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応仁の乱

  • 2021/03/06 06:39
  • カテゴリー:読み物

応仁の乱は第一次世界大戦と似た構図を持つのではないか、と思い至った。

呉座勇一著「応仁の乱-戦国時代を生んだ大乱」(中公新書、2016年)から(p284)。15世紀の大乱と20世紀の世界大戦、どのような点が似ているのか。

第一次世界大戦(1914-18)。新興の帝国ドイツが、覇権国家イギリスを中心とする国際秩序に挑戦した戦争だった。サラエボ事件に端を発し、オーストリアをドイツが支援、セルビアを英仏露の列強が支持。参加国皆が、短期決戦を志向したが、長期化し総力戦の様相を呈する世界大戦へ拡大した。結局、イギリス海軍の海上封鎖によって補給路を断たれたドイツが降伏。勝者の英仏でさえ甚だしく疲弊、終戦後は、欧州全体の没落を招いた。それを尻目に、資本主義経済の中心が米国に移り、社会主義国家ソ連が成立する。

本書のお題、応仁の乱(1467-77)は、新興勢力の山名氏が、覇権勢力細川氏を中心とした幕府秩序に挑戦した戦争だった。畠山の家督争いである御霊合戦に端を発し、山名宗全が畠山義就を支援し軍事介入、細川勝元は同盟者の畠山政長を応援。東西両軍ともに短期決戦を志向したが、戦は長期化し総力戦の様相を呈した。結局、東軍に補給路を断たれた西軍が屈服。東軍側も損耗激しく、戦後は、結束の堅さを誇った細川でさえ一族で諍いを繰り返すようになる。参戦諸将の没落を尻目に、いわゆる戦国大名が台頭して来る。

新興勢力が秩序に挑戦するようなことが、また繰り返されるのだろうか。

# 経覚(1395-1473)、尋尊(1430-1508)。米国務長官 中国は「国際秩序に重大な挑戦をする力持つ」(3/4)

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