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2024年09月の記事は以下のとおりです。

雪月花

  • 2024/09/10 06:00
  • カテゴリー:読み物

江戸の俳句の場合、劇的にしたい第三者が、別人の作を誰かにくっつける。そうやって《伝説》を作る。ポピュラーな作には、あることです。

北村薫著「雪月花-謎解き私小説」(新潮社、2020年)から(p133)。

「雪の日やあれも人の子樽拾い」も、作者がすり替えられてしまった。備中松山藩主・安藤信友の作ではない、これは専門家にはわかっていたことだった。著者の北村さんは、高木蒼梧「俳諧人名辞典」(巌南堂書店、1960年)を引用している。そこには、真の作者は水間沾徳、と明記されていると。「真蹟」もあるらしい。

水間沾徳は、芭蕉十哲の一人宝井其角亡き後の江戸俳壇の重鎮だったとか。その人の作とするより、雪の日に大名が籠から外の様子を眺めて詠んだとする方が趣がある、と、どこかの誰かが考えた。「表には出ない創作者である」と著者は書く。

雪の日やあれも人の子樽拾い(サイト内)。本にまつわる“謎”を追っていくと、本から本へ、思いがけない道すじがつながっていく――。

十津川警部の休暇

住所は出鱈目でも、このRマンションというのは嘘じゃないのかもしれない。人間というのは完全な嘘はつけないものだと言いますから。

嘘の中にホントが混じっている。刑事たちは、都内にある12のRマンションを片っ端から調べて手がかりを得るのだった。

NHKラジオの聴き逃しにあった朗読「十津川警部の休暇」を聴いた。全5回(全75分)を二日に分けて。引用はその第3回から。

家人とのやり取り。「それ、西村京太郎ね」「そうそう。読んだことあるの」「いや、テレビの2時間ドラマで何度か見た。浩太さんと電線マンが出てる」

渡瀬恒彦と伊東四朗のことだ。浩太さんは「おしん」での役どころ。「伊東四朗もあの連ドラに出ていたように思うけど。おしんのお父さん役」「そうだったかなぁ」

敬称略。

あの係長が頼朝の側近(サイト内)。朗読「十津川警部の休暇」第3回【原作】西村京太郎【朗読】石黒賢(NHK-FM、8/14 18:35)

最低賃金、2024年

「都道府県ごとに定める最低賃金の2024年度の引き上げ額が出そろった」と日本経済新聞の社説にある。9/4付け。半分以上の27県で目安額の50円を上回ったとか。

最低賃金の社説は一か月ぶり。在京六紙は、7月半ばから8月初頭にかけてこのテーマを採り上げていた。数えてみると8本に上る。8/2付の毎日から今回の日経まで間が空いた。

「働き手が首都圏や近隣県へ流出するのを懸念し、積極的に引き上げる県が目立つ」「最低賃金の水準を地域間で競うのは必然といえる」(経9/4)。煽るねぇ。

そして、「望ましい最低賃金の水準を導き出すには、中長期の視点と精緻なデータ分析が必要だ」「英国ではエコノミストら専門家も情勢分析に加わって最適な引き上げ額を探っており、日本も参考にすべき」(同)、と批判する。

煽る。扇動する。人心を惑わせる。世の中かき回す。ビジネスへ繋げる。経済を動かす。要するに頭にあるのは金儲けのことだ。

批判する。権力を批判するのはメディアの務めだと嘯く。その一方で弱者に寄り添うわけでもない。常に上から目線で言い放し。わしゃ知らね、って。

そんなことばかりだから新聞は益々読まれなくなる。もう少し何かできないものか。例えば経済紙だったら、この賃金ネタはお手の物だろう。その「情勢分析」とやらに腰を据えて取り組めば、中長期的な賃金水準を割り出すこともできるはず。それを提案する場として社説を使えばいい。

さて、9/2週の六紙社説は、そのほかに、兵庫知事の疑惑、台風10号の被害、予算の概算要求過去最大に、男性の育休取得、ガザでワクチン休戦、裏金と自民総裁選、プーチン氏逮捕されず、公益通報制度、日韓首脳会談、立憲民主党代表選などを話題にした。

六紙社説、最低賃金アップ、23年度(いずれもサイト内)。東京1163円、沖縄952円

コウモリ

朝起きて窓の外を見て驚いた。ベランダからほんの2メートルほど先、電線にコウモリがぶら下がっていた。それも二匹。つがいだろうか。

写真を撮ろう、スマホだ、と思った瞬間、二匹は揃って飛び立った。翼を広げたその大きさは1メートルくらいに見えた。ぶら下がっている姿は30センチほどだったろうか。

本土では、そんな大きなコウモリを見たことはない。オオコウモリの一種だろうか。また機会がある時に調べてみよう。

そういえば、何日か前の夕飯時に、外で何かキーキー鳴いていると家人が言った。かなり高い音だと。コウモリだったのだ。どうやらこの辺りを夜な夜な飛び交っているらしい。

私にはその鳴き声は聞こえなかった。年を取ると、周波数が高い音から聞きづらくなって来るという。加齢性難聴は既に始まっている。

木の束にヤールー(サイト内)

Road to A LONG VACATION

  • 2024/09/06 06:15
  • カテゴリー:音楽

3月30日のオリコンに初めてチャートインしまして、初登場は70位でした。アルバム、カセット合わせて3万弱。チャートに入っただけでもうれしかったです。チャートの1位は中島みゆきさんの「臨月」。同じ時に「A LONG VACATION」は出ました。

大瀧詠一ご本人がそんな話を語る。名盤「A LONG VACATION」誕生秘話、その盤の40周年記念リミックス版CDを図書館で借りたら、CD2として、おまけで付いていた。2011年に制作されたようだ。引用の冒頭にある3月は、1981年3月のこと。

「臨月」は、中島みゆき8作目のアルバム。前作まではよく知っているのに、この8作目からは、ぱったり、聴かなくなった。その発売直前に高校を卒業。私は他県の大学へ行くことになり、中島みゆきのLPをずっと貸してくれていた友人に会わなくなったからだった。

「A LONG VACATION」のLPは、大学に入って親しくなった人から、誕生日のプレゼントにもらった。二つ年上の彼女は画家志望。オーケストラ中心の生活で、いわゆるクラシック音楽ばかりだった私に、こういうのも聴いてみたら、ということだったろう。その人からはもう一枚、ユーミンの「流線形'80」も。

人との出会いは、音楽との出逢い。

# 大瀧詠一(1948-2013)、すすめられたアルバム十選(いずれもサイト内)。1981年の音楽|Wikipedia、大滝詠一が『A LONG VACATION』40周年でやりたかったこと、聴かせたかったもの[前編](2021/4/2)、[後編](同/4/3)

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