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キーワード「中島敦」の検索結果は以下のとおりです。

かめれおん日記

  • 2024/06/07 05:47
  • カテゴリー:読み物

落胆しないために初めから欲望を持たず、成功しないであろうとの予見から、てんで努力をしようとせず、辱めを受けたり気まずい思いをしたくないために人中へ出まいとし、自分が頼まれた場合の困惑を誇大して類推しては、自分から他人にものを依頼することが全然できなくなってしまった。

ちくま日本文学全集「中島敦」(筑摩書房、1992年)に所収の「かめれおん日記」(昭和十七年十一月)から(p339)。

失敗しても自尊心が傷つかないように事前に失敗の種子を蒔いておく。これを、ビジネス書的なジャーゴンで、セルフ・ハンディキャッピングと言う。

Re: 愛読書十選「権力」を握る人の法則(いずれもサイト内)

ピークとは何か

  • 2022/01/14 06:32
  • カテゴリー:読み物

ピーク時に当該本人がはたしてそれと意識できるものなのか、どうか。すなわちそれと認識し対象化することはすこぶる難しいことなのではないか。それこそあとになって、振り返って改めて気づくことでこそあれ、ピークの渦中にあってそれと思い及ぶことは困難なのではあるまいか。

野呂邦暢は42歳で他界した。芥川龍之介や、梶井基次郎、中島敦らは三十台で夭折。皆ピーク時に病で斃れた。深谷考著「野呂邦暢、風土のヴィジョン」(青弓社、2018年)に収載の「ピークとは何か」から(p114)。

作曲家の吉松隆氏による分析では、著名な作曲家の多くは、26-29歳の頃に最初の傑作を書き、ほぼその十年後の35-45歳頃に代表作となるような力作を生むピークを迎えている。あの天才モーツアルトの場合、29歳で「フィガロの結婚」やハイドンセットを世に出し、死の年、35歳で、レクイエムを書いた。

当時それを読んで自分のことを考えた。大きな成果と言えるものを実行したのは、果たして何歳のときだったろうかと。「あのクロスライセンス契約をまとめたのは、34歳のときだった。そして、海外二社との大部な契約を行ったのは、48歳のとき」。そんなことを書いている(2013年12月)。音楽や文学の大家たちと比べるのはおこがましいけれど、自分にもピークらしきものがあったのかもしれない。還暦の今年、あらためて思い返してみよう。

野呂邦暢中島敦(いずれもサイト内)。吉松隆著「モーツァルトがもう少し長生きしたら、もっと傑作を残しただろうか?」(河出書房新社、2013年、KAWADE夢ムック文藝別冊モーツァルト、p103)

Re: 愛読書十選

  • 2021/05/26 06:27
  • カテゴリー:読み物

かつてこのホームページに併設していた掲示板 "Etwas Neues" で、無人島へ持って行く本が話題になったことがあった。それを思い出しHDD内を検索。1998年12月のログにあった。以下はその時に選んだ10冊。二十数年隔てた今回の十選(その1~3)と、ちらほら重なりがある。

「トランプ-ひとり遊び88選」野崎昭宏
「蝉しぐれ」藤沢周平
「宇宙からの帰還」立花隆
「こころ」夏目漱石
「梶井基次郎全集全一巻」(ちくま文庫)
「中島敦」(ちくま日本文学全集)
「新唐詩選」吉川幸次郎、三好達治
「ピアノ協奏曲集11~27番」モーツアルト
「フィガロの結婚」モーツアルト
「魔笛」モーツアルト

モーツアルトの3つは、オーケストラのスコア。

# bulletin board system(BBS)。愛読書十選ビジネス書十選(いずれもサイト内)

愛読書十選 (3)

  • 2021/05/21 06:00
  • カテゴリー:読み物

その3は「作家十選」。没年の昇順。

  • 中島敦(1909-1942)
  • 久生十蘭(1902-1957)
  • 広瀬正(1924-1972)
  • 新田次郎(1912-1980)
  • 足立巻一(1913-1985)
  • 山際淳司(1948-1995)
  • 藤沢周平(1927-1997)
  • 山田風太郎(1922-2001)
  • A・J・クィネル(1940-2005)
  • 井上ひさし(1934-2010)

愛読書十選(サイト内)。山下洋輔、逢坂剛、中島義道、原尞、沢木耕太郎、北村薫、ケン・フォレット、高村薫、東野圭吾、三品和弘。敬称略

ノコギリが基本

練習するならまずノコギリ、と師匠がおっしゃる。ノコの精度が上がると、後の工程、特にノミによる調整、が、ぐっと楽になる。作業時間が短縮できるばかりか、切断面が寸法通りにきっちり仕上がる。それは、最終的な出来栄えの良さにつながる。

ノコの重さを感じてそれを上手く使う、左手の指をガイドにして、最初はゆっくり小さく動かす、筋を付けた後に、ノコの柄をやや長めに持ち替える等々、ノコ挽きのコツを教えてもらっている時に、これは、他の手道具にも共通していることに気付いた。それは、白書きであり、ノミであり、カンナもか。いや、もしかしたら、もっと広く一般に通底する概念なのかもしれない、そんな風にも思った。中島敦の小説、「名人伝」だったか、その挿話がふと脳裏をかすめた。

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