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キーワード「戦争」の検索結果は以下のとおりです。

金鵄のもとに

  • 2024/07/18 05:56
  • カテゴリー:読み物

俺は、ブーゲンビルにいた。証拠だと? そんなものあるか。証拠はこのおつむの中の、記憶だけだよ。

染井に声をかけて来た男もブーゲンビル島からの帰還兵だった。浅田次郎著「帰郷」(集英社文庫、2019年)に所収の「金鵄のもとに」から(p206)。

命からがら帰国した染井は、男の誘いに乗って、傷痍軍人になる道を選ぶ。人様の施しを受ける、特に米兵の投げるドルだ、それが生き抜くための「最善にして唯一の方法」だと考える。この話、どうも後味がよろしくない。

傷痍軍人の姿が記憶の中にある。母に連れられて明石駅へ出る度に見かけた。まだ就学する前だったから、1960年代の後半ということになる。考えてみると、戦争が終わって既に20年は経っていた。その頃でも彼らは街頭にいたんだな。

戦争(サイト内)。傷痍軍人|Wikipedia

友達と絶交した時に

家も親友も社会的地位も投げ打って、自らの心の自然と向き合うか否か。人は何を覚悟して絶交するのか

夏目漱石著「それから」が、ブックガイド番組で紹介されていた。NHKプラスで観た。

「絶交」という切り口でこの本が選ばれるのは意外だなと思った。「かつて好きだった人に会った時に読む本」あたりの方がしっくり来る。その選書テーマなら、いくつか候補が思い浮かぶ。「蝉しぐれ」や、「国境の南、太陽の西」、「錦繍」など。

戦争が迫ってきた時に読む(サイト内)。理想的本箱 君だけのブックガイド 選「友達と絶交した時に読む本」(NHK Eテレ、6/29 21時)

[ 朝刊休刊日 ]

戦争が迫ってきた時に読む

  • 2024/07/04 05:38
  • カテゴリー:読み物

考えなくて済むことを求めている。

我々民衆はそうなりがちだ。気を付けないといけない、勢いだけの似非リーダーに付け入るスキを与えないように。

ジョージ・ソーンダーズ著「短くて恐ろしいフィルの時代」が、ブックガイド番組で紹介されていた。NHKプラスで観た。

この日の選書テーマは「戦争が迫ってきた時に読む本」。ほかに紹介されたのは、スヴェトラーナ・アレクシエーヴィッチ著「戦争は女の顔をしていない」、石内都著写真集「ひろしま」。計3冊、意外な取り合わせだった。

終わらない戦争「日本人の正体」(いずれもサイト内)。理想的本箱 君だけのブックガイド 選「戦争が迫ってきた時に読む本」(NHK Eテレ、6/22 21時)

兜の緒を締めよ

隆盛を求めるには時を要するが、凋落はあっという間だ。隣国の低迷を明日はわが身と、成果をあげている今こそ、兜の緒を締めなくてはならない。

産経新聞の主張(社説)「五輪球技の活況 快挙にも兜の緒を締めよ」(6/15)から。隣国とは韓国のこと。日本は、多くの球技種目でパリ五輪への出場を決めた。それを、あまり成績の良くない韓国と比較している。

在京六紙の社説が、五輪での特定の競技の出場権を議論するのは珍しい。それも他国のそれを引き合いに出すのはかなり稀だろう。ちょっとどうかと思わなくもない。が、調子の良い時こそ、慢心せず将来への「備えを怠らない」、その主張は当を得ている。

この社説が目に留まったのには理由がある。十日ほど前に、友人とのやり取りの中で「兜の緒を締めよ」と書いた。同じ言葉が、きのう、社説のタイトルに登場したのだ。

友人からこんな話があった。「武という字は戈(干戈=矛と盾)と止という字から成り立っていて、本来の意味は戦いをやめること。それに術(テクニック)がついて、敵の攻撃を無害化して自分を護って、攻撃を諦めさせて交戦状態を友好交流に転化して」云々。

戦いをやめる、戦わない、そこから、日露戦争での連合艦隊解散ノ辞へ連想が飛んだ。その最後の部分を返信した。「奮励し、万全の実力の満を持して放つべき時節を待たば、こいねがわくば以て永遠に護国の大任を全うする事を得ん。神明はただ平素の鍛錬につとめ戦わずして既に勝てる者に勝利の栄冠を授くると同時に、一勝に満足して治平に安んずる者よりただちにこれをうばふ。古人曰く、勝つて兜の緒を締めよ、と」。

さて、6/10週の六紙社説は、そのほかに、少子化の加速、保護司殺害、欧州議会選、東京都知事選、「セクシー田中さん」問題、JPドラゴン逮捕、佐渡金山、財政再建目標、G7サミットなどを話題にした。

六紙社説、坂の上の雲第6部平和は槍で得るものなのか(いずれもサイト内)

国際秩序のこれから

米国は、イラク戦争のように、力に任せて正しくない政策を追求していくことが往々にしてある。多国間の枠組みの中で米国の方針を変えさせる、それが一番できるのは日本だと思う。それに、これからの最大の課題は中国。中国にどう向き合うか、それが世界の分断や2つの戦争がどうなるかを決めて行く。中国に最も近い民主主義大国の日本には米国を先導して行く役割が期待されている。

日本総研の田中均氏がそんなコメントをしていた。果たして、わが国は上手く立ち回ることができるだろうか。

特集番組「戦争に揺らぐ世界」第2回「国際秩序のこれから」(4/30)は、前回に続いて興味深い話で溢れていた。

この第2回の冒頭、同志社大の吉田徹氏がこんな風に言っていた。自然は空白を嫌う。米国のヘゲモニーが衰退しつつある今、新しいアクターがそれを埋めようとして国際情勢の液状化に拍車をかける。米国主導でつくって来た戦後という時代の賞味期限がそろそろ切れ始めているとも言える。

寄らば大樹の陰とばかり、日本は、米国への忠誠度があまりにも高い。さあどうする。

終わらない戦争(サイト内)。特集番組「戦争に揺らぐ世界」第2回「国際秩序のこれから」(NHKラジオ第一、4/30 21:05-21:55)

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