坂の上の雲」第五部(p80)から。それから百年経った現在、日本において、情報を出す側、受け取る側、各々の水準はどんなもんだろうか。

坂の上の雲(サイト内検索)

独ソ戦

  • 2020/05/29 06:41
  • カテゴリー:読み物

日露戦争で、日本軍よりもずっと優勢な大軍を擁しながらも敗北した経験が、ロシアの軍人たちに深刻な思索をうながしたのだ。

その思索は、1930年代に「作戦術」として結実する。戦略と戦術の間に「作戦」という次元があり、戦争遂行に重要な意味を持つ。当時のその新しい軍事理論を、ロシアは20世紀初頭から鋭意検討した。独ソ戦での勝因は、圧倒的な人的・物的資源と、この「作戦術」の優位によるものだった。引用は、大木毅著「独ソ戦-絶滅戦争の惨禍」(岩波新書、19年)から(p150)。

日露戦争を戦った一方の日本はどうだったか。「寡をもって衆をやぶる」桶狭間式奇襲で日露戦争に勝った。陸軍の首脳は、その固定観念から抜け出せず、第二次大戦で陸軍が崩壊するまでそのスタイルに終始した。司馬遼太郎著「坂の上の雲 (4)」(文春文庫、99年、新装版)から(p256)。

# 桶狭間の戦い(1560年)、日露戦争(1904-05年)、ロシア革命(1917年)、ノモンハン事件(1939年)、独ソ戦(東部戦線、1941-45年)、クレフェルト「補給戦」、敵の重心(Schwerpunkt)を叩く、通常戦争・収奪戦争・世界観戦争(絶滅戦争)、「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」

坂の上の雲 (3)

  • 2020/05/18 07:05
  • カテゴリー:読み物

日本は、朝鮮半島を防衛上のクッションとして考えているだけでなく、李王朝の朝鮮国を、できれば市場にしたいとおもっていた。

日露戦争(1904-05年)の原因は一つはそこにある。明治維新から30余年、工業力はまだまだ幼稚で売るものもないのに、欧州列強のまねをしようとした。アジアの一等国を目指して。司馬遼太郎著「坂の上の雲 (3)」(文春文庫、99年、新装版)から(p67)。この巻の最初の章で子規逝く。

あれから百年経った今の世界はどうか。ちょっと力のある国は、依然、同じようなことをやっているのではないだろうか。列強や、植民地、占領ではなく、経済大国や、同盟、協定とか、表現は穏当になってはいるけれど。

# 坂の上の雲 (1) (2)(いずれもサイト内)、Great power - Wikipedia、朱子学の合理主義(p197)

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