死を生きた人びと
- 2020/03/30 07:28
- カテゴリー:読み物
懸念するのは、世論がなだれを打って在宅死に傾く危険性である。入院死は敗北であり、在宅死こそが正しいという「在宅神話」に、今度は患者も家族も縛られる状況である。
在宅での診療や看取りが認知され、今後、在宅死は益々増えるだろうけれど、それは場所の選択肢に過ぎない。最後まで人間らしくいられるのか、人間らしい死なのか、それが、本人や家族各々が抱える事情から総合的に見極められることが何よりも大切。小堀鷗一郎著「死を生きた人びと-訪問診療医と355人の患者」(みすず書房、18年)から(p151)。
# A・ガワンデ著「死すべき定め」(p188)、科学の言葉、文学の言葉(サイト内)、Italians over 80 'will be left to die' as country overwhelmed by coronavirus(3/14)