魔力の胎動
- 2020/03/12 07:13
- カテゴリー:読み物
飛ぶ準備をしろ。あたしが風を読んでやる。風に支配されるんじゃなくて、あんたが風を支配するんだ
円華がカッコ良くそう言い放つ。彼女は乱流を瞬時に見極めることができる。東野圭吾著「魔力の胎動」(KADOKAWA、18年)から(p59)。「ラプラスの魔女」の前日譚。こちらを後で読んで楽しめるように工夫されている。最後の第5章で「ラプラス~」に繋がる。
第4章までナユタという人物の視点で話が進む。その名は数の単位「那由他」のこと。一般に10の60乗のことらしい。そういえば、Googleも大きな数字の単位に由来している。その妙な社名の語源googolは、60乗どころではない、10の100乗だ。とてつもなく大きい。社名の由来を知った当時のことを思い出す。何かデカいことを狙っているのだろうか。実際、インターネット上のすべての情報を掻き集めると言う、そんなことできるんだろうか、と眉に唾を付けて聞いた、確か99年かその翌年のことだ。そうこうする内に、おれの取るに足らないwebページにさえGooglebotはやって来た。それに気付いた時、こいつら本気だと思ったもんだ。あれからもう20年も経つんだな。今では世界を牛耳るITの雄だ。
# ラプラスの魔女(サイト内)、那由他 - Wikipedia