江夏の21球
- 2018/12/25 07:05
- カテゴリー:読み物
それから約二十六分間、江夏は大阪球場のマウンドに立ち尽くし、”勝者”と”敗者”の対角線上を激しく往復する。
山際淳司著「スローカーブを、もう一球」(角川文庫、85年)は、最寄り図書館の文庫本棚にあった。引用は、二番目に収載の「江夏の21球」から(p40)。攻守各々の選手や関係者らが、あのとき、状況はどう見えていたのか、何を考えていたのか、とインタビューに応える。それによって構成するという点では、この話と先日ふれた「ロストフの14秒」はよく似ている。ただし、対象となる場面の時間は、ロストフの方はタイトルにある通り14秒。江夏の場合は、「正確にいえば二十六分四十九秒」(p59)だった。