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サッカー日本、戦い終えて

W杯カタール大会を話題にした社説をざっと見た。開幕から8強が出揃うまでに在京六紙では計10本。4紙は複数本書き、2紙はゼロだった(朝2、毎2、東0、読3、産3、経0)。

前回のロシア大会では、クリミア半島への侵略や、元スパイ暗殺未遂、性的少数者の人権などダークな面が取り沙汰された。今大会も、負けず劣らず色々あって、人権に敏感なドイツは参加をボイコットする、そんな噂も流れた。

朝日がその色々について比較的多くを語る(朝11/21)。「招致の買収疑惑」や、競技場などの「工事で多数の外国人労働者の犠牲」、「性的少数者への理解が低い」、「施設の後利用や環境への負荷など、大会後への懸念」と列挙。「公共性が厳しく問われる」と非難するものの、日本代表チームよ参加を見合わせよ、とまでは言わない。せいぜいFIFAとカタール政府に「改善に取り組み、説明責任を果た」せと求めるだけ。朝日の社説がその程度。他紙はもっと鈍感だ。

蓋を開けてみると、ドイツ含め32か国皆揃った。大会が始まってしまうと毎度のように大いに盛り上がる。メディアは、公共性云々そっち退けで、はしゃぐ。日本が初戦に勝ってからは益々過熱。

日本は、結局、今回も8強には届かなかった。が、社説には称賛こそあれ辛口コメントは見当たらない。「サッカー大国のドイツとスペインを後半の逆転で破り、世界に衝撃を与え、興奮を呼んだ」「カタール大会前半の主役」(産12/7)、「強豪を相次いで打ち破った森保ジャパンの奮闘は、日本のサッカー史に確かな足跡を残した」(読12/7)、「日本のレベルは着実に一段階上がった」(毎12/4)、「層の厚さと経験値を上げた今回の姿は新しい日本代表と呼べる進化があった」(朝12/7)と、手放しで讃える。

水を差すようで悪いけれど、思うところを、二三、書いておこう。もちろん「これってわたしの感想です」。

酷暑を避けて異例の11月開幕で「コンディション調整も難しい大会」(毎11/21)。欧州は直前までリーグ戦が行われており、各国代表は、短い準備期間でW杯に向け最良の状態に整えねばならなかった。所謂ピーキングだ。今回2つの強豪はそれに失敗した。日本に敗れたスペインとドイツだ。前者はモロッコにも勝てなかった。後者は人権云々という政治的なプレッシャーも負わされていた。

「二つの大金星を挙げた試合では、それぞれ布陣を変更して前半の猛攻に耐え、後半から攻撃力のある選手を前線に投入して少ないチャンスをものにした」(読12/7)。奇策でしか勝てない。お国自慢の桶狭間や真珠湾はもう忘れよう。真っ向勝負ができる王道サッカーをぜひ目指して欲しい。

「個々とチームが試合を通じて五分に渡り合えなければ8強やそれ以上に勝ち進むことが難しいことを示す大会でもあった」(産12/7)。分かり切ったこと。世界ランキングで20番くらいなんだから、8強はどう見ても無理がある。そもそもの目標設定は、4年おきの大会での8強ではなく、世界ランキングで常に一桁(1-9位)の方が納得感がある。

さて、12/5週の六紙社説は、W杯のほかに、原発建て替え問題、かかりつけ医制度、電力カルテル、園児虐待、地方議員の不足、NHK会長人事、防衛予算増額、辺野古判決、杉田政務官が発言撤回、ファスト映画賠償命令、献金被害の救済法成立、臨時国会閉幕などを題材に採り上げた。

1941年の太平洋戦争開戦については東京新聞が書いた。「戦争の足音が聞こえる 開戦の日に考える」(東12/8)。

六紙社説、優勝ならず、アジア杯「五輪 中止の決断を」(いずれもサイト内)。ひろゆき氏の「それってあなたの感想ですよね」小学生の流行語1位(12/1)、ジェンダーギャップ指数2022|内閣府男女共同参画局、ワールドカップ “差別反対”でドイツ連盟が改めて抗議の意思(11/24)

卵をめぐる祖父の戦争

  • 2022/11/28 06:26
  • カテゴリー:読み物

暗闇の中でふたりの声に耳を傾けていると、風が窓をがたがた揺らし、ストーヴの中で最後の燃えさしが爆ぜた。この世で一番淋しい音はほかの男女が愛を交わす音だ。

薄い壁越しに聞こえて来る声に青年は悩まされる。まんじりともできない。デイヴィッド・ベニオフ著「卵をめぐる祖父の戦争」田口俊樹訳(早川書房、2010年)から(p107)。原題は、City of Thieves

戦争の愚かさを綴る反戦の書。一方で、音楽や、文学、恋について語られる。チェスも登場する、重要な場面で。この本のことは「プリズン・ブック・クラブ」で知った。受刑者たちが感想を述べ合うシーンがあったかどうか覚えていない。次に読む本、と紹介されたような気もする。その読書会はさぞ盛り上がったのではないだろうか。

プリズン・ブック・クラブ(サイト内)。ショパンとマーラー(p94)、エリーゼのために(p254)

Re: 大地の子

  • 2022/11/17 06:25
  • カテゴリー:読み物

日本の経済復興の経緯は、日本へ行った時に、よく伺いましたよ、だが、それはアメリカという強力なバックアップがあったからで、

現金一括払いにするからと大幅な値切りに応じたのに、後になって延払いに切り替えて欲しいと切望され交渉することに。引用は、その際に中国側の話の中に出た一節。山崎豊子全集20「大地の子 2」(新潮社、2005年)から(p49)

こういう言葉もあった。「資源もないあんな小っぽけな島国が、戦争に負けて、息の根を止められたはずなのに」(大地の子 1、p375)。

日本の息の根を止めたアメリカが、戦後日本の復興をバックアップした。それは、なぜ、どのようにして。原爆二つを投下、市街地への激しい空爆、それらへの反省や良心の呵責がそうさせたのだろうか。反共の砦とか、朝鮮特需とか習った覚えもある。が、深く理解しているわけではない。機会を見て勉強し直してみよう。

大地の子(サイト内)。阿炳『梅花三弄』(p94)、鄧平化(鄧小平 1904-1997)、夏国鋒(華国鋒 1921-2008)、「大地の子」で有名な大プロジェクト、製鉄所の建設で日中協力|日経クロステック

保守と大東亜戦争

  • 2022/11/05 06:20
  • カテゴリー:読み物

本来の保守はリベラルという価値観を共有します。ここで言うリベラルとは左翼思想のことではありません。多様な価値に対する「寛容」と思想信条に対する「自由」です。

中島岳志著「保守と大東亜戦争」(集英社新書、2018年)から(p264)。

「漸進的な改革を志向する保守」にとって、大東亜戦争の悲劇に導いたファッショ的革新勢力も、戦後の民主主義や左翼思想も、同じように嫌悪の対象だった。どちらも行き過ぎた改造や統制により、引用に言う「寛容」も「自由」も限定的だったからだ。

中島岳志(サイト内)。福田恆存(ふくだつねあり、1912-1994)

パール判決を問い直す

  • 2022/10/17 06:36
  • カテゴリー:読み物

制定法があれば十分だという考えは、裁判を知らない人間の稚拙な発想と言わざるを得ない。社会通念にはカメレオンのように変わるという側面もある。けれども、通史的な次元もあり、保守されるべき根本となる規範もあり、慣習法もある、歴史的自然法もある。それらが社会通念のペースをなしている。浮動するのは表層的な面に過ぎない。

日本の侵略戦争や西洋の帝国主義に対するパールの批判的態度は、法律論ではなく社会通念に依拠していた、と西部氏は述べている。引用は、中島岳志+西部邁著「パール判決を問い直す」(講談社現代新書、2008年)、第三章『パール判決書』の問題から(p133)。本書の副題、「日本無罪論」の真相。

「パールの議論は、政治論として正しかった」(p193)と中島氏が言う。1) 欧米による帝国主義・人種差別・原爆投下などの非人道性を非難、2) 日本の帝国主義的歩みについて批判、3) 戦争肯定の論理を拒絶、牽制。4) ヒューマニズムに基づく文明観や世界連邦の理想など自らの思想表明、5) 「法の正義」を盾に東京裁判の政治性を批判。

中島岳志(サイト内)。西部邁|Wikipedia。「侵略」(覇権的先制攻撃)p205

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